フィギュアスケートグランプリシリーズ2011(GPシリーズ2011)。
鈴木明子はNHK杯のSPでは完璧な演技を見せ、フリーでもよく粘った。
3つのスピンで最高難度のレベル4を得た。
SPの貯金が利いて、復調した浅田真央を僅差でかわした。
直後のインタビューで、「ちょっと申し訳ない気持ち」と胸の内を語った。
スケートカナダでの2位とNHK杯での初優勝により、日本選手のトップを切って、12月8〜11日にカナダ・ケベックで行われるフィギュアスケートグランプリファイナル2011(GPファイナル2011)への切符を手に入れた。
おめでとう!

⇒2011年12月1日「グランプリファイナル2011…鈴木明子と浅田真央が出場」はこちら。

ベテラン選手の健在が「フィギュア王国日本」の強さを支えている。
一人ひとりが国際大会の出場枠の確保に努めることは、自身はもちろん周囲の有力選手、さらに次世代の有望選手に活躍の機会を与える。

                       ◇

鈴木明子は1985年3月28日、愛知県豊橋市生まれ。26歳。
邦和スポーツランド所属。
スケーティングやエッジワークが巧みだ。
2009年にGPシリーズ中国杯初優勝、GPファイナル3位、全日本フィギュアスケート選手権2位。
2010年に四大陸フィギュアスケート選手権2位、バンクーバー冬季五輪(オリンピック)8位。

鈴木明子は“遅咲き”に見えるが、ジュニア時代から将来の代表候補として高い評価を得てきた。
安藤美姫らとともに特別強化選手に選ばれた。
21世紀に入って好成績を残せるようになった。
2003年に2006年トリノ冬季五輪(オリンピック)に出場するとの夢を叶えるため、長久保裕の指導を受けようと東北福祉大学へ進んだ。

が、初めて実家を離れ、学業と練習に打ち込むうちに変調を来した。
医師の診断は「摂食障害」だった。
彼女は体調管理に万全を期すあまり、食事に気を遣いすぎた。
どうやら、それ以前からそうした傾向はあった(不確か)。
根が恐ろしく“真面目”なのだ。
主要大会から遠ざかることに・・・。

荒川静香が2004年に世界選手権で優勝した演技をテレビで観たことが転機になった。
実家に戻り、闘病生活を始めた。
やがて栄養を摂れるようになった。
2004年−2005年シーズンから主要大会に復帰することができた。
摂食障害を乗り越えたことが彼女を強くした・・・。

鈴木明子は人柄のよさがにじむ。
私は、彼女がインタビューで大きな目をさらに大きく開いて受け答えする様子を見ていると、過去にそうした地獄の苦しみを味わったことを忘れてしまう。
心底明るく、屈託がない。
一生懸命なのは間違いないが、いくらか滑稽さやひょうきんさを感じる。
前向きに生きると心に誓っているからだろう。

鈴木明子は現役を続けられる期間はそれほど長くないと考えている。
悔いを残さぬよう、競技人生の最後の仕上げに取り組んでいる。
立派だ。
私は彼女がGPファイナル2011で表彰台に立つことを願う。

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放送はテレビ朝日系列。
12月10日(土)午後6時58分〜 男女ショートプログラム(SP)
12月11日(日)午後6時56分〜 男女フリースケーティング(FS)
12月12日(月)午後11時15分〜 エキシビション

出場選手は以下のとおり。
◆女子シングル
エリザベータ・トゥクタミシェワ ロシア
浅田真央 日本
カロリナ・コストナー イタリア
鈴木明子 日本
アリッサ・シズニー アメリカ
アリョーナ・レオノワ ロシア

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