NHK朝の連続テレビ小説「てっぱん」。
長丁場のマラソンを短距離走のスピードで飛び出した。
私は、この朝ドラは早晩、息切れすると考えていた。

ところが、視聴率は10パーセント台後半をキープしており、この数字は大健闘といってよい。
何せシナリオがハチャメチャ、行き当たりばったり、大混乱…。
アイデアフラッシュで脚本をつくっているよう。
そうした面白さもあるのかもしれないが、私はどうも苦手だ。

人気の最大の要因は、ヒロイン・村上あかりを演じる、新人に近い「瀧本美織」の驚異的な頑張りである。
この子はCMにも起用されているが、非常に達者。
笑顔と泣き顔の天才少女。
とくに涙腺は簡単に緩む。
どうしてあんなに泣けるのだろう。

富司純子(ふじ・すみこ)を筆頭に、安田成美や遠藤憲一、竜雷太などのベテラン俳優はそれぞれの持ち味をしっかりと出している。
そして、主役をきちんと支えている。
富司純子は、東映の任侠女優・藤純子(ふじ・じゅんこ)の素顔(?)がときどきのぞく。
緋牡丹の刺青を背負った「お竜」。

それでもやはり、私は瀧本美織の体当たりの演技で「てっぱん」は持ち堪えていると思う。
後ろ髪を上げた首が、おっと思うほど太い。
生命力の強さを感じさせる。
瀧本美織は燃えやすいぞ、と…。

私は年末にパソコンのデータが消滅し、いまだに仕事の遅れを取り戻せない。

以下に、「てっぱん見どころは富司純子か瀧本美織か」と題する2010年10月27日のブログを収める。

                      ◇◆◇

NHK朝の連続テレビ小説「てっぱん」。
ヒロイン・村上あかり役の瀧本美織(たきもと・みおり)が体当たりの演技を披露している。
そこに富司純子(ふじ・すみこ)が演じる祖母・田中初音が登場した。
朝ドラでは「がんぼたれ(男勝り)」の孫と「いけず(意地悪)」の祖母が何かにつけて衝突している。
「おばあちゃん」は、あかりに「大家さん」と呼ばせる。
しかし、このところ二人の距離がかなり縮まってきた。

ところで、ネット上にこのドラマの見どころは祖母・田中初音役の富司純子の演技といった指摘があった。
それは違う。
それぞれの出演者が見どころ。

富司純子がそれなりの演技をするのは当たり前。
瀧本美織と、女優としてのキャリアと実績が段違いだ。
比較しては、富司純子に失礼。
孫みたいな年齢の主役をどうもり立てようかと考えながら演じているはずだ。

あえて見どころという言葉を使うなら、「てっぱん」の見どころはヒロイン・村上あかり役の瀧本美織の演技である。

この子はハチャメチャなシナリオ(脚本)を、何とか自分なりにこなしている。
立派だなぁ…。
私はそう思っていた。

が、どうやらそうでない。
ハチャメチャなほうが瀧本美織は生き生きとするのだ。
制作陣の無理難題が好きなのかもしれない。

瀧本美織は燃えやすいぞ、と…。

⇒2010年10月9日「てっぱん瀧本美織の涙、安田成美・遠藤憲一の味」はこちら。

⇒2010年10月10日「葉加瀬太郎・ひまわり、近藤良平・てっぱんダンス」はこちら。

⇒2010年10月12日「ピエロ瀧本美織…てっぱん・強引・マイウエイ」はこちら。

⇒2010年10月16日「てっぱん瀧本美織、前輪に笑顔、後輪に泣き顔」はこちら。

⇒2010年10月20日「てっぱん・瀧本美織、ひたむきな演技が最大の魅力」はこちら。

⇒2010年10月23日「てっぱん瀧本美織、人生の哲学と真理を語る」はこちら。

⇒2010年10月23日「てっぱんの踊りは人を幸せにする…近藤良平」はこちら。

◆書き加え1(10月25日)

このブログで以前、瀧本美織は新人女優と記した。

ところが、ウィキペディアによれば、2010年1月公開の映画「彼岸島」で女優デビューを果たしていた。
鳥取敬愛高等学校(私立)在学中だったろう。

朝ドラ「てっぱん」は先が長い。
「本当の地獄は、これからだ。」。

                       ◇

やはりウィキペディアによれば、瀧本美織は本名。

「美しい風景を彩るように、織りなす女の子に育つように」。
この文章はいま一つ意味が分かりにくいが、両親のそうした願いが込められているらしい。

私が意外だったのは、一人っ子。
兄弟(姉妹)が大勢いそう。
まして長女という雰囲気はない。

また、「小さい頃は男子に混ざって遊んでいた行動派」と記されている。
行動派。
う〜ん。

◆書き加え2(10月27日)

開かずの間。

だいぶ前、その鍵が壊れたことがあった。
きょう、その障子が数本の指で破られた。

開かずの間が開こうとしている。

食卓には、村上あかり(瀧本美織)が育ての母から受け継いだ尾道(広島)のお好み焼き。

田中初音(富司純子)から仕込まれた大阪のお好み焼きを二枚看板に、店を開業する日が近づきつつあるのか・・・。

◆書き加え3(12月11日)

富司純子(ふじ・すみこ)。
中高年の任侠映画ファンには「藤純子(ふじ・じゅんこ)」としてお馴染みである。
緋牡丹の刺青を背負った姿は目に焼きついて離れない。
スクリーンいっぱいに凄絶な美しさが漂った。

⇒2010年11月20日「富司純子が本領発揮…てっぱんを仕切る凄み」はこちら。

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