私はドラフト会議の直前、岩手・花巻東高校の 160キロ右腕・大谷翔平投手がメジャー挑戦をきっぱりと表明したことに驚いた。
日本球界を背負う逸材とされてきた。
何と勇敢かと・・・。
同時に、あまりに無謀でないかと・・・。
メジャーの何球団かは大谷翔平が十分に通用すると踏んでおり、獲得に熱心だ。
私は素人なので、彼がどのくらいの期間でメジャーに上がれるかは分からない。
大学生がいきなり挑戦するのも至難だと思うが、高校生はリスクがすごい。
取り返しのつかない決断になる可能性がある。
私がもっと驚いたのは、その大谷翔平を北海道日本ハムファイターズがドラフト1位で強硬指名したことだった。
東北楽天イーグルスなど他球団はその動きに追随しなかった。
日本ハムは幾度か球団として地ならしを行ったうえで、栗山英樹監督が本人と両親に会った。
その直後、「翻意させるために来たわけでなく、大谷君の夢をどうやったら手伝えるかを説明した」と記者団に語った。
見事な殺し文句である。
そのうえで、日本のファンに応援してもらってから大リーグに挑戦するのも選択肢の一つだと訴えた。
私は営業の教育指導に携わっているが、説得をやめ、納得を引き出せと述べている。
また、いかなるセールストークも顧客のために発せよ、と・・・。
栗山英樹監督はこのセオリーが分かっているのだろう。
また、「選手は家族」が持論であり、交渉の場で「翔平」とファーストネームで呼んだ。
親しみを込め、二人の距離を縮める。
白鴎大学経営学部教授だったこともあり、頭とセンスが抜群にいい。
ドラフト1位指名の高校生が直接米球界に飛び込んだ例はない。
そうなると数年のマイナー暮らしが避けられない見通し。
プロ野球の2軍と比較できないくらい過酷で熾烈な下積みが待ち受ける。
ならば、卒業後すぐに1軍で実績を残し、マイナーを飛ばしてメジャーの舞台に立つほうが確実である。
そして、その道を選ぶなら、ダルビッシュ有を送り込んだ日本ハムがもっとも適する。
球団としても「メジャー登竜門」というイメージが定着すれば、今後のドラフトで優位に立てる。
「何度も来ると迷惑をかけてしまう」。
栗山英樹監督は自らが交渉に出向くのは最初で最後と語った。
周到に考えられた作戦とシナリオに、難攻不落と思われた大谷翔平の気持ちが大きく揺れている。
彼が米国で活躍の場をつかめなかったとして、現行ルールでは3年間プロ野球と契約できない。
最悪の場合、そのまま野球人生を終える。
父親は本人の意思を尊重するとしながらも、卒業即メジャー挑戦に否定的だった。
栗山英樹監督との面談後、「一野球選手のために進路を一緒になって親身に考えてくれた」と感激した。
これで外堀は埋まった・・・。
大谷翔平は夢を押し通してパイオニアとなるのか。
それとも翻意するのか。
早ければ12月上旬に結論を出す。
Copyright (c)2012 by Sou Wada
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日本球界を背負う逸材とされてきた。
何と勇敢かと・・・。
同時に、あまりに無謀でないかと・・・。
メジャーの何球団かは大谷翔平が十分に通用すると踏んでおり、獲得に熱心だ。
私は素人なので、彼がどのくらいの期間でメジャーに上がれるかは分からない。
大学生がいきなり挑戦するのも至難だと思うが、高校生はリスクがすごい。
取り返しのつかない決断になる可能性がある。
私がもっと驚いたのは、その大谷翔平を北海道日本ハムファイターズがドラフト1位で強硬指名したことだった。
東北楽天イーグルスなど他球団はその動きに追随しなかった。
日本ハムは幾度か球団として地ならしを行ったうえで、栗山英樹監督が本人と両親に会った。
その直後、「翻意させるために来たわけでなく、大谷君の夢をどうやったら手伝えるかを説明した」と記者団に語った。
見事な殺し文句である。
そのうえで、日本のファンに応援してもらってから大リーグに挑戦するのも選択肢の一つだと訴えた。
私は営業の教育指導に携わっているが、説得をやめ、納得を引き出せと述べている。
また、いかなるセールストークも顧客のために発せよ、と・・・。
栗山英樹監督はこのセオリーが分かっているのだろう。
また、「選手は家族」が持論であり、交渉の場で「翔平」とファーストネームで呼んだ。
親しみを込め、二人の距離を縮める。
白鴎大学経営学部教授だったこともあり、頭とセンスが抜群にいい。
ドラフト1位指名の高校生が直接米球界に飛び込んだ例はない。
そうなると数年のマイナー暮らしが避けられない見通し。
プロ野球の2軍と比較できないくらい過酷で熾烈な下積みが待ち受ける。
ならば、卒業後すぐに1軍で実績を残し、マイナーを飛ばしてメジャーの舞台に立つほうが確実である。
そして、その道を選ぶなら、ダルビッシュ有を送り込んだ日本ハムがもっとも適する。
球団としても「メジャー登竜門」というイメージが定着すれば、今後のドラフトで優位に立てる。
「何度も来ると迷惑をかけてしまう」。
栗山英樹監督は自らが交渉に出向くのは最初で最後と語った。
周到に考えられた作戦とシナリオに、難攻不落と思われた大谷翔平の気持ちが大きく揺れている。
彼が米国で活躍の場をつかめなかったとして、現行ルールでは3年間プロ野球と契約できない。
最悪の場合、そのまま野球人生を終える。
父親は本人の意思を尊重するとしながらも、卒業即メジャー挑戦に否定的だった。
栗山英樹監督との面談後、「一野球選手のために進路を一緒になって親身に考えてくれた」と感激した。
これで外堀は埋まった・・・。
大谷翔平は夢を押し通してパイオニアとなるのか。
それとも翻意するのか。
早ければ12月上旬に結論を出す。
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