きのうのブログ「羽生結弦は強気…高橋大輔と小塚崇彦を制し全日本初優勝へ」に続いて・・・。

⇒2011年12月23日「羽生結弦は強気…高橋大輔と小塚崇彦を制し全日本初優勝へ」はこちら。

全日本フィギュアスケート選手権2011。
男子シングルのショートプログラム(SP)がきのう行われた。
2年ぶり5度目の優勝を狙う高橋大輔が高得点を叩き出し、独走のトップに立った。
2連覇を狙う小塚崇彦が2位、町田樹が3位につけ、羽生結弦は4位と出遅れた。
織田信成は左膝のけがで欠場した。

1位 高橋大輔 96.05点
2位 小塚崇彦 85.60点
3位 町田樹  74.64点
4位 羽生結弦 74.32点

選手の緊張が高まる全日本選手権にはGPシリーズやGPファイナルにない面白さがある。
ただ、1位と2位、2位と3位の点差が開き、興味は3位と4位の争いに絞られた。
順当なら羽生結弦。

とはいえ、1位と2位の争いを含め、試合が終わるまで何が起こるか分からない。
選手は大変だが、私は混戦になることを願う。
2位〜4位は猛烈に頑張り、大会を盛り上げてほしい。
高橋大輔が大きく崩れることは考えにくい。

                       ◇

小塚崇彦は冒頭のトリプルフリップ−トリプルトゥループを落ち着いてきれいに決めた。
トリプルアクセル、トリプルルッツも決めた。
スピン、ステップをきちんとこなした。
全要素で加点を得た。

小塚崇彦はGPファイナルに出られなかった悔しさから練習に励み、コンディションを立て直した。
ディフェンディング・チャンピオンのプライドと貫禄を示した。
大衆受けが難しい選曲だが、おそらく自身の課題の克服を念頭に置いている。
演技に隙がなく、また切れ味が素晴らしかった。
いかにも洗練されたサラブレッド。

全神経を研ぎ澄ましてノーミスで滑り終え、右こぶしにぐっと力を込めた。
彼にしては珍しい。
きりっと引き締まった、実にいい表情だった。

⇒2011年11月20日「浅田真央に負けるわけにいかない小塚崇彦…全日本選手権2011」はこちら。

序盤の低迷はスケートシューズとの相性の悪さも一因だった。
2位に終わった「NHK杯」後に取り替え、しっかりと踏み込めるようになった。
今季初の納得の笑顔がこぼれた。

小塚崇彦は着実に成長を遂げており、来年3月にフランス・ニースで開催される「世界フィギュアスケート選手権2012」が楽しみだ。
調子のピークをもっていけそう・・・。

                       ◇

高橋大輔は冒頭の4回転トゥループ−トリプルトゥループのコンビネーションを決めた。
SPで自身初!
トリプルアクセル、ステップからのトリプルルッツも決めた。
スピンをこなし、ステップで魅せた。

完璧に滑り終え、右こぶしでガッツポーズを何度かつくった。
圧巻の演技に爆発的な歓声と拍手、そしてスタンディング・オベーションが起こった。
アイスリンクに投げ込まれた称賛と祝福の花束も半端でない。
ベテランとはいえ、絶大な人気を誇る。

小塚崇彦の得点はプレッシャーになるどころか、闘争心を掻き立てたようだ。
男・高橋大輔は果敢に攻め抜いた。

⇒2011年12月21日「高橋大輔、『どうだ! 小塚君!』…全日本選手権で一蹴」はこちら。

得点が表示されると、絶叫にも近い歓声が沸き起こった。
キス・アンド・クライの高橋大輔は即座に立ち上がり、観客に大きく手を振った。

満面の笑みは、冒頭の4回転−3回転の連続ジャンプに成功したから・・・。
SPでの4回転は避けるはずだった。
が、プログラムに急きょ組み込んだ。

近年、カナダのパトリック・チャンなど世界のトップクラスが4回転ジャンプを決めている。
次世代の羽生結弦も…。
その現状に対し、自分も跳ばなければ生き残れないと危機感が募った。
また、負けず嫌いも頭をもたげた。
自信があったわけでなく、半信半疑の挑戦だった。
着氷の瞬間、会場がどよめいた。
おそらくファンさえも無謀と思っていた。

高橋大輔は昨季と別人である。
気持ちのスイッチが入り、目の光、顔の表情がまったく違う。
内面の充実が体全体から奔流のようにあふれ出て、演技が生きもののようだ。
SPで10点以上の大差をつけたが、フリーでも4回転ジャンプを跳ぶ。
安全策を取らない。

⇒2011年10月29日「高橋大輔、燃え尽き症候群克服か…GPシリーズ&ファイナル」はこちら。

なお、全日本選手権の得点は世界歴代最高として認定されない。
しかし、カナダのパトリック・チャンが持つSPの最高記録を3.03点も上回った。
私が絶句する出来映えだった。

⇒2011年12月12日「高橋大輔、世界一の演技でチャンを圧倒!…GPファイナル」はこちら。

                       ◇

羽生結弦は冒頭の4回転−3回転の連続ジャンプが単発の3回転になり、しかも着氷がかなり乱れた。
トリプルアクセルは決めた。
トリプルルッツは両手を上げたダブルトゥループをつけた。
が、最後のスピンは評価がレベル3からレベル2に見直されるおまけ付き。
演技全体に勢いと精彩を欠いた。
自分に自信を持てなかったと振り返った。

