NHK朝の連続テレビ小説「おひさま」。
ヒロイン・須藤陽子役の井上真央が本領を発揮しはじめた。
朝ドラ50年の節目の作品の主演に、制作陣が見込んだだけのことはある。
私は当初、彼女はエンジンのかかりが悪いと思った。
おそらく納得しないと走れないのだ。
ところが、徐々に動き出した。
いつ頃からか、私が彼女のペースに引き込まれていた。
井上真央は何が凄いというわけでない。
私は、彼女に女優としての“底力”のようなものを感じる。
子役時代からの役者経験で培われたのか・・・。

井上真央はいま、セーラー服を着た女学生の役どころだ。
24歳なのに甲高い声を出している。
目をつぶると、それがよく分かる。
相馬真知子役のマイコと筒井育子役の満島ひかりとの息もぴったり。
当時の思春期の女子、そして仲良し三人組の雰囲気が伝わってくる。
私はなるほどという感じ・・・。

井上真央は、どこか気品がある。
陽子の亡き母・紘子。
その母・桐野富士子が突然、安曇野を尋ねてきた。
陽子は初めて祖母に会い、話を聞かされた。
母は子爵家の一人娘だった。
そうか、ヒロインが“庶民顔”では困る。
「おひさま」は「おひめさま」。
現在の陽子役に若尾文子が選ばれた理由も分かった。

私は、母役の原田知世を久しぶりに見た。
祖母役の渡辺美佐子はいつ以来か思い出せない。
高齢だが、とても元気である。

私は、陽子の幼なじみ・宮本タケオ役の柄本時生がおかしい。
顔を見るだけで吹き出してしまう。
役者は凄い。

                       ◇

井上真央は明治大学文学部の出身である。
私は、卒業論文のテーマが「杉村春子」と知って驚いた。
尊敬する女優らしい。
渋すぎる!
大女優なのは確かだが…。

私には杉村春子は個性的な脇役という印象が強い。
テレビや映画では憎まれ役も多かったのでは…。
彼女の主演は記憶にない。
演劇(芝居)ではどうだった?

杉村春子は1997年に91歳で亡くなっており、井上真央は実際の彼女を知っているのか。
それとも子役時代に共演の経験を持つ?

井上真央は、役者として生きていくとの覚悟が決まっているのだろうか。
若手の人気女優としては無愛想で不器用に見えるが、それは肝が据わっている裏返しかもしれない。
だとすれば、彼女は早く年を取りたいはずだ。

井上真央は朝ドラのヒロインに選ばれ、浮かれたり入れ込んだりすることがないのでは・・・。
自分ができる範囲で着実にやっているという印象が強い。
このブログで謎めいていると述べたが、やはり不思議な女優である。

以下に、「井上真央、謎めいた内面…おひさまヒロイン」と題する2011年4月9日のブログを収める。

                      ◇◆◇

NHK朝の連続テレビ小説「おひさま」。
井上真央がヒロイン・須藤陽子を演じる。

その彼女がきょう、「土曜スタジオパーク」に登場する。
ドラマの舞台・長野県松本市からの生放送らしい。
NHKはPRに力が入る。
信州といえば、東と西に広がる山脈(やまなみ)の美しさ、そして水の清らかさが自慢。
もちろん、空気のおいしさも…。
番組では、豊かな自然と風土を織り交ぜながら、朝ドラ「おひさま」の魅力の一端を届ける。
ロケ地も紹介されるようだ。

私は「おひさま」の初回放送(4月4日)の平均視聴率が気になり調べてみた。
18.4パーセント(ビデオリサーチ調べ。関東地区)。
朝ドラ50年の節目の作品にふさわしい好調なスタートを切った。
ちなみに、瀧本美織の「てっぱん」は18.2パーセント、松下奈緒の「ゲゲゲの女房」は14.8パーセント。
井上真央は役者としての実績も知名度もこれまでの二人と比べものにならない。
初回放送で本人はちらっと登場した。
それとも、私が番宣と混同したか。
何せ“ながら視聴”で、ろくに見ていない。
プロデューサーが井上真央は9日から登場するとどこかで語っていたので、私の勘違いかもしれない(4月5日のブログで初回放送に登場したと記した)。

