私は土曜日と日曜日、睡眠を忘れ、新講演のコンテンツの仕上げに没頭した。
正確に言えば、時間が切迫し、そうしなければ間に合わなかった。
ここしばらく、デスクワークを行える日は正味で20時間ほど頑張ってきた。
昨夜9時過ぎ、胸突き八丁を乗り切った。
テキストがいい感じになり、うれしかった。
マラソンにたとえれば、39キロメートル地点に差しかかった。

11時頃から今朝にかけて追い込み。
さすがに、頭というよりも意識がもうろうとした。
完了したわけでないが、一応のメドはつけられた。
疲労と眠気との格闘だった。
この過程が職業講師としての自信の背景になる。
新しいテーマ(演題)を披露するには避けて通れない。

私はブログに時間を割けない状態が続く・・・。

以下に、「浅田真央、世界で勝つ判断と作戦…佐藤信夫コーチ」と題する2011年5月1日のブログを収める。

                      ◇◆◇

世界フィギュアスケート選手権2011(ロシア大会)。
たったいま女子シングルが終わった。
今季絶好調の安藤美姫が得意のフリーで、SP1位の韓国のキム・ヨナ(金妍児)を逆転し、2007年の東京大会以来4年ぶりに「世界女王」の座に返り咲いた。

⇒2011年4月30日「安藤美姫、逆転世界女王!…審査員の粋な計らい」はこちら。

世界フィギュア優勝2度は浅田真央と並んで日本人最多である。
気づけば、安藤美姫はベテラン選手になっていた。
低迷期が長かった・・・。

⇒2011年4月29日「浅田真央の連覇か安藤美姫の返り咲きか…世界女王」はこちら。

世界フィギュアは今夜、メダリストなど5位以内(おそらく)の選手によるエキシビションで華やかにフィナーレを飾る。
日本勢では金メダルの安藤美姫、銀メダルの小塚崇彦、5位の高橋大輔の3選手が登場する(不確か)。

⇒2011年4月27日「小塚崇彦、金メダルへの距離…世界選手権」はこちら。

⇒2010年12月28日「安藤美姫と高橋大輔…ぶっちぎりエキシビション」はこちら。

私はなかでも高橋大輔の演技が楽しみだ。
フリースケーティングでは、勝負をかけた冒頭の4回転ジャンプでエッジが外れるアクシデントに見舞われた。
この瞬間、現役続行が決まった。
さらに、2014年ソチ冬季五輪(オリンピック)への挑戦が始まった。
悔しいけれど、うれしい。

⇒2011年4月28日「高橋大輔、世界フィギュア優勝へのスイッチ」はこちら。

次のブログに、私の高橋大輔に対する思いの丈(たけ)をつづった。
しかも、ラブ注入モード!

⇒2011年4月26日「高橋大輔は2位じゃダメなんでしょうか」はこちら。

私は浅田真央の姿が見られないエキシビションがとてもさみしい。
6位は出場できない。
が、浅田真央は日本フィギュアスケート界の至宝。
もともと東京大会が「東日本大震災」の発生によりロシア大会に延期・変更された。
ロシア政府からISU(国際スケート連盟)に配慮が要請されている?
エキシビションで見せる浅田真央の明るい笑顔と美しい舞は被災者と日本人を勇気づける。

⇒2011年4月17日「斎藤佑樹のハラハラ、浅田真央のドキドキ…日本の至宝」はこちら。

                       ◇

世界フィギュア女子シングルのフリー。

最終組の一つ前の組の滑走。
SP10位の村上佳菜子は開き直りが出たのか、元気な滑りでシニアデビューの今季を締めくくった。
持てる力を出し切ったのでないか。
途中、トリプルフリップが1回転になった。
私はジャンプ全般に着氷の姿勢がいくらか気になった。
8位。
「滑りが幼稚だと思う…」と、自分に手厳しい。
16歳と思えない。
来季の成長が楽しみだ。

