世界フィギュアスケート選手権2011(ロシア大会)。
先ほど男子シングルが終わった。
日本勢は優勝を逃した。
が、ショートプログラム(SP)6位の小塚崇彦が最後の砦となり銀メダルをつかんだ。

⇒2011年4月27日「小塚崇彦、金メダルへの距離…世界選手権」はこちら。

私は、小塚崇彦の気迫に満ちたフリースケーティングに感動してしまった。
織田信成と高橋大輔が倒れた後、日本にどうしてもメダルを持ち帰るとの執念がひしひしと伝わってきた。
彼を見直した。
「よっ、貴公子っ!」。

⇒2011年1月27日「浅田真央は小塚崇彦をどう思っているのか?」はこちら。

2014年ソチ冬季五輪(オリンピック)へ向けて伸びてくるロシア勢を別にし、カナダのパトリック・チャンを追いかけられるのは世界に小塚崇彦しかいない。
羽生結弦は楽しみだが、未知数。

⇒2011年1月13日「小塚崇彦と浅田真央…フィギュア王国の二枚看板」はこちら。

織田信成は自らの軽さを何とかしなくては、オリンピックや世界フィギュアの大舞台で勝てない。
跳びすぎでごそっと得点を捨てるとは、非常に恥ずかしい。
応援してくれるファンに失礼。
現役引退など論外。

⇒2011年4月28日「織田信成のリベンジ…世界フィギュア表彰台」はこちら。

高橋大輔はインタビューで例のアクシデントを恥じた。
「もう一度やり直したい・・・」。
来年の世界フィギュアがあるじゃないか。
これで引退の目は消えた。

⇒2011年4月28日「高橋大輔、世界フィギュア優勝へのスイッチ」はこちら。

私は高橋大輔にソチオリンピックを目指してほしい。
年齢的に厳しいのは重々承知しているが…。
日本の男子シングルをまだまだ牽引できる。
彼の存在は非常に貴重、いや絶対不可欠だ。
個人的には世界最高のフィギュアスケーターと考えている。
ナンバーワンでありオンリーワン。
氷上のダンサーをもっと長く見たいじゃないか。
私の気持ちを下記のブログに綴っている。

⇒2011年4月26日「高橋大輔は2位じゃダメなんでしょうか」はこちら。

私はSPが終わった段階で、日本勢は2選手が表彰台にのぼってほしいと願った。
しかし、それは叶わなかった。
とはいえ、3選手は震災後の環境のなかでコンディションをよく整えた。
世界の強豪と戦ううえで大きなハンディになったことだろう。
日本人として彼らの健闘を誇りに思う。
お疲れさま!

そうなると、女子シングルは優勝をつかんでほしい。
私は勝敗に強くこだわってフィギュアスケートを見ているわけでない。
基本は“楽しむ”。
しかし、この大会は違う。
選手一人ひとりも同じ思いだ。
私は、高橋大輔の勝ちにこだわったSPを見ていて胸が熱くなり、その気持ちが一層強くなった。

                       ◇

と、ここまでは、数日前に書いたブログの前に付け加えた。

さて、女子シングルでは、ショートとフリーともに「3回転+3回転」を完璧に決められた選手が頂点に立つのでは・・・。

優勝候補の筆頭は、今季絶好調の安藤美姫。
スケーティングもジャンプも正確であり安定している。
本調子といえない浅田真央に代わり、金メダルへの期待が膨らむ。
本人もそれを感じていることだろう。
私は彼女のガッツポーズが見たい。

⇒2011年4月29日「安藤美姫、世界女王へガッツポーズの品格」はこちら。

私は、フィギュアスケートに骨太の美しさがあることを教えられた。
安藤美姫は長い低迷期をくぐり、今季一気に開花した。

⇒2011年1月20日「安藤美姫に乗り移る金・荒川静香の優雅」はこちら。

昨年の世界女王として臨む浅田真央はシーズン直前に佐藤信夫コーチの指導を仰ぐことを決め、ジャンプはもとより土台となるスケーティングの修正に取り組んできた。
その成果を出すには2年近く要するのでは…。

