古川聡宇宙飛行士が約5カ月半の国際宇宙ステーション(ISS)滞在を終え、ソユーズで無事に帰還した。
連続滞在165日は野口聡一宇宙飛行士の163日を抜いて日本人最長となった。

カザフスタン中部の雪原に着陸して約30分後、帰還カプセルから運び出された。
古川聡は無重力状態で長く生活していたので、歩くことはもちろん立つことさえ不可能だった。
「太ももが上がらない」
現地で見守った野口聡一に強い違和感を訴えた。
ヒューストンで1カ月半にわたるリハビリに入る。

私はその様子をテレビの報道番組で見て、重力が人間を強くするということを再認識した。
同時に、サッカーワールドカップ(W杯)でサムライブルーを歴史的快挙へ導いた日本代表前監督の岡田武史の言葉を思い出した。
「重圧やプレッシャーは重力みたいなもの。それがないと、筋肉がダメになる」。
まったくそのとおり!

⇒2010年10月18日「岡田武史W杯日本代表監督の名言…カンブリア宮殿」はこちら。

私は還暦を迎え、職業人生で3番目の壮絶な頑張りに明け暮れている。
結婚後の数年、そして転職を決意して著作を刊行した40歳過ぎ、そしてサードキャリアに挑戦する今年である。
それもこれも営業活動を積極的に行ったためだ。
やがてキャパシティを超える仕事が舞い込んだが、こちらから働きかけた手前、依頼を断れなかった。
2010年10月からすでに1年以上、睡眠時間をどこまで削れるかという勝負が続いている。

結果、凄まじい重圧やプレッシャーを背負った。
来年3月まで締め切りが次々と襲ってくる。

しかし、この重力が自分を鍛えてくれる。
そうでなければ、私は60歳でこれほど多くの新しい仕事をこなすことができなかった。
何せ本質的に怠け者であり、自分に妥協ばかりしてきた。

私がよりよく働き、よりよく生きるうえで、ストレスは大きなエネルギーを引き出してくれる。

                       ◇

先日、NHKのクローズアップ現代で「現代型うつ」が取りあげられた。
上司が怒鳴ったわけでなく、注意を与えただけで出社することができなくなる部下がいると知り、驚いた。
しかも急速に増えているらしい。
彼らに共通した傾向は、そうした事態に陥った責任が会社や上司にあると考えることだ。
部下を預かる上司の困惑は非常に大きい。
長期休職中に給料を払う会社の負担は非常に重い。
さらに、現代型うつが30代、40代にも広がりつつある。

私はふと思った。
彼らは重力が不足した環境で育てられたのでなかろうかと・・・。
戦後教育の失敗、第一に家庭教育、第二に学校教育のツケが回ってきた。

                       ◇

私は営業分野のコンサルタントであり、教育指導を生業としている。
公開セミナーや企業研修でここ数年ひしひしと感じるのは営業の弱体化である。
はっきり言って、営業マンのレベルが急降下している。
主因は、成績向上にもっとも重要な「ストレス耐性」が極端に低くなったことだ。
現代型うつの増殖と蔓延に深く関係している。

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