NHK朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」。
ヒロイン・下村梅子を堀北真希が演じる。
ネットで本人の写真を見たら、それなりに美人だった。
当然だが、下村梅子とイメージが違う。
堀北真希は戦後の娘の雰囲気を出している。

その堀北真希がきょうの放送で、ドラム缶風呂に入る。
入浴シーンを一目拝もうということで、中高年を含めた男がテレビにくぎ付けになる。
講演出張中の私もきょうは寄り目になっている可能性がある。

⇒2012年4月15日「朝ドラ梅ちゃん先生の感想…急ごしらえの粗末な作品?」はこちら。

当時、東京の下町では内風呂が珍しく、銭湯通いが普通だった。
私は1968年(高校1〜2年生)に東京・小松川で暮らした。
典型的な下町である。
その頃でも銭湯の利用者は少なくなかった。

戦後間もなく、銭湯の営業は不定期だった。
庶民はやむなくドラム缶風呂に入っていた。
蒲田では、銭湯の営業日、煙突に明かりを灯して近隣に知らせた。
配給物資さえ不足する時代、体を伸ばして湯に浸かれる銭湯は数少ない娯楽のひとときだった。

堀北真希は、いい湯加減に温めてくれたスタッフに感謝を口にした。

・・・そうだ。
東日本大震災後、ドラム缶風呂に浸かる被災者が報道番組か何かで映し出された。
その表情が印象的だった。
最悪の生活環境のなかでは、ちょっとしたことでも人に幸せや喜びの感情を呼び覚ます。
湯で温まり、汗と汚れを流すだけで、心身の疲れはかなり取れる。
私たちは今日、当たり前のように風呂に入っているが、その機会を失ったときにありがたみに気づく。

余談ながら、私は1964年(中学1年生)に長野・伊那へ移った。
呉羽紡績(現東洋紡績)の出張所を兼ねた自宅は五右衛門風呂だった。
狭くて難儀したことを思い出した・・・。

⇒2012年4月16日「梅ちゃん先生…オープンセットはカネの無駄遣い?」はこちら。

ところで、堀北真希主演の「梅ちゃん先生」は立ち上がりの視聴率が非常に好調だ。
私は正直、不可解だった。

Wikipedia(ウィキペディア)の「梅ちゃん先生」の項(頁)に視聴率が載っている。

◆週間最高視聴率(週間平均視聴率にあらず)

第1週=2012年4月2日〜4月7日:あたらしい朝が来た 20.5%
第2週=2012年4月9日〜4月14日:かがやく未来 20.9%
第3週=2012年4月16日〜4月21日:やるなら、やらねば 20.6%
第4週=2012年4月23日〜4月28日:ヒポクラテスの乙女たち 21.0%
第5週=2012年4月30日〜5月5日:もつべきものは、友 20.3%
第6週=2012年5月7日〜5月12日:次へのステップ 21.1%
第7週=2012年5月14日〜5月19日:愛のから騒ぎ 21.4%
第8週=2012年5月21日〜5月26日:ゆずれない思い 22.1%
第9週=2012年5月27日〜6月2日:インターンはつらいよ 21.2%
第10週=2012年6月4日〜6月9日:恋の後始末 21.7%
第11週=2012年6月11日〜6月16日:すれちがう気持ち 22.8%
第12週=2012年6月18日〜6月23日:大告白 22.3%
第13週=2012年6月25日〜6月30日:医師の自覚 22.3%
第14週=2012年7月2日〜7月7日:巣立ちのとき 22.0%
第15週=2012年7月9日〜7月14日:ちいさな嘘の、おおきな本当 −
第16週=2012年7月16日〜7月21日:ふたつの道 −

目を見張る数字だ。

⇒2012年4月17日「堀北真希は日本の朝を穏やかにした…梅ちゃん先生の効用」はこちら。

別のデータによる。

◆週間テレビ視聴率ランキング

4月2日〜4月8日:1位(4月5日放送分) 関西20.0% 関東18.8%
4月9日〜4月15日:2位(4月11日放送分) 関西18.2% 関東19.1%
4月16日〜4月22日:2位(4月20日放送分) 関西18.1% 関東19.7%
4月23日〜4月29日:1位(4月26日放送分) 関西19.5% 関東20.7%
4月30日〜5月6日:3位(5月1日放送分) 関西19.4% 関東19.6%
5月7日〜5月13日:1位(5月9日放送分) 関西21.3% 関東19.2%
5月14日〜5月20日:4位(5月17日放送分) 関西18.9% 関東19.4%
5月21日〜5月27日:1位(5月21日放送分) 関西19.9% 関東22.1%
5月28日〜6月3日:3位(6月1日放送分) 関西19.5% 関東20.6%
6月4日〜6月10日:4位(6月7日放送分) 関西19.5% 関東21.1%
6月11日〜6月17日:2位(6月15日放送分) 関西19.4% 関東21.4%
6月18日〜6月24日:3位(6月19日放送分) 関西21.2% 関東21.8%
6月25日〜7月1日:1位(6月27日放送分) 関西21.3% 関東21.0%
7月2日〜7月8日:1位(7月5日放送分) 関西20.3% 関東21.2%

なぜか関西地区のほうが高い。
不確かだが、きわめて異例でなかろうか。
尾野真千子(夏木マリ)主演の「カーネーション」の高視聴率の勢いをそのまま引き継いだ?

「梅ちゃん先生」は巨大なオープンセットにストーリーが馴染みはじめた。
演出と役者、役者と役者のコミュニケーションが深まったのか、やはり演技が溶け込みはじめた。
が、息が合うところまでいかない。

私が最初に受けた何もかもバラバラで、しかもドラマに血が通っていないとの印象が和らぎつつある。

下村梅子は父・下村建造(高橋克実)と一緒の帰り道、医者になりたいと切り出して一喝された。
父は梅子を頭の悪い子と考え、何の期待も抱いていない。
秀才の兄・下村竹夫(小出恵介)が父の敷いたレールに乗って医者になることに疑問を感じ、家を出たのだ。

                      ◇◆◇

堀北真希と朝ドラ「梅ちゃん先生」に関するブログは以下のとおり。

⇒2012年4月2日「堀北真希・梅ちゃん先生…朝ドラ高視聴率のプレッシャー」はこちら。

⇒2012年4月10日「松下奈緒・ゲゲゲの女房、堀北真希・梅ちゃん先生の人気」はこちら。

⇒2012年4月12日「堀北真希と井上真央…朝ドラヒロインおでこ比較」はこちら。

⇒2012年4月15日「朝ドラ梅ちゃん先生の感想…急ごしらえの粗末な作品?」はこちら。

⇒2012年4月16日「梅ちゃん先生…オープンセットはカネの無駄遣い?」はこちら。

⇒2012年4月17日「堀北真希は日本の朝を穏やかにした…梅ちゃん先生の効用」はこちら。

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