六本木(乃木坂)の国立新美術館が開館5周年を記念し、力の入った企画展(特別展)を実施している。
それも2本がほぼ並行して開催される。



名称:セザンヌ−パリとプロヴァンス
会期:2012年3月28日(水)−6月11日(月)
会場:企画展示室1E
主催:国立新美術館、日本経済新聞社

ファンにはたまらない、セザンヌの個展だ。
私は静物画が好きである。
一部の風景画も…。

⇒2012年6月2日「セザンヌのりんごは歯が欠ける…食べないこと!」はこちら。



名称:大エルミタージュ美術館展 世紀の顔・西欧絵画の400年
会期:2012年4月25日(水)−7月16日(月・祝)
会場:企画展示室2E
主催:国立新美術館、日本テレビ放送網、読売新聞社、エルミタージュ美術館

公式ウェブサイトによる。
エルミタージュ美術館はロシアのサンクトペテルブルクに位置する。
建物(本館)はロマノフ王朝の歴代皇帝の宮殿であり、所蔵作品は3百万点を超える。
歴代ロシア皇帝とロシアのコレクターにより収集された。
本展覧会では、16世紀から20世紀までの西洋美術の名作を、その世紀を象徴するキーワードを軸に紹介する。

16世紀は、人間の世紀。
17世紀は、黄金の世紀。
18世紀は、革命の世紀。
19世紀は、進化する世紀。
20世紀は、アヴァンギャルドの世紀。

ティツィアーノ、ルーベンス、レンブラント、ブーシェ、レノルズ、モネ、ルノワール、セザンヌ、マティス、ピカソら83作家の89作品。

最大の注目は、アンリ・マティスの最高傑作の一つである「赤い部屋(赤のハーモニー)」。
東京では約30年振りの展示となる。

本展覧会はこの後、名古屋市美術館、京都市美術館を巡回する。



私はアンリ・マティスが大好きだ。
Facebookに、とくに好きな画家(版画家を含む)の名前を何人か挙げている。
実はたくさんいる。
そのなかでアンリ・マティスは一番かもしれない(厳密に順序を決められないし、年齢や時期により順序が変わる)。
もちろん画集を持っている。

私は大エルミタージュ美術館展でぜひとも「赤い部屋(赤のハーモニー)」を観たい。
1908年、油彩。
アンリ・マティスはこの作品を「青のハーモニー」として描いた。
ところが、展覧会に出品する直前に赤に塗り替えた。
キャンバスの縁に元の青が残っている。
自ら「青では十分に装飾的でなかった」と変更の理由を述べている。

アンリ・マティスはこの作品で三次元空間(部屋)の奥行きを見事に消し去った。
大きな窓外の風景まで額縁の風景画に変えてしまった。
華やかな原色系の平面を構成するだけで作品を完成させた。
くねくねの植物模様が装飾性とリズム感を与えている。

私は、「赤の部屋」くらい心地よい絵をほかに知らない。
作品全体から感覚的な癒し(いやし)が得られる。

私はずっと仕事に追われっ放しだ。
とはいえ、東京駅や紀尾井町、六本木などの都心のホテルに数泊することも珍しくない。
30分あれば、「赤い部屋」を観られる。
都合がつけば、そのために足を運ぶ。
ほかの作品に興味がないということでない。

余談。
わが家はもっとも多いときで、アメリカンショートヘアが9匹いた。
渋谷・松涛に暮らしていた頃である。

私はアンリ・マティスにネコだらけの室内を描いてほしかった。
切り絵でなく油彩で…。
想像するだけで、わくわくする。
が、鳥をたくさん飼っていたというから無理かなぁ。

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