                       ◇

ところで、子役経験の長い俳優は、顔の雰囲気が独特だ。
とくに女優。
幼少期から活躍している子役は、顔立ちにまで影響を受けやすい。
世間や周囲、制作関係者から「かわいらしさ」を期待されつづけてきた。
いつも人目を意識して表情をつくるため、それに関わる顔筋(表情筋)が多く使われた結果だろう。
大人になると、それが邪魔をする。
表情がオーバーになったり、不自然になったり・・・。
見る側がくつろげないのだ。

私は、井上真央にもそうした傾向をいくらか感じている。
前作の瀧本美織が天然系だったので、よけいに・・・。
といっても、おもに番宣で女学生姿の彼女を見たくらい。
それと、4月2日の「連続テレビ小説50年! 〜日本の朝を彩るヒロインたち〜」のゲスト出演。
ゆえに、第一印象にすぎない。
実際は違うかもしれない。

このブログで述べたが、「おひさま」のヒロインは女学生から母まで幅広い年齢をこなさなくてならず、彼女は豊富なキャリアを買われたのだろう。
制作サイドからすれば、半世紀の節目の作品は、信頼の置ける実力派に任せたいと考えて当然である。

井上真央は女優として「将来性」が大きいのかもしれない。
シャイなのか、人見知りなのか、素っ気ないのか、マイペースなのか、どこか取っつきにくい。
それとも、極端な二面性を備えているからだろうか。
「AB型」でなく「O型」というのは意外だった。
もっとも古風(?)とされる血液型。
まあ、保守的。
あれ、特技は「日舞」。

井上真央はかわいらしいと思うが、美しいと感じる。
相当きれい?
かしこそうだが、抜けていそう。
神経質そうだが、大雑把そう。
やさしそうだが、いじわるそう。
けだるそうだが、頑張りそう。
のめり込みそうだが、さめていそう。
器用そうだが、不器用そう。
優等生みたいだが、不良みたい。

・・・と、書いてきたところで急に不安になり、妻に尋ねてみた。
そうした印象はないと、あっさり却下されてしまった。
どうやら勝手な思い込みか・・・。

あくまで私にとり、井上真央は捉えどころがない。
無愛想なのかなぁ。

言い訳がましいが、“なぞ”が残らない女優は飽きられやすい。
井上真央は目も表情も不思議。
内面が読めない怖さも・・・。
今日のように役者志望が多いと、生き残るには“違和感”をともなう個性が不可欠でなかろうか。
印象のいい子は長続きが難しい?
大勢に埋もれるし、世間に忘れられる。

井上真央は「おひさま」で多彩な側面を見せてくれそう。
また、老け役(?)に挑むらしいので、これも楽しみである。
本人は朝の連続テレビ小説のなかで唯一、貫地谷しほりがヒロイン・徒然亭若狭を演じた2007年度下期「ちりとてちん」を通して見た。
朝ドラの主役の大変さを感じたかったという。
目的意識が明確な視聴態度である。
今回抜擢(指名)され、その甲斐があった・・・。

⇒2011年4月4日「井上真央・おひさま、日本を明るく照らす」はこちら。

⇒2011年4月5日「おひさまの舞台、安曇野の自然の美しさ」はこちら。

⇒2011年4月7日「八木優希のおかっぱ頭…おひさま陽子の子役」はこちら。

⇒2011年4月8日「瀧本美織がおひさまヒロインを演じたら・・・」はこちら。

⇒2011年4月8日「瀧本美織てっぱん続編は3年後に本放送か」はこちら。

◆書き加え1(4月9日)

「土曜スタジオパーク in松本」。
井上真央が生出演。
会場には地元の人たちが詰めかけた。
その数、千人ほど。
朝ドラも井上真央も人気が凄い・・・。
「真央ちゃ〜ん」という声が飛ぶ。

私は確信した。
井上真央は美人だ。

この子は納得しないと話さない。
よく考えながら話そうとする。
そのときに目が動く。
表情も地に戻る。
頭の回転が速そうだが、遅そう。

番組では、会場の人たちに井上真央はどんな人間か尋ねるクイズ(?)を行った。
しかも、対照的な二者択一方式である。
私はおかしくなってしまった。
なぜ、こうしたゲーム(?)が成り立つかといえば、傍から眺めて井上真央が分かりにくいからだ。

しょっちゅう転ぶというから、抜けている。
私は謎がますます深まった。

Copyright (c)2011 by Sou Wada

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