人類の夢がついに現実になった。
米テレフギア(Terrafugia)社が「空飛ぶ車(クルマ)」の生産を年内にも始める。
陸空両用、翼がついた車「トランジション(Transition)」。
機能的には飛行機に近い。
空港で離着陸でき、道路も走れる。

同社は2006年、マサチューセッツ工科大学(MIT)出身の5人のパイロットが中心になり、マサチューセッツ州に設立。
2009年、車と軽飛行機を合体させた移動手段としてトランジションのプロトタイプを発表した。
そして、初フライトを公開して世界を驚嘆させた。

トランジションは30秒で車と飛行機の変身(?)が可能。
オープンカーの開閉にかかる時間とそれほど変わらない。
ガソリンエンジンを搭載、駆動方式はFF。
燃料は一般的なガソリンスタンドで補給できる無鉛ガソリン。
また、満タンでの最長飛行距離は 740キロメートル。
最高時速は 185キロメートル。
車としての時速は 104キロメートル。
高速道路を走行できる。
燃費は1リットル当たり(リッター)12.7キロメートル。
乗車定員は2名。
全幅2メートルで、標準的なガレージに保管できる。

市販のネックは重量だった。
米国の自家用機で最軽量の「ライトスポーツ」カテゴリーの最大離陸重量は 600キログラム以下と規定されている。
トランジションは公道走行時の安全性を確保したため、約55キログラムオーバー。
米連邦航空局(FAA)は特例措置としてこのカテゴリーに分類することを認めた。
水陸両用飛行機と同じ約 650キログラムでの離陸が可能になった。
ライトスポーツカテゴリーは、20時間の訓練飛行で免許が取得できるなど、費用面でのメリットも大きい。

米テレフギア社のリチャード・ガーシュ(Richard Gersh)は「すでに 100台の注文が入っている」と語った。
ウェブサイトから1万ドルで予約が可能。
1600万円から2100万円なので、富裕層がたやすく買える。
量産効果で価格が劇的に落ちていきそうだ。
あっという間に数百万円…。

                       ◇

世界の自動車メーカーはインターネット上の仮想3D空間「セカンドライフ」で空飛ぶ車(クルマ)を発表していた。
それがアメリカンドリームとして最初に花開いた。
私は、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を思い出した。
道を走っていた車が変形して空を飛んでいく。
何とエキサイティングなことか・・・。

先進国に留まらず、道路が未整備、渋滞が最悪の中国やブラジルなどの新興国市場で売れそうだ。

近い将来、陸を走るのは車、空を飛ぶのは飛行機という区分けが消える。
地上車は売れなくなる?
これに追随するところが続出するはずだ。

実は、空飛ぶ車の開発競争が加速・激化していた。
米航空機大手ボーイング社が空陸両用車を、アメリカ航空宇宙局(NASA)が自動車並みの操縦性の小型飛行機を計画している。
ほかにベンチャーも参戦…。
この動きに乗り遅れると、短期間でシェアを低下させかねない。
となると、世界市場で健闘している日本の自動車メーカーも劣勢に立たされる。

私は、豊田章男社長が率いるトヨタ自動車に期待したい。
なぜなら、スバル(SUBARU)ブランドの自動車を製造する富士重工業と業務提携関係にある。
昔、軍用機とそのエンジンを開発した。
前身は戦前の「中島飛行機」。
トヨタは、出資比率はそれほど高くないが筆頭株主であり、開発部門の交流も盛んに行われている模様。

                      ◇◆◇

トヨタと豊田章男社長に関するブログは以下のとおり。

⇒2010年6月21日「豊田章男と奥田碩…トヨタ社長評価」はこちら。

⇒2010年3月2日「豊田章男社長…独り矢面に立つ創業家」はこちら。

⇒2010年2月8日「リコールトヨタ販売激減、株価急落」はこちら。

⇒2010年1月29日「トヨタ車の品質・安全神話が崩壊」はこちら。

⇒2009年1月21日「豊田章男氏のもとディーラー再編!?」はこちら。

⇒2008年11月19日「トヨタディーラー再編」はこちら。

⇒2008年5月21日「トヨタディーラーは3系列へ再編」はこちら。

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