⇒2011年4月25日「村上佳菜子はひょっとして…世界フィギュア」はこちら。

中京高校の後輩の演技の直後。
SP7位、前回優勝の浅田真央は深呼吸をしてから演技を始めた。
冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めたかに見えたが、回転不足でダブルアクセル(2回転半)と判定された。
途中のジャンプも足を着いたり、タイミングがつかめなかったり、不調・・・。
得点源がこれでは勝てない。
6位。
世界フィギュアにおける自己最低の順位。

⇒2010年12月1日「浅田真央はソチ仕様に工事中、勝てなくて当然」はこちら。

演技直後のインタビューでは、苦難の今季から解放されたせいか、ほっとした感じが伝わってきた。
お疲れさま・・・。
私は、来季も棒に振るくらいの覚悟で2014年ソチ冬季五輪(オリンピック)を睨んだ修正(矯正)に取り組んでほしい。
中途半端で終わらせないことだ。
彼女の才能と力量からすれば、再来季に本調子になっていればオリンピックに十分に間に合う。

⇒2011年3月6日「浅田真央は2位じゃダメなんでしょうか」はこちら。

私はフィギュアスケートに打ち込む浅田真央に感服する。
おそらく名伯楽・佐藤信夫コーチもそうだ。
ゆえに、遠慮が生まれる。
私は、浅田真央の「こだわり」が分からないわけでない。
そうしたものを持っているからこそ一流になれる。
浅田真央にとり、例えば「トリプルアクセル」。
しかし、そのときどきの自分の調子に応じ、大舞台で勝つための判断を下し、作戦を取ることも大事だろう。
そうでなくては、こだわりでなく、単なる「とらわれ」になってしまう。
世界一の座につくうえで、浅田真央は頭と心の柔軟性がほしい。
佐藤信夫コーチの助言を噛み締めよ。

⇒2010年11月25日「浅田真央を引き受けた佐藤信夫コーチの胸中」はこちら。

マスコミ報道などでトリプルアクセルは浅田真央の“代名詞”とされるが、今季を見るかぎりはほぼ壊滅だ。
心中状態・・・。
練習でほとんど決められなかったら、本番でやるべきでない。
なぜなら、自分を窮地に追い詰め、立ち直りを遅らせる悪循環に陥る。
それは挑戦でなく、単なる「無謀」。

浅田真央はときに“看板”を引っ込める冷静さ、そして勇気が必要だ。

私は、彼女が競技者である以上、独自性の追求に加え、主流の2連続3回転ジャンプに目を向けてほしい。
それ自体はありふれていても、前後の流れ(滑りと動き)を含めて他選手の追随を許さないクオリティに磨き上げたらよい。
有力な得点源が2つあって悪いはずがない。
ほかの連続ジャンプも精度が高まるかもしれない。
大会前のゆとりだって違う。

⇒2010年11月29日「浅田真央、ジャンプの修正か改造かの判断」はこちら。

今大会の浅田真央は気の毒なほどやせ細っていた。
はっきり言って、戦える状態でなかった。
世界女王防衛へ、想像を絶する重圧がかかっていたのだろう。
私は痛ましくなった。
しばらく心と体を休めながら今季を客観的に振り返ってほしい。
が、最大のスター(ヒロイン)ゆえにオフシーズンは実質ないのか・・・。

⇒2010年11月27日「浅田真央、得意なジャンプが壊れる恐怖」はこちら。

次のブログに、私の浅田真央に対する敬愛と畏敬の念をつづった。

⇒2011年4月27日「浅田真央の純粋な狂気に学ぶ…プロ講師の心得」はこちら。

最終組の1番目。
SP2位の安藤美姫は冒頭の連続ジャンプ、3回転ルッツ−2回転ループを決めた。
途中、2回転半−3回転の連続ジャンプは後ろが回転不足となった。
このほかは無難にまとめた。
1位。

