私は、年頭に固く誓った営業研修教材など新商品の開発と投入が大幅に遅れている。
景気回復が鮮明になり、受託業務が増えているためだ。
クライアントの仕事を優先せざるをえない。
もちろん、私はおおいに感謝している。

が、自分に気合いを入れ直さないと、ずるずるになりそうだ。
強固な意志でやり抜くはずが、薄弱な意志である。
情けない・・・。

私は集中力が延々(?)と持続するほうだった。
しかし、50代後半くらいから集中力にはっきりとした波が出るようになった。
正確に述べれば、猛烈に頑張った後に「反動」の状態や時期が現れるようになった。
そして、それが年々ひどくなっている。
加齢との闘いだ。
体力不足も主因の一つかもしれない。

私は、一年365日、一日24時間、集中力を維持できるのが理想である。
頭の悪さを労働時間の長さでひたすらカバーしてきた職業人生だった。
ゆえに、「睡眠とは敗北である」。
したがって、私の人生は敗北の連続になる。

あすの締め切り2本がやばい。
頭から激しい湯気が立ち上っている。
ポーッ!!!

                       ◇

さて、NHK朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」。
主演は堀北真希(ほりきた・まき)。
時代は劇的な戦後復興期、そして経済成長期。
舞台は東京大空襲で焼け野原と化した終戦直後の東京・蒲田。
ヒロイン・下村梅子が地域に根ざした町医者を目指す。
住民の命を守っていくヒューマンドラマである。

「上村松子」でなく「下村梅子」。
「上⇒下」「松⇒梅」というところがミソ(おそらく)。
現時点の放送では、下村梅子は自分に自信を持てない。
ネットを調べたら、出来のいい姉と兄に劣等感を持ち、「梅子」という名前が気に入っていない。
主演・堀北真希は、輝いてならないヒロインとしてスタートしなければならなかった。
何の取り柄もない。
この役どころは難しそうだ。

「梅ちゃん先生」は井上真央主演の「おひさま」に続き、よく言えば朝ドラの王道、悪く言えば保守的なつくり。
たわいない日常を描く。
が、「おひさま」はテーマ性も世界観もはっきりしていた。
それに対し、「梅ちゃん先生」は方向感が定まらない。
ピントを合わせにくく、私は見ていてストレスが募った。

井上真央は共演者一人ひとりの持ち味(個性)を引き立てるのがうまく、それにより自らがヒロインとして輝いていた。
私は女優としての実力を感じた。
これといった山場のない「おひさま」を最後まで持たせた。

⇒2012年4月12日「堀北真希と井上真央…朝ドラヒロインおでこ比較」はこちら。

ところが、「梅ちゃん先生」は登場人物の関係性に核(軸)になるものが見られず、はなはだ“すわり”が悪い。
脚本(シナリオ)でキャラクターが描き切られていないのか、登場人物が引き立て合わない。
したがって、絡みが淡泊だ。
また、台詞(せりふ)が説明的でこなれていない。
登場人物の会話に生っぽさも面白みも乏しい。
さらに、撮影現場での指示が曖昧なのか。
それなりの俳優を集めているのに、一人ひとりが非常に演じにくそうにしている。
演技が下手な役者とは思えないのに・・・。

「下村家」は生活感がない。
家族のつながり感もない。
互いの距離が遠いし、空々しい。
これだと視聴者は感情移入が難しい。
キャスティングもどうか。

⇒2012年4月10日「松下奈緒・ゲゲゲの女房、堀北真希・梅ちゃん先生の人気」はこちら。

端役を含めた登場人物の顔がひどい。
終戦直後の窮状が反映されていない。
ヒロインとその母は色つやがよすぎる。
子どもは無理に墨か煤(すす)を塗りたくっている。
汚せばいいってものじゃない。
広い意味の演出に、丁寧さやこまやかさが欠ける。

「梅ちゃん先生」はリアリティが希薄だ。
何もかも噛み合っていない。
オープニングの映像もSMAPの主題歌もこの朝ドラを散漫にしているだけだ。
プロデューサー、脚本家、演出家、スタッフ、キャストの意思疎通が図れていない。
バラバラ・・・。

私は、急ごしらえの粗末な作品を見せられたという感想を抱いた。
実際には十二分に時間をかけていると思うが…。
全体も細部も完成度が高かった「カーネーション」の後だけに、気になって仕方がない。

⇒2012年4月2日「堀北真希・梅ちゃん先生…朝ドラ高視聴率のプレッシャー」はこちら。

しかし、半世紀の歴史を持つ朝ドラがこのままの不甲斐なさで終わるはずがない。
この先おそらく、どんどんよくなっていく。
私はもちろん都合がつくときには「梅ちゃん先生」を見る。
堀北真希を始め、関係者に頑張ってもらいたい。

それと、舞台が東京・蒲田という雰囲気が漂っていない。
当地はもっと猥雑で熱している。
下町の厚い人情はどこへ・・・。

きょうの記事は私の第一印象にすぎない。

Copyright (c)2012 by Sou Wada

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