グランプリシリーズ2011(GPシリーズ2011)。
私がもっとも印象に残った選手はロシアの天才少女、14歳のエリザベータ・トゥクタミシェワである。
シニアデビューにもかかわらず、第2戦スケートカナダと第5戦フランス杯で優勝した。
鈴木明子やイタリアのカロリナ・コストナーなどの実力者を退けての快挙。
GPデビュー2連勝は浅田真央も韓国のキム・ヨナも成し遂げられなかった。

エリザベータ・トゥクタミシェワは2014年ソチ冬季五輪(オリンピック)では大人の女性になる前であり、高難度ジャンプを軽々とこなす可能性がある。
しかも、精密機械のような4回転ジャンプで世界の頂点を極めたエフゲニー・プルシェンコを育てたアレクセイ・ミーシンコーチについている。
となると、ソチオリンピックで金メダルを目指す浅田真央にとり、韓国のキム・ヨナをしのぐライバルになるかもしれない。

エリザベータ・トゥクタミシェワは「ルッツ−トゥループ」の2連続3回転ジャンプを完璧に跳んだ。
わずかな女子選手しか決めていない高難度のコンビネーションジャンプである。
練習では大技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も決めている。

しかも、少女体形の選手が得意とするジャンプなどの「技術」に限られない。
すでに「表現」で魅せられる。
演技に芸術の香りさえ・・・。
加えて、年齢不相応の妖艶さ、落ち着きを備えている。
勝利に浮かれた様子はまったくなし。
メンタルの強さと成熟を感じさせる。
恐るべし!

浅田真央へ送り込むロシアの刺客(?)はエリザベータ・トゥクタミシェワだけでない。
実は、彼女はジュニアで2番手だった。
1番手が15歳のアデリナ・ソトニコワである。
より高難度の「ルッツ−ループ」の2連続3回転ジャンプを跳ぶ。
これまでロシアのイリーナ・スルツカヤと安藤美姫しか決めていないコンビネーションジャンプである。
彼女はGPファイナル進出を逃したが・・・。

天才ともてはやされた選手がジュニアからシニアへ転向後の成長につれて伸び悩むケースは少なくない。
なかでも女子は第二次性徴期による体のバランスの変化という困難な壁にぶつかる。
それを乗り越えられるなら、エリザベータ・トゥクタミシェワもアデリナ・ソトニコワもまだまだ伸びる余地が大きい。

ロシア(ソビエト)はフィギュアスケート大国だった。
それが2010年バンクーバー冬季五輪(オリンピック)で金メダルを取れなかった。
1960年スコーバレー冬季五輪(オリンピック)以来の屈辱。
2014年ソチオリンピックを控えて選手の強化に躍起となるロシアにとり、エリザベータ・トゥクタミシェワとアデリナ・ソトニコワは“救世主”なのだ。
二人の下の世代にも秘密兵器(?)が・・・。

グランプリファイナル2011(GPファイナル2011)では元・天才少女、浅田真央と激突することになる。
おおいに盛りあがりそう。

                       ◇

放送はテレビ朝日系列。
12月3日(土)午後0時〜1時 フィギュアスケートグランプリファイナル直前SP(スペシャル)
12月10日(土)午後6時58分〜 男女ショートプログラム(SP)
12月11日(日)午後6時56分〜 男女フリースケーティング(FS)
12月12日(月)午後11時15分〜 エキシビション

出場選手は以下のとおり。
◆女子シングル
エリザベータ・トゥクタミシェワ ロシア
浅田真央 日本
カロリナ・コストナー イタリア
鈴木明子 日本
アリッサ・シズニー アメリカ
アリョーナ・レオノワ ロシア

◆男子シングル
カナダ パトリック・チャン
高橋大輔 日本
ジェレミー・アボット アメリカ
ミハル・ブレジナ チェコ
ハビエル・フェルナンデス スペイン
羽生結弦 日本

                      ◇◆◇

浅田真央に関するブログは以下のとおり。

⇒2011年12月2日「佐藤信夫、はれものに触る…浅田真央に遠慮と我慢」はこちら。

⇒2011年12月1日「グランプリファイナル2011…鈴木明子と浅田真央が出場」はこちら。

⇒2011年11月28日「浅田真央、トリプルアクセルは代名詞から疫病神へ・・・」はこちら。

⇒2011年11月26日「浅田真央、見事なダブルアクセル…GPファイナル2011」はこちら。

⇒2011年11月26日「浅田真央、心のなかで『たかちゃん、ごめんね』」はこちら。

⇒2011年11月25日「浅田真央、跳びたいから跳ぶのは幼い…GPシリーズ2011」はこちら。

⇒2011年11月23日「浅田真央、GPファイナル2011進出の条件…ロシア大会」はこちら。

⇒2011年11月20日「浅田真央に負けるわけにいかない小塚崇彦…全日本選手権2011」はこちら。

⇒2011年11月13日「浅田真央、納得の笑顔…ソチ五輪金メダルへ確かな手応え」はこちら。

⇒2011年11月12日「浅田真央、完全復活は間近…GPシリーズ2011NHK杯復調」はこちら。

⇒2011年11月2日「浅田真央をあたたかく見守ろう…心強い小塚崇彦の存在」はこちら。

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