福岡ソフトバンクホークス(福岡ダイエーホークス)を再生した王貞治前監督の目に狂いはなかった。
自身の後任に指名した秋山幸二は立派な監督に育った。
正直に言うと、私はかつての弱いチームに逆戻りするのではと考えていた。
失礼しました・・・。

⇒2009年9月25日「ONの時代…両雄並び立つ奇跡!」はこちら。

私はスポーツニュースでちらっと見ただけだが、プロ野球日本シリーズはとてもよかった。
最終戦まで“がっぷり四つ”であり、勝負の女神がどちらにほほえんでも不思議でなかった。
互いにホームで連敗し、最後にホームで勝利したチームが「チャンピオンフラッグ」をつかんだ。

ソフトバンクホークスはCSを連勝で突破して日本シリーズに臨んだ。
圧倒的に優位という下馬評だったが、在任8年間で5度目のシリーズ采配を振るう落合博満監督の老練さに跳ね返された。
秋山幸二はかつて埼玉西武ライオンズ(当時は単に西武ライオンズ)の主軸打者としてホームランを量産したものの、三冠王・落合博満に跳ね返された。
彼が本塁打王を獲得したのは落合博満が中日ドラゴンズへ移籍してからだ。

とはいえ、秋山幸二監督は選手として7度のシリーズ出場を果たしている。
第1戦〜第2戦で敗れて全員が開き直ったのか、乗り込んだ敵地での第3戦〜第5戦でようやく本来の力を出した。
第6戦で敗れてホームでの勝利は難しいと思われた第7戦でついに歓喜の胴上げに舞った。
直後、死力を尽くした敵将が握手を交わした。
落合博光監督は秋山幸二監督を称えた。
いい光景だった。

両チームの日本一にかける執念が日本シリーズを面白くした。
このほかにも2つの理由がある。
第1は、パ・リーグとセ・リーグのペナントレースを制したチャンピオン同士の対戦だったこと。
第2は、飛ばないボールが公式球に採用され、投手力中心の戦いになったこと。
打撃力中心の戦いになれば勝者は明白だ。
得点は両チームを合わせて1試合平均3.7点。
ほとんどが僅差の勝利だった。
ロースコアの1点差ゲームやタイゲームでは、球場全体にひりひりするような緊張感が漂う。
監督と選手、そしてファンはしびれただろう。
読売ジャイアンツ(巨人軍)の渡邉恒雄(通称:ナベツネ)会長を筆頭に、ファンの間にも「ホームランバブル」を懐かしむ声がある。
が、私はいまの統一球でいいと思う。

勝利監督インタビューに立った秋山幸二の挨拶は非常に立派だった。
「東日本大震災」を踏まえ、12球団を代表してファンに今季開始時の決意と今季終了時の感謝を述べた。
目には涙がにじんでいた。
ファンを置き去りにして醜い“内紛劇”を繰り広げる読売ジャイアンツのフロント陣と対照的である。
球界の盟主でなくなったのに、その驕りだけは引きずっている。
いまの状態ならプロ野球に読売ジャイアンツはいらない。
長嶋茂雄終身名誉監督は「戦前・戦後を通じて巨人軍の歴史でこのようなことはなかった」と嘆いた。

                       ◇

私は営業分野のコンサルタントや講師して福岡を頻繁に訪れる。
1年間に1〜2カ月滞在する。
快適だし、食べ物もおいしい。
生まれ故郷の新潟・直江津を別にし、もっとも好きな地方都市である。

福岡ソフトバンクホークスは力感が溢れる。
「博多」の土地柄を反映し、自由で奔放、明るく豪快なチームができあがった。
王貞治の貢献は絶大であり、孫正義の支援も盤石である。
強いだけでなく、観戦していて楽しいのが何より・・・。

                       ◇

私自身はいくらか好きな選手はいても、好きな球団はない。
ダルビッシュ有、やや間が空いて田中将大、さらに間が空いて澤村拓一・・・。
すべてピッチャー(投手)であり、私が惹かれるバッター(打者)はいない。
また、しいて言えば、福岡ソフトバンクホークス、かなり間が空いて東北楽天イーグルス、かなり間が空いて北海道日本ハムファイターズ、さらに間が空いて読売ジャイアンツ(巨人軍)・・・。
セ・リーグは選手もチームも魅力が乏しい。

なお、横浜(DeNA)ベイスターズが立ち直るようなら、地元なので応援したい。
現状はあまりに不甲斐ない。

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