公式練習では4回転ジャンプの成功率が一番高かったが、直前の練習ではおかしかった。
羽生結弦は最終滑走で気負いがあったのか、高橋大輔の高得点に動揺したのか・・・。
本人は初優勝を狙っていた。
欲が出ると、緊張が膨らみやすく、ミスが出る。
フィギュアスケートはつくづく難しい。
それも17歳の彼にはいい勉強になる。

羽生結弦は初の世界選手権出場を組み込んでシーズン設計を行っており、全日本選手権の表彰台には何が何でものぼりたいところ。
フリーでの巻き返しを期待したい。
開き直ることだ。
町田樹は勝負をかけてくる。

⇒2011年12月13日「羽生結弦トップ3波乱…全日本フィギュア選手権表彰台へ」はこちら。

男子シングルのフリースケーティング(FS)はきょう行われる。
高橋大輔の全日本王者復活は動かないだろう。
おめでとう!

◆フジテレビ系列での放送予定は以下のとおり(確認のこと)。

◇12月24日(土) 19時〜23時10分 女子SP&男子フリースケーティング(FS)

◇12月25日(日) 19時〜21時55分 女子フリー

◇12月26日(月) 19時〜20時54分 エキシビション(EX)
All Japan メダリスト・オン・アイス

メインキャスターは国分太一、高島彩、解説は八木沼純子、本田武史(男子)、荒川静香(女子)。

                      ◇◆◇

高橋大輔に関するブログは以下のとおり。

⇒2011年12月21日「高橋大輔、『どうだ! 小塚君!』…全日本選手権で一蹴」はこちら。

⇒2011年12月12日「高橋大輔、世界一の演技でチャンを圧倒!…GPファイナル」はこちら。

⇒2011年11月17日「高橋大輔・大ちゃんの魅力…子犬のような人懐っこさ」はこちら。

⇒2011年11月15日「高橋大輔と小塚崇彦の比較…スケーターの特性と演技」はこちら。

⇒2011年10月29日「高橋大輔、燃え尽き症候群克服か…GPシリーズ&ファイナル」はこちら。

⇒2011年9月30日「ジャパンオープン2011…安藤美姫、高橋大輔、小塚崇彦が出場」はこちら。

⇒2011年5月17日「浅田真央と高橋大輔の関係をすっぱ抜く」はこちら。

⇒2011年4月28日「高橋大輔、世界フィギュア優勝へのスイッチ」はこちら。

⇒2011年4月26日「高橋大輔は2位じゃダメなんでしょうか」はこちら。

⇒2011年2月20日「高橋大輔、金メダル宣言…世界選手権東京大会」はこちら。

⇒2010年12月7日「高橋大輔は心に訴えない…内臓を揺さぶる泥臭さ」はこちら。

⇒2010年10月25日「浅田真央を気づかう高橋大輔と村上佳菜子」はこちら。

⇒2010年4月16日「妹真央を兄大輔が気遣う春の園遊会」はこちら。

⇒2010年3月26日「高橋大輔、日本男子初の金メダル!」はこちら。

⇒2010年3月4日「あきれた浅田真央と高橋大輔の言葉!」はこちら。

⇒2010年2月19日「高橋大輔、4回転失敗も銅メダル!」はこちら。

⇒2010年2月19日「高橋大輔、攻めか守りかメダル予想」はこちら。

⇒2010年2月17日「男子フィギュアSP、高橋3位、織田4位」はこちら。

                      ◇◆◇

小塚崇彦に関するブログは以下のとおり。

⇒2011年12月21日「高橋大輔、『どうだ! 小塚君!』…全日本選手権で一蹴」はこちら。

⇒2011年11月27日「羽生結弦、小塚崇彦先輩を置いていく…GPファイナル2011」はこちら。

⇒2011年11月26日「浅田真央、心のなかで『たかちゃん、ごめんね』」はこちら。

⇒2011年11月20日「浅田真央に負けるわけにいかない小塚崇彦…全日本選手権2011」はこちら。

⇒2011年11月15日「高橋大輔と小塚崇彦の比較…スケーターの特性と演技」はこちら。

⇒2011年11月2日「浅田真央をあたたかく見守ろう…心強い小塚崇彦の存在」はこちら。

⇒2011年10月22日「フィギュアGPシリーズ2011日程&出場選手…小塚と真央は?」はこちら。

⇒2011年10月3日「小塚崇彦、劇的成長の予感…自分が引っ張るしかない」はこちら。

⇒2011年9月30日「ジャパンオープン2011…安藤美姫、高橋大輔、小塚崇彦が出場」はこちら。

⇒2011年7月10日「小塚崇彦と浅田真央が初々しい…お似合いカップル」はこちら。

⇒2011年4月27日「小塚崇彦、金メダルへの距離…世界選手権」はこちら。

⇒2011年1月27日「浅田真央は小塚崇彦をどう思っているのか?」はこちら。

⇒2010年12月10日「高橋大輔を追う小塚崇彦に不安、村上佳菜子は自信」はこちら。

⇒2010年11月28日「イケメン小塚崇彦に足りないもの…GP圧勝」はこちら。

⇒2010年11月10日「安藤美姫と小塚崇彦、アベック優勝の注目度」はこちら。

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