きのうのブログ「浅田真央はソチ仕様に工事中、勝てなくて当然」の続き。

⇒2010年12月1日「浅田真央はソチ仕様に工事中、勝てなくて当然」はこちら。

フィギュアスケートは日本人がもっとも注目する競技の一つである。
なかでも女子フィギュア。
大会前、主催者や放映権者(テレビ局)は当然、前評判を高めたい。
ついては人気選手を引っ張り出し、世間への露出度を増やすのがもっとも有効である。

浅田真央はそれを痛いほど分かっていて、マスコミの取材に対して「リップサービス」を行う。
事前の期待を盛りあげる大役を笑顔で務めることが多い。
好調期ならともかく、気の毒だ。
とくに今季の浅田真央にとり…。

これがなぜ問題かというと、結果として自分を追い詰めるからだ。
本人は「調整」していると考えているのに、周囲は「失敗」したと思ってしまう。
実際、浅田真央は6種類のジャンプを一から見直しているところと語っていた。
いまは結果を出せない段階であり期間である。
注目の集中は負担や苦痛にしかならない。
フィギュア選手は皆、美しい自分を見てほしいと願っている。

また、それにより佐藤信夫コーチへの風当たりがさらに強くなるからだ。
重大な覚悟のうえで浅田真央を引き受けたとはいえ、あまりにつらい。
コーチは世界最高峰の選手を指導するとき、おそらく自らも悶絶しかねない。
競泳平泳ぎ・北島康介をオリンピック2大会連続金メダルへ導いた平井伯昌コーチがそうだった。
佐藤信夫コーチは本職(指導)の苦労に加え、心ない非難をしょい込む。

浅田真央は、エースとして日本のフィギュアスケート界をもり立てていかなくてはという思いを抱く。
恩返しという気持ちも…。
それゆえのリップサービス。

しかし、浅田真央が2014年ソチ冬季五輪(オリンピック)の栄冠を目指して練習にじっくりと取り組むにはマイナスである。
自身の環境、コーチの立場を悪くしかねないのだ。
マスコミをうまくコントロールすることも勝利の条件になるのでなかろうか。

このブログで幾度か述べたが、浅田真央はすでに十分に国民を楽しませた。
私も存分に楽しんだ。
今後はもうちょっと“自分本位”になってもらいたい。

なお、6種類のジャンプとは、難度の低い順序に並べれば、トウループ (Toe loop)、サルコウ (Salchow)、ループ (Loop)、フリップ (Flip)、ルッツ (Lutz)、アクセル (Axel) 。
ウィキペディアによった。

                       ◇

念のため。
私は「リップサービス」という言葉を用いた。
しかしながら、浅田真央がそれを望んで行っているかどうかは別である。

成功者になるほど“広告塔”として、自分が所属したり活動したりする分野や団体などの利益を代表しなければならない。
まして、浅田真央は人気が断トツ。
周りが放っておかない。

もう一つ。
浅田真央は、自分をとことん追い込んでいく。
成功者に共通しているが、彼女は顕著。
逃げ道を断ち、言い訳を封じ込めちゃう。

マスコミを通じた大会前の公言は、周囲へのやさしさ(気配り)と自らへの厳しさという両面が関係していそう。

続きはあさって、「浅田真央、惨敗後インタビューの残酷と地獄」のブログで…。

                      ◇◆◇

フィギュアスケート女子・浅田真央に関するブログは以下のとおり。

⇒2010年12月1日「浅田真央はソチ仕様に工事中、勝てなくて当然」はこちら。

⇒2010年11月29日「浅田真央、ジャンプの修正か改造かの判断」はこちら。

⇒2010年11月28日「惨敗・浅田真央は輝きを取り戻せるか?」はこちら。

⇒2010年11月27日「浅田真央、得意なジャンプが壊れる恐怖」はこちら。

⇒2010年11月25日「浅田真央を引き受けた佐藤信夫コーチの胸中」はこちら。

⇒2010年11月23日「浅田真央、ソチ五輪栄冠への長いトンネル・・・」はこちら。

⇒2010年11月21日「浅田真央が流した悔し涙の価値とは?」はこちら。

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