⇒2010年12月1日「浅田真央はソチ仕様に工事中、勝てなくて当然」はこちら。

浅田真央は練習でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の成功率が高まっている。
この辺りはさすがだ。
崖っぷちで強さを発揮する。
しかし、私には手探り状態から脱していないように映る。
この大会で表彰台にのぼれれば十分でなかろうか。
浅田真央に余計なプレッシャーを与えたくない。
そうでなくても、この子は自分をどんどん追い込んでいく。

⇒2011年3月6日「浅田真央は2位じゃダメなんでしょうか」はこちら。

浅田真央には今年の全日本フィギュアスケート選手権から来年の世界フィギュアにかけて調子を上げてもらいたい。
滑りの修正は、好調なキム・ヨナに勝てるものでなくては意味がない。
中途半端で終わらせたら、ソチオリンピックで栄冠をつかめない。
妥協と焦りは禁物。
彼女にとり、世界フィギュアは今季の修正の手応えを得て、来季の飛躍の足がかりとすることが一番大切だ。

⇒2010年12月14日「浅田真央は五輪4冠の北島康介の脱皮計画に学べ」はこちら。

初出場の村上佳菜子は失うものがなく、伸び伸び、はつらつとした演技を見せてくれるだろう。
世界フィギュアの舞台を経験することは、来季以降の成長の大きな糧となる。
彼女の持つ明るさは“才能”である。
が、本人は緊張しやすいという。
かわいらしいこと!

⇒2011年4月25日「村上佳菜子はひょっとして…世界フィギュア」はこちら。

世界フィギュアの表彰台は、日本勢3選手と韓国のキム・ヨナ(金妍児)、イタリアのカロリーナ・コストナー、アメリカのアリッサ・シズニーなどが争う。
世界の注目はむろん五輪女王・キム・ヨナに集まる。
練習で完璧な滑りを見せて周囲を驚かせたようだが、国際試合から1年以上遠ざかっている。
本番ではどうか?
私は彼女の失敗を願っているわけでないが、これで勝ってしまうと正直つまらない。

⇒2011年4月23日「キム・ヨナの恩返しと現役引退…世界フィギュア」はこちら。

世界フィギュアは、浅田真央の連覇か安藤美姫の返り咲きという結果が理想である。

◆書き加え1(4月28日)

SPの滑走順は、浅田真央が29番目、キム・ヨナが30番目(最後)になった。
浅田真央としては高得点をマークしてプレッシャーをかけたいところ。
キム・ヨナが“ぶっつけ本番”状態だけに有効である。

安藤美姫が25番目。
フリーで逆転するのでなく、SPで突き放してほしい。
村上佳菜子が最終組の一つ前の組で19番目。

◆書き加え2(4月29日)

けさ、妻が私に高橋大輔が現役続行を表明したと教えてくれた。

私は世界フィギュアを見て、こんな最後では競技人生を締め括れないと感じた。
本人はもちろんファンも納得できないはずだ。
当然の決断か。
しかも、ソチオリンピックを目指すという。
この男はフィギュアスケートが大好きである。
「いよっ、男・大輔っ!」。

⇒2010年12月7日「高橋大輔は心に訴えない…内臓を揺さぶる泥臭さ」はこちら。

私自身はここ数年、とくに昨夏までの1〜2年、講師稼業は精神的にも肉体的にも続けられないと落ち込んだ。
しかし、昨秋から徐々に情熱を取り戻しつつある。
いまにして思えば、この仕事に十余年心血を注いだ反動が出た。
「更年期障害」とも重なった…。

高橋大輔は昨年のバンクーバーオリンピックで銅メダル、直後の世界フィギュアトリノ大会で金メダルに輝いた。
おそらく今季前半は“燃え尽き症候群”だった。
年末の全日本選手権での敗北、今回の世界フィギュアでの失敗により、再び闘志に火がついた。

高橋大輔が連覇を逃したのは悔しいが、彼の演技をこの先も見られると思うとわくわくする・・・。

もう一つ。
こちらは女子シングルの重大な懸念材料。
安藤美姫が練習後、緊張感を持てないと不安を漏らした。
張り詰めた気持ちがぷっつりと切れてしまっている?

安藤美姫は世界フィギュアの延期が決まり、一時は出場辞退を真剣に考えたようだ。
それくらい追い詰められていた。
モチベーションとコンディションをとても保てないと・・・。
精神と肉体のピークはそれほど長く続かない。
これが本番にどう響くか?

Copyright (c)2011 by Sou Wada

人気ブログランキング←応援、よろしく!