⇒2011年1月20日「安藤美姫に乗り移る金・荒川静香の優雅」はこちら。

安藤美姫は最初の登場に苦手意識を持っているせいか、今季フリーでほぼ完ぺきなジャンプが珍しく乱れた。
シーズンを通じて絶好調を維持するのは至難だ。
会心の出来とはいえない。
それでも、今季は6試合すべてでフリー1位となり、キム・ヨナとの頂上決戦を制した。
「強い気持ちでリンクに立てた」。
「きょうの結果は、神様がくれたご褒美」。
安藤美姫の思いは被災者に、そして日本人に届いた。
おめでとう!
来季も日本女子を引っ張る存在になるだろう。
世界フィギュア2連覇を狙ってほしい。

⇒2011年4月29日「安藤美姫、世界女王へガッツポーズの品格」はこちら。

SP1位、五輪女王、韓国のキム・ヨナはSPで失敗した冒頭の2連続3回転ジャンプは決めた。
しかし、続く連続ジャンプ、途中の3回転フリップでミスを犯した。
2位。
キム・ヨナは試合勘がなまっていたのだろう。
ブランクの影響が出て、頂点を逃した。

⇒2011年4月23日「キム・ヨナの恩返しと現役引退…世界フィギュア」はこちら。

キム・ヨナにプレッシャーをかけたのは安藤美姫の後、自分の前に滑ったロシアのアレーナ・レオノワだった?
ソチオリンピックの注目株、20歳。
会場がスタンディングオベーションで盛り上がった。
その余韻が残るなか、キム・ヨナはやりにくかったろう。

キム・ヨナは敗れた。
とはいえ高得点、僅差の銀メダルである。
本調子に遠いはずだ。
氷上で女優がバレリーナのように舞う趣・・・。
表現力とスケーティングは見事!
これで本来のジャンプを取り戻すと、手がつけられない。

私は、世界フィギュアでキム・ヨナの強さを改めて思い知らされた。
正直に言うと、いきなり大舞台に現れて表彰台はのぼれないと考えていた。
キム・ヨナはこれからも女子シングルの頂点にそびえる。
高い壁を乗り越えるのは容易でない。

⇒2011年4月24日「世界女王・真央と五輪女王・ヨナ、プライド激突!」はこちら。

キム・ヨナが表彰台で流した涙は美しかった。
悔し涙でない。
嬉し涙でない。
オリンピックで栄冠をつかんだ後の虚脱感に苦しんだ今季を振り返っていた。
おそらく現役引退を含めて揺れつづけた。
なのに世界フィギュアに戻ってこられた。
その感動の涙である。

3位は、イタリアのカロリーナ・コストナー。
4位は、ロシアのアレーナ・レオノワ。
5位は、アメリカのアリッサ・シズニー。

フィギュアスケートの今シーズンは1カ月遅れで終了。
選手は休む間もなく来シーズンのプログラムづくりに取りかかる?

⇒2011年2月6日「浅田真央、バレエ転向の噂…ストナリニ選手権後」はこちら。

◆書き加え1(5月1日)

たったいま世界フィギュアのエキシビションが終わった。
浅田真央は出場できなかった。
滑って当然という存在なので、欠落感が大きい。
私はがっかり・・・。

エキシビションは、選手は試合の緊張感から解き放たれ、自由奔放に滑る。
得点を稼ぐために技術に重きを置かざるをえない本番とは違ったエンターテイメントの側面がクローズアップされる。
演出や振り付けに工夫を凝らした演技が観衆を楽しませ和ませる。

高橋大輔は素晴らしかったなぁ・・・。
演技後に「世界フィギュアで惨敗してすっきりした」と語った。
現役引退か、現役続行か、迷いが吹っ切れたのだ。

⇒2011年4月28日「高橋大輔、世界フィギュア優勝へのスイッチ」はこちら。

安藤美姫はしっとりと情感豊かに舞った。
演技ということを忘れさせるほど、音楽と滑りが一体化している。
何と優雅で美しい。
私はただただ感動・・・。

二人のベテランの演技は完成度が高い。
現時点で世界一と確信した。
幸い、両名はソチオリンピックを目指すと明言した。

私は、ショーマンシップとホスピタリティに満ちた世界を堪能した。

Copyright (c)2011 by Sou Wada

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