全日本フィギュア2012。
羽生結弦はショートプログラム(SP)で首位に立ち、追われる立場でフリーを迎えた。
極度の緊張からか表情が硬かった。
最初の2つのジャンプがきれいに決まらなかった。
これまでなら気持ちが折れたかもしれない。
終盤はスタミナ切れのせいか動きが鈍り、スピード感を失った。
それでも何とか乗り切り、全体をまとめた。

羽生結弦は演技を終え、厳しい表情で天を仰いだ。
しかし、逃げ切りで初優勝を飾った。
4回転ジャンプを2本そろえたSPでの貯金が効いた。
15大会ぶりに高校生の全日本王者が生まれた。

全日本フィギュアのメダルは格別に重い。
高橋大輔など先輩の背中を追いかけつづけ、昨年は銅メダルに届いた。
それが今年は先輩に追いついて金メダルを獲った。
何よりも重圧に打ち克ったことは今後の競技人生で大きな自信になる。
羽生結弦は高橋大輔が会心の演技で観客を総立ちにさせ、素晴らしい高得点を叩き出したことは知らなかったらしいが・・・。

羽生結弦は春からカナダ・トロントに練習拠点を移し、2010年バンクーバーオリンピック金メダルの金妍児(キム・ヨナ)を育てたブライアン・オーサーに師事した。
そして、早くも今シーズン前半に目覚ましい成果を上げた。
グランプリ(GP)のSPで2戦連続世界歴代最高得点を出した。
故郷・宮城県で行われたNHK杯で優勝、2014年ソチオリンピックの本番リンクで行われたグランプリファイナル2012で銀メダル。
この成長を全日本フィギュア2012の初制覇につなげた。
また、非公認ながら、世界フィギュア2011でカナダのパトリック・チャンが出した世界歴代最高得点を超えた。

羽生結弦はグランプリファイナル2012のエキシビションを体調不良で欠場した。
医師からストレスが原因と指摘された。
注目が集まり、期待が高まるばかりだ。
しかし、羽生結弦にはプレッシャーをエネルギーに変えられる強さがある。

私は、カナダ・ロンドン(オンタリオ州)で行われる世界フィギュア2013(フィギュア世界選手権2013)が楽しみだ。
羽生結弦は初出場の世界フィギュア2012でSP7位から銅メダルを獲った。
ブライアン・オーサーは「世界王者や五輪王者の資格がある」と語った。
私はいまの勢いを保てるなら、世界歴代最高得点で表彰台の頂点に立つのでないかと思っている。

羽生結弦はパトリック・チャン、高橋大輔と並び、ソチオリンピック金メダルの最有力候補の一角だろう。
実を言うと、今シーズンは不調を極める小塚崇彦もそこに入ると考えている。
日本の3選手に表彰台を独占してもらいたい・・・。

                      ◇◆◇

羽生結弦に関するブログは以下のとおり。

⇒2012年12月22日「羽生結弦は華がある…全日本フィギュア初優勝へ」はこちら。

⇒2012年11月24日「羽生結弦優勝、SPとフリーで最高点…NHK杯」はこちら。

⇒2012年10月27日「羽生結弦、ソチ五輪への可能性…世界歴代最高点」はこちら。

⇒2012年4月1日「羽生結弦と村上佳菜子の表現力と躍動感…類まれな才能」はこちら。

⇒2011年12月25日「羽生結弦、気迫の表情、渾身の演技…全日本フリー最高得点!」はこちら。

⇒2011年12月23日「羽生結弦は強気…高橋大輔と小塚崇彦を制し全日本初優勝へ」はこちら。

⇒2011年12月13日「羽生結弦トップ3波乱…全日本フィギュア選手権表彰台へ」はこちら。

⇒2011年11月27日「羽生結弦、小塚崇彦先輩を置いていく…GPファイナル2011」はこちら。

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