私が尊敬する北島康介。
2012年ロンドン夏季五輪(オリンピック)に挑んでいる。
まずは日本代表に選ばれること。
が、彼の場合はその先を目指しており、表情台にのぼること、さらに金メダルを獲ること。
年齢を考えると、勝ち目の厳しい戦いだ。
ゆえに、彼の偉大さが一層際立つ。

北島康介は大勝負に滅法強い。
もっとも苦しい準備段階を含めたメンタルは驚異的といってよい。
平たく言えば「勝負度胸」がずば抜けている。
これが競泳男子平泳ぎで奇跡の4冠をもたらした。

が、その彼がかつてゴール前に失速するという失敗を繰り返していた。
そこで、「勝負脳」を鍛えた。
この概念を提唱したのは、脳外科の第一人者・林成之教授。
氏は、北京オリンピックの日本代表競泳チームに脳の専門家として参加した。

世界のトップアスリートは、肉体や技術の強化はもちろん、精神の鍛錬に努めている。
これが今日の常識、「メンタルトレーニング」「脳トレーニング」。
自分の能力を最大限に発揮する脳の活用法を知っていないと表彰台、とくに頂点に立てない。

氏によれば、人は「ゴールが目前」と思った瞬間、失速する。
したがって、何か挑戦を行っているとき、ゴール自体を目標に設定するのでなく、その先をゴールに設定する。
北島康介に対する処方箋は、結局これだった。
ゴールにタッチし、電光掲示板の数字をしっかりと確認すること!

脳と心のメカニズムは科学的に解明されていない部分が多いが、私は自分自身に思いが及んだ。
仕事の締め切りに追われていて、これで何とか間に合いそうだと胸をなで下ろしたらエンジンブレーキがかかることは無数に経験している。
知的生産性ががくっと落ちてしまうのだ。

私はここ数年、自分商品の開発など、新たなタスクに挑んできたが、何一つやり遂げられなかった。
自分商品とは、営業コンサルタントとして試行錯誤の末に確立した収益向上・業績拡大のセオリーとメソッドを教材にブラッシュアップすること。
つまり、職業人生の集大成の一つ。
私は仕事をさぼったわけでない。
すべて息切れし、中途半端な状態で止まってしまった。

これは昨夏、ひょんなことから「更年期障害」が原因と判明した。
女性に特有の病気と勘違いしていた。
しかし、それだけでない。
タスクの終盤の胸突き八丁で挫折し、ゴールテープを切ることができなかったのだ。
私も「勝負脳」の考え方を取り入れることにした。

これまでは新商品を完成にこぎ着けることをゴールに設定していた。
そうでなく、発売記念パーティで挨拶に立つことや、自分へのご褒美である休暇(旅行)を楽しむことをゴールに設定すべきだった。

人は、顕在意識で鞭を入れても、潜在意識で達成間近を感じていたら失速するようにできている。
要は、頭と心が緩む。

半生を振り返り、和田創は緩々・・・。

私が畏敬する浅田真央は2014年ソチ冬季五輪(オリンピック)で栄冠をつかむべく、スケーティングの脱皮計画を実行に移している。
今シーズンも苦しみそうだ。
温かく見守っていこう。

以下に、「浅田真央は五輪4冠の北島康介の脱皮計画に学べ」と題する2010年12月14日のブログを収める。

                      ◇◆◇

日本男子競泳平泳ぎの第一人者・北島康介。
2004年アテネ五輪(オリンピック)の百メートル、2百メートルで金メダルを獲得した。
2008年北京五輪(オリンピック)の同じ種目で2冠。
男子百メートル平泳ぎの2連覇は世界初。
平泳ぎで2大会連続2種目制覇は世界初。
私が考えていた以上の快挙である。

北島康介は中学2年生で東京SCコーチの平井伯昌に才能を見出された。
図抜けた何かを持っていたのだろう。
そして、初めて臨んだ2000年シドニー五輪(オリンピック)の百メートルで決勝に進出したが、4位入賞に留まった。

そこで、北島康介はアテネオリンピックへ向けて大きな脱皮に挑んだ。
スポーツ選手にとり最高の舞台で頂点に立てる泳ぎを追求したのだ。
さらに、北京オリンピックへ向けて脱皮に挑んだ。
しかも、2012年ロンドン五輪(オリンピック)へ向けて脱皮に挑んでいる。
私は、二人三脚で歩んできた平井伯昌コーチのもとを離れたという話を耳にした(不確か)。
驚きだ。

北島康介は五輪を節目に「進化」を遂げてきた。
もう一度言うが、「勝つ」ためだ。
逆に言えば、それまでの泳ぎでは勝てないと判断を下した。

私は思う。
北島康介の最大の凄みは、オリンピックをしっかりと見据えた準備にある。
過酷極まりない計画。
2〜3年がかりで古い泳ぎを脱ぎ捨てる。
いや、新しい泳ぎをつくりあげる。
いかなる変化もリスクをともなうが、それを強固な意志でやり遂げてきた。

年齢的にきわめて微妙なロンドンオリンピック。
それでも北島康介は諦めていない。
参りました。

2014年ソチ冬季五輪(オリンピック)で表彰台の一番高いところを目指す浅田真央がもっとも学ぶべきアスリートは、北島康介を置いてほかにいない。

                      ◇◆◇

フィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズ&ファイナルに関するブログは以下のとおり。

⇒2010年12月11日「村上佳菜子は僅差3位、織田信成は後退2位」はこちら。

⇒2010年12月9日「真央二世・村上佳菜子、安藤美姫と頂点を競う」はこちら。

⇒2010年12月8日「安藤美姫はエロい大輪を咲かせよ…神秘的セクシー」はこちら。

⇒2010年12月7日「高橋大輔は心に訴えない…内臓を揺さぶる泥臭さ」はこちら。

⇒2010年11月28日「イケメン小塚崇彦に足りないもの…GP圧勝」はこちら。

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