先だってのブログ「駅弁人気ランキング、駅弁売れ筋ランキング」に続いて・・・。

⇒2012年8月16日「駅弁人気ランキング、駅弁売れ筋ランキング」はこちら。

私は仕事柄、出張が非常に多く、しかも飛行機に乗らないので、たいてい鉄道で移動している。
というわけで、駅弁をかなり食べてきた。

私のお気に入りベスト3は以下のとおり。
何度も食べたくなることも大事だと思う。

1位 ますのすし 富山県富山駅
2位 峠の釜めし 群馬県横川駅
3位 崎陽軒シウマイ弁当 神奈川県横浜駅

私は横浜暮らしであり、新横浜駅から新幹線に乗り込む際に「崎陽軒シウマイ弁当」をよく買う。
これまでに食べた回数(個数)は群を抜く。
日本の駅弁で一番の売れ行きらしい。
1954年(昭和29年)の発売。

「駅弁人気ランキング」の類がインターネットにあふれている。
私は「崎陽軒シウマイ弁当」の名前を見た記憶がほとんどなかった。
しかし、テレビ朝日の2007年頃の番組「全国おいしい人気の駅弁 ベスト100」でツアーガイドが厳選したベスト3は、私のお気に入りと完全に一致した。
「ますのすし」と「峠の釜めし」は人気ランキング上位の常連なので驚かないが、3位の「崎陽軒シウマイ弁当」はうれしい。
名作なのに、評価が不当に低いと考えていた。

概して人気ランキング上位の駅弁は、その土地ならではの食材を用い、調理にこだわる。
独自性ゆえに、旅行気分をおおいに盛り上げてくれる。
「崎陽軒シウマイ弁当」は、弁当としての完成度が高いが、駅弁としての魅力が弱いのかもしれない。

しかし、私自身は十分に横浜っぽいと思う。
「文明開化」の雰囲気を残しており、小さめの箱のなかに和・洋・中の味覚がバランスよく詰まっている。
実力は駅弁ナンバーワンでなかろうか。

「崎陽軒シウマイ弁当」は、おかずの構成(品数を含む)と分量(割合を含む)が素晴らしい。
調理(味付けを含む)と食感(素材を含む)も…。
基本は「幕の内弁当」だが、ひねりが利いている。

横浜に暮らすから肩を持つわけでない。
「崎陽軒シウマイ弁当」は、おかずが縦に入っているのが偉い。
ボリュームとしては大きいシウマイがサブでないかと感じるほど、おかずが充実している。
シウマイなどをごろごろ、他のおかずをちまちまと楽しめ、飯が進み、ちゃんと腹が膨れる。

また、冷えた飯が抜群にうまい。
ギュッと型押ししているにもかかわらず、米を釜で炊かないで蒸気で蒸しており、粒が際立つ。
しかも、飯から出る水分を経木の折がほどよく吸収する。
さらに、俵の形状と絶妙な大きさの型押しは、飯を口に放り込みたい気分にさせる。

個人的には、わけの分からない筍(たけのこ)煮が好きだ。
いつ食べていいのか迷う杏(あんず)の甘煮も気になる。
苦手なはずの梅干しがいける。
粒の大きさ、味付け、食感に工夫が施されている。

価格は 750円(税込み)であり、幕の内弁当としては安い。
サイズは 縦20cm×横14.5cm×高3.5cmであり、幕の内弁当としては小さい。

横浜の学校や会社では、行事などに「崎陽軒シウマイ弁当」が出されることがある。
そのための仕出し・配達サービスが整う。
駅弁なのに市民が普段から食する機会が多く、高い知名度と強い愛着を保ってきた。

◆中身(おかず)
◇飯(小梅、黒胡麻)
昔から変わらない俵型。人気の小梅がのせられる。
◇「昔ながらのシウマイ」
横浜名物。5個。
◇鮪(まぐろ)の照り焼
こんがり、鮪のつけ焼き。うまみが凝縮される。
◇蒲鉾(かまぼこ)
幕の内弁当に不可欠。
◇鶏唐揚げ
ジューシーな鶏肉のからっと揚げ。
◇玉子焼き
ふんわり、しっとり、出汁(だし)たっぷり。
◇筍煮
シウマイに次ぐ人気のおかず。味がしみ込む。
◇杏
彩りを添える甘煮の一品。素材の酸味を残す。
◇切り昆布(こんぶ)、千切り生姜(しょうが)
飯に合う箸休め。

「崎陽軒シウマイ弁当」は、幕の内弁当の魅力を低価格でコンパクトに実現した。
私は商品企画が考え抜かれ、研ぎ澄まされていると思う。
崎陽軒の並々ならぬこだわりは包装紙(掛け紙)から折、飯、おかずまで、すべてに及ぶ。
公式サイトによれば、パッケージはリニューアルが11回行われている。
このパッケージは、駅弁の包装紙を指すのか折を指すのかはっきりしないが…。

なお、「崎陽軒シウマイ弁当」は食べごたえがあり、小食の人におすすめできない。
それと、飯がかためであり、胃の弱い人におすすめできない。
かなり男性向けの駅弁なのだ。

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