私は月曜日から金曜日まで4泊5日の都心出張、ホテル暮らし。
仕事を引き受けすぎ、横浜の自宅に戻る時間も体力もない。
公開の講演やセミナーが5本、クライアントへのコンサルティングが2本。
といっても顧客に何の責任もない。
こちらから働きかけて得た仕事だ。
何とか無事に1週間を乗り切りたい。

朝ドラ「カーネーション」のヒロイン・小原糸子は、小心者の父親が厳しく叱ってくれた。
「できもせーへん仕事を引き受けて、どないするんじゃ(台詞は不確か)」。
ありがたい。
私は自分で自分を叱るしかない。
「おまえはあほか」。

                       ◇

先だって、営業努力でなく引き合い対応により、上場企業での3時間講演会を受託した。
その開始前、すべての事業の営業部門を統括する専務と名刺交換を含めた15分程度の歓談の機会を持った。
いたって和やか・・・。

私は講演を始めてしばらく、最前列の入口付近に座っている専務の表情が冴えないことに気づいた。
休憩後は表情が曇り、やがて険しくなり、しまいに顔つきがゆがんだ。
専務は私の目をまったく見ない。
そして、講演は終わった。
私が挨拶をしようと思ったとき、本人の姿はなかった。

・・・私は悟った。
講演の内容は、専務の方針や指示と正反対だったのだ。
静まり返る会場は、専務にとり“針のむしろ”。
幸い、受講者(社員)から高い評価をいただいた。
とりわけ事務局と成績優良者から。
皆が専務の方針や指示に疑問を感じていたのだろう。

むろん、営業努力で受託すると、こうした事態は起こらない。
その過程でかならず責任者とやり取りする。
私は講演でもセミナーでも研修でも信念を述べており、内容は変えない。
こちらの主張を承知したうえで講演を依頼してくる。
ならば、この会社は顧客にならなかったはずだ。

推測にすぎないが、私を呼んでくれた方が、この話を専務に聞かせたかった。
社内でものを言える人がいない?
情けない話であるが、外部講師の賢い使い方の一つだ。

もしかしたら、社長が専務に聞かせたかったということはないか。
私を招いてくれたのは、表面的には事務局の責任者だ。
しかし、その背後に「だれか」がいた?
営業系の役員は概して“押し”が強く、社内で一番威張っていることがある。
かつて、先頭に立って数字をつくってきた。

社長が営業統轄役員に遠慮する。
たいてい専務や常務だ。
私はそうした企業を少なからず見てきた。
長期にわたる販売や受注の低迷は、役員が主因だったりする。
「営業観」があまりに古い。
叩き上げの“番頭格”は得てして…。

この会社については単発の講演の請け負いであり、真相は分からないまま・・・。

Copyright (c)2011 by Sou Wada

人気ブログランキング←応援、よろしく!