「四大陸フィギュアスケート選手権2012」がアメリカ・コロラドスプリングスで行われた。
標高約1800mの高地。
酸素が薄く、体力的にきつい。
日本から、男子シングルは高橋大輔、町田樹、無良崇人、女子シングルは浅田真央、村上佳菜子、今井遥が出場した。
ペアは高橋成美/マーヴィン・トラン組、アイスダンスはキャシー・リード/クリス・リード組が出場した。

さて、浅田真央は優勝を逃し、2位に留まった。
ショートプログラム(SP)の冒頭でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を跳び、回転不足の判定。
が、僅差で首位に立った。
フリーの冒頭でトリプルアクセルを跳び、回転不足の判定。
先に演技を終えた全米女王、SP2位のアシュリー・ワグナー(192.41点)を超えられなかった。
188.62点で、昨年に続く2位。

SP3位の村上佳菜子はジャンプでミスが相次ぎ、4位(169.32点)に落ちた。
「最後は疲れちゃいました」。
9日の公式練習中に腹痛と貧血を訴えていた。
コンディションが悪かったようだ。
山田満知子コーチも渋い表情。

また、今シーズンからアメリカへ渡り、佐藤有香夫妻の指導を受ける今井遥(いまい・はるか)は9位(134.49点)に終わった。
大会直前に右足のけががひどくなったようだ。

                       ◇

2位に留まった浅田真央だが、昨シーズン直前から取り組んできた滑りの矯正が一定の成果を上げている。
代名詞のトリプルアクセルも全日本選手権の公式練習以降、成功率が高まってきた。
本人もそれなりの手応えを感じている。

しかし、浅田真央は本大会で優勝を収めたとしても、いまの滑りでは2014年ソチ冬季五輪(オリンピック)で金メダルを獲れないことをだれよりもよく分かっている。
早くも3月にフランス・ニースで行われる「世界フィギュアスケート選手権2012」へ思いを馳せた。
本大会でトリプルアクセルに挑戦したことはプラスと語っており、世界フィギュアでも取り入れるはずだ。

                       ◇

この世にも「天国」と「地獄」があるとすれば、それぞれに入口があるわけでない。
地獄の扉のずっと先に天国の扉がある。
地獄をくぐり抜けないと、天国の扉にたどり着けない。
スポーツ競技に限らず、仕事でも経営でも人生でも同じだ。

そのことを一番よく知るアスリートが北島康介だろう。
平泳ぎの同一種目で連覇を成し遂げた競泳選手はオリンピック史上、彼のほかにいない。
しかも、北島康介は百メートルと2百メートルの2種目で達成した。
年齢的に厳しい2012年ロンドン五輪(オリンピック)は、表彰台はもちろん出場さえ容易でない。
結果はどうなるか分からないが、北島康介が2008年北京五輪(オリンピック)後の4年間にやってきたことは、自らを地獄に突き落とすことだった。
いや、その前の五輪後もそうだった。

強じんなメンタリティが備わる浅田真央。
彼女はソチオリンピックで頂点に立つため、再び自ら進んで地獄に身を投じるのでなかろうか・・・。
トリプルアクセルに加え、新たな得点源がほしい。

                       ◇

ところで、試合会場で小塚崇彦と浅田真央を指導する名伯楽・佐藤信夫の世界殿堂入りの表彰が行われた。
70歳。
教え子の顔ぶれは素晴らしい。
2006年トリノ冬季五輪(オリンピック)金メダリストの荒川静香もその一人である。
日本人の殿堂入りは、伊藤みどりに続いて2人目。

佐藤信夫は1965年にコロラドスプリングズで行われた世界フィギュアスケート選手権で日本人として初めて3回転サルコウを跳び、4位になった。

実は、一昨年2月に殿堂入りが決まり、昨年に東京で行われるはずの世界フィギュアで表彰されることになっていた。
しかし、東日本大震災の影響で開催地がモスクワに変更となり、延期されていた。

私は、日本人選手を最初に金メダルへ導く日本人コーチはだれかに関心がある。

                      ◇◆◇

浅田真央に関するブログは以下のとおり。

⇒2012年1月11日「浅田真央、女王復活のシナリオ…世界フィギュア選手権2012」はこちら。

⇒2011年12月28日「浅田真央、視聴率の化け物…日本唯一のスーパースター」はこちら。

⇒2011年12月26日「浅田真央優勝、天上の母へ金メダルのクリスマスプレゼント」はこちら。

⇒2011年12月25日「浅田真央、全日本選手権感動大賞(女子部門)決定!」はこちら。

⇒2011年12月24日「浅田真央、明るい受け答え…笑顔に隠す深い悲しみ」はこちら。

⇒2011年12月23日「浅田真央の調子…全日本フィギュア選手権5度目の優勝へ」はこちら。

⇒2011年12月15日「浅田真央、全日本選手権2011出場…母・匡子さんへの供養」はこちら。

⇒2011年12月14日「浅田真央、好意に甘えるのもよし…特例で世界選手権代表選出」はこちら。

⇒2011年12月11日「鈴木明子、浅田真央の分まで頑張る…GPファイナル銀メダル」はこちら。

⇒2011年12月10日「浅田真央、母・匡子さんの願い『娘よ、悲しみを乗り越えて…』」はこちら。

⇒2011年12月9日「トゥクタミシェワは3Aを跳び、浅田真央を揺さぶる…GP決戦」はこちら。

⇒2011年12月6日「浅田真央、トリプルアクセル回避…グランプリファイナル2011」はこちら。

⇒2011年12月3日「浅田真央、トゥクタミシェワと激突!…GPファイナル2011」はこちら。

⇒2011年12月2日「佐藤信夫、はれものに触る…浅田真央に遠慮と我慢」はこちら。

⇒2011年12月1日「グランプリファイナル2011…鈴木明子と浅田真央が出場」はこちら。

⇒2011年11月28日「浅田真央、トリプルアクセルは代名詞から疫病神へ・・・」はこちら。

⇒2011年11月26日「浅田真央、見事なダブルアクセル…GPファイナル2011」はこちら。

⇒2011年11月26日「浅田真央、心のなかで『たかちゃん、ごめんね』」はこちら。

⇒2011年11月25日「浅田真央、跳びたいから跳ぶのは幼い…GPシリーズ2011」はこちら。

⇒2011年11月23日「浅田真央、GPファイナル2011進出の条件…ロシア大会」はこちら。

⇒2011年11月20日「浅田真央に負けるわけにいかない小塚崇彦…全日本選手権2011」はこちら。

⇒2011年11月13日「浅田真央、納得の笑顔…ソチ五輪金メダルへ確かな手応え」はこちら。

⇒2011年11月12日「浅田真央、完全復活は間近…GPシリーズ2011NHK杯復調」はこちら。

⇒2011年11月2日「浅田真央をあたたかく見守ろう…心強い小塚崇彦の存在」はこちら。

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