20070502-02NHK朝の連続テレビ小説「おひさま」。
須藤陽子役の井上真央が主演。

「おひさま」はきわめてオーソドックスなつくりである。
それを代表するのがオープニングの平凡。

松下奈緒主演の「ゲゲゲの女房」と瀧本美織主演の「てっぱん」は、音楽を含めて視聴者に訴えようとする意欲が強く感じられた。
制作陣の視聴率にかける気合いがひしひしと伝わってきた。
とくに後者は“日替わり定食”の楽しさまで添えられた。
さまざまな視聴者が例の「てっぱんダンス」を通じて参加したのだ。
ゆえに、オープニングを見てしまう。

「おひさま」はオープニングが主張しない。
ゆえに、この間は別のことをやれる。
ありがたい。
そろそろ始まりますよ、といった合図。
忙しいなら台詞だけでも聞いてください・・・。
謙虚で控え目。

テーマ曲は渡辺俊幸。
私は素敵な音楽と感じた。
しかし、音楽的なセンス(素養)がないこともあり、何度聞いてもメロディを思い出せない。
さらりと流れて終わり、きょうの幕開けを告げる。

それと、タイトルロゴとタイトルバックも…。
私はきれいな植物画と思った。
公式サイトで、実際の「押し花」と知って驚いた。
こうした分野はとくにうといが、色がくすんでいるとは限らないようだ。
後ろから強い光を当てて撮影した?
解説によれば、右上黄色がエピデンドラム、左上黄色がサンダーソニア、中央がソバ、右下赤がアネモネ、左下紫がハギ。
ドラマの須藤陽子でなく、主演の井上真央のカット(写真)も小さな扱いで登場する。
奇抜にもかかわらず、違和感がない。
井上真央はタイトルバックに美しく溶け込んでいる。
いまのドラマですよ、といった感じ。
緻密で完成度が高い。

「おひさま」のオープニングはやわらかな陽光のなかに気品が漂う。
脚本の岡田惠和が、ヒロインが成長する過程そのものをじっくりと楽しんでもらいたいと語っていた。
こうした趣旨に則し、オープニングは出しゃばらない。
視聴者に安心と希望を感じさせる仕上がりとなっている。
平たく言えば、印象に残らない。
岡田惠和の意図を組んだ制作陣は、時代背景の“特殊性”を消した。

ドラマの舞台は昭和の激動期、戦前・戦中・戦後である。
厳しい社会情勢のなか、太陽のように明るく生きた主人公の半生を描くのが狙いだ。
が、人は自分が置かれた環境のなかで暮らしているし、生きている。
それはどのような時代であっても変わらない。
家庭生活も営まれている。
家族のあり方を描くのも狙いだろう。
そうした普遍性がクローズアップされ、現代に身を置く私たちの心をとらえる。

なお、ヒロインが成長する過程を描くには、それを演じられる女優を選ばなくてならない。
相当な力量が不可欠であり、オーディションを取りやめた最大の理由でないか。
「井上真央」に白羽の矢が立った。
この子はおでこがチャームポイント。

「おひさま」はオープニングを捨て、視聴率を捨てている。
私にはそれが新鮮でとても心地よい。

                      ◇◆◇

NHK朝の連続テレビ小説「おひさま」とヒロイン・井上真央などに関するブログは以下のとおり。

⇒2011年5月8日「おひさま、てっぱん、ゲゲゲの女房の視聴率比較」はこちら。

⇒2011年5月7日「井上真央と若尾文子、二人の須藤陽子の演技」はこちら。

⇒2011年5月4日「井上真央・おひさま、セーラー服と庶民顔」はこちら。

⇒2011年4月16日「井上真央おひさまの安全運転…朝ドラ視聴率低下」はこちら。

⇒2011年4月11日「おひさま陽子…伊那中・西駒登山、直小・妙高登山」はこちら。

⇒2011年4月9日「井上真央、謎めいた内面…おひさまヒロイン」はこちら。

⇒2011年4月8日「瀧本美織がおひさまヒロインを演じたら・・・」はこちら。

⇒2011年4月7日「八木優希のおかっぱ頭…おひさま陽子の子役」はこちら。

⇒2011年4月5日「おひさまの舞台、安曇野の自然の美しさ」はこちら。

⇒2011年4月4日「井上真央・おひさま、日本を明るく照らす」はこちら。

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