営業現場から上がってくる数字がひどい・・・。
業績が低迷する会社や職場では、社長や上司の社員や部下に対する指示に大きな問題がある場合が珍しくない。
念を押せば「行動」への指示のこと。
おおよそ次の5パターンが考えられる。

第1に、指示が明確でない。
きっぱりしていないのだ。
社員や部下は行動の方向が定まらない。
それ以前に、行動の覚悟が決まらない。

第2に、掘り下げた具体性に欠ける。
例えば「情報収集に努めよ」など、ありふれた書名みたいな言葉に留まっている。
社員や部下は有効な行動を取れない。

第3に、指示そのものが滅多にない。
社長や上司の仕事を放棄しており論外だが、実に多い。

第4に、指示が間違っている。
恐ろしく多い。
私が行っている講演やセミナー、研修はそれを正す内容が中心である。
言い換えれば、社長や上司の指示の“中身”について述べている。

第5に、指示が細かい。
上がずばり基本(根幹)を示し、後は下に考えさせなくてならないのに、事細かに指示するので「指示待ち人間」をどんどんつくる。
第5は第2と矛盾しない。
勉強熱心な社長は概して社員を育てるのが下手だ。
真面目で、心優しく、しかもせっかちだとなおさら。
指示が手取り足取りになってしまう。
自分への依存心を高める。
高学歴の上司も概して部下を育てるのが下手だ。
人から教わる習性が身についている。
教えるほど彼らの「考える力」を奪うということがさっぱり分かっていない。
「教育」と書いて、「教えたら育たない」と読む。
教育とは我慢。
社長と上司には辛抱と忍耐が必須である。
まして、「自分はこんなにやっているのに…」という気持ちが強いと、社員や部下の営業活動の成果に対する不安も膨らみ、細部にわたって指示を与えたくなる。
結果として、自分だったらやることをそのままやらせようとする。
本人は親切心からそうしているのかもしれないが案外、社員や部下のモチベーションを削ぐので定着も芳しくない。
自分のコピーはつくれないと諦めたほうがよかろう。

こうした指示の問題が売上不振の主因になっていることがある。

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