「四大陸フィギュア選手権2013」。
女子シングルで表彰台の一番高いところに当然のように立ったのが浅田真央だった。
2位の鈴木明子に大差をつける圧勝劇だった。
今季5戦5勝。

試合後、「2010年バンクーバー冬季五輪(オリンピック)」より質は上がっていると力強く語った。
演技全体を指すが、とくに意識しているのは代名詞「トリプルアクセル」だろう。
これまでは得点と順位を落とし、自信を失わせる元凶になっており、佐藤信夫コーチがなだめて封印させていた。

⇒2011年11月28日「浅田真央、トリプルアクセルは代名詞から疫病神へ・・・」はこちら。

それと、「3回転フリップ−3回転ループ」。
浅田真央はフリーに2種類の大技を組み込んだが、どちらも回転不足の判定を受けた・・・。

しかし、トリプルアクセルのほうはSPで鮮やかに決めた。
浅田真央はスピーディな流れのなかで跳んだ。
言い換えれば、それほど構えずに跳んだ。
だから、1.57点の加点がついた。

浅田真央はトリプルアクセルなど難しいジャンプがうまくいかなくなった理由として「悪い癖」を口にしてきた。
備えようとの意識が強くてタメをつくりすぎるとともに、前傾が深くなる。
それ以前に、滑りに勢いがなく、体の上下動を大きくせざるをえない。
少女から女性へ変化するなか、かつてのようにくるくる回ることができなくなり、その焦りからジャンプが狂い、壊れはじめたのか・・・。

⇒2010年12月16日「浅田真央は貯金を使い果たした」はこちら。

SPでのトリプルアクセルの成功は、佐藤信夫のもとでジャンプを含めたスケーティングの基礎を見直し、強化に努めた2年半の歳月がベースとなった。
さらに、トリプルアクセルを長く封印したことが幸いした。
悪い癖が次第に消えていったのだ。

⇒2011年12月2日「佐藤信夫、はれものに触る…浅田真央に遠慮と我慢」はこちら。

浅田真央は得意のダブルアクセルと同じ入り方とタイミングで力まずに跳べるようになりつつある。
あとはプラス1回、回る切ること!

⇒2011年11月26日「浅田真央、見事なダブルアクセル…GPファイナル2011」はこちら。


佐藤信夫は浅田真央が大技に挑むチャンスが訪れることを、本人に負けない我慢強さで待ちつづけた。
作戦勝ち!
この間、二人で課題を一つずつ着実にクリアしていった。

⇒2011年6月20日「浅田真央、看板を引っ込める勇気…トリプルアクセル」はこちら。

来月の世界選手権、そして来年の「ソチ冬季五輪(オリンピック)」における難敵はだれか?
新星が現れるかもしれないが、韓国のキム・ヨナ(金妍児)はその一人になるはずだ。

浅田真央が宿命のライバルを倒すには大技の精度を高め、さらに加点をもらわなくてならない。

その世界選手権はソチオリンピックの日本代表枠が決まる大会でもある。
男女各3人の出場選手には自分の出来に加え、絶対に3枠を取らなければという重圧もかかる。

「世界フィギュア選手権2013」の日程・概要は以下のとおり。

◆出場選手(シングル)
◇男子:高橋大輔、羽生結弦、無良崇人
◇女子:浅田真央、鈴木明子、村上佳菜子

◆開催地・会場
カナダ・オンタリオ州ロンドン「バドワイザー・ガーデンズ」

◆日程・時間(予定。日本時間はカッコ内)
◇3月13日(水) 15:45(翌5:45)
男子SP(ショートプログラム)
◇3月14日(木) 10:30(翌0:30)
女子SP
◇3月15日(金) 17:45(翌7:45)
男子FS(フリースケーティング)
◇3月16日(土) 19:00(翌9:00)
女子FS
◇3月17日(日) 14:00(翌4:00)
エキシビション

四大陸選手権では日本の女子が表彰台を独占した。
世界選手権でその再現を願うのは私だけでないだろう。
私はもちろん男子にもおおいに期待を寄せている。

女子は浅田真央、男子は羽生結弦が優勝すると考えている。
四大陸選手権で惨敗を喫した高橋大輔が巻き返す?
キム・ヨナは万全の調子に遠いと見るが、どうか。

以下に、「浅田真央は恐ろしいことを言う…世界選手権2013」と題する2013年2月13日のブログをそのまま収める。

                      ◇◆◇

私は先週、企業での教育(研修)と指導(コンサル)、公開の講演が続いた。
当然、昼間は立ちっ放し・しゃべりっ放しになる。
加えて、夜間はクライアントの納品仕事に追われる。
平均睡眠時間が3時間を大きく割り込んだ。
画期的な寝不足だった。
先の長い若い世代はこうした無茶をすべきでない。
命を失う。

とくに木曜夜は1時間半、金曜夜は0時間。
土曜日の研修ではふらふらし、ユンケルを開始前に1本、途中で1本飲み、何とか乗り切った。
会場の「堂島アバンザ」は室温が高く、換気もあまりよくなかった。
体力が低下していた私は酸欠になりそうだった。
しかし、3連休を利用して研修を実施する企業に、営業再建や生き残りにかける決意と本気を感じ、おおいに燃えた。
声がガラガラだったので、受講者はさぞかし聞き取りにくかっただろう。

私は、トップが変わらずに営業が変わった事例を一度も見ていない。
そこで、教育指導を引き受ける条件として、上層部(経営層)の立ち会いを義務づけている。
企業規模を問わず、社長や取締役が立ち会ってくれた。
心より感謝したい。

私はこの間、東京駅近くの「ホテル龍名館東京」、大阪駅近くの「ウェスティンホテル大阪」、新大阪駅近くの「新大阪ワシントンホテルプラザ」に滞在した。
贅沢をしようと思ったわけでないが、大阪で行われた「四大陸フィギュア選手権2013」とぶつかったせいか、宿泊予約が取れなくて「ウェスティンホテル大阪」に世話になった。
しかも、ホテル側の事情で部屋が最上階になり、さらにグレードアップされた。
30階からの眺望は素晴らしかった。
大阪駅周辺は劇的に変化しつつある。
部屋もよく、貧乏性の私は落ち着かなかった。

出張中のご馳走で腹回りは脂肪がつき、極度の疲労と睡眠不足で顔はほおがこけた。
とてもアンバランス・・・。
いまは思い切った食事制限に入っている。

というわけで、私が四大陸選手権を楽しめたのは女子のフリーに限られた。
ほかはスポーツニュース。

浅田真央は今シーズン5戦5勝。
私は、表彰台で日の丸を見詰めて「君が代」を歌う様子がとても印象的だった。
これまでの4勝はまったく納得しておらず、表情がきわめて硬かった。
四大陸選手権でも自分の出来に満足していない。
が、内面の充実がはっきりと伝わってきた。
同時に、挫折と失意の連続だった2シーズンをようやく乗り越えられたという安堵も感じられた。
生々しい苦悩の記憶がやさしくてあたたかい回想へ、少しずつ変わっていったのでないか。
真剣な眼差しに万感の思いが込められていた。

私は浅田真央の表情に心を揺さぶられ、涙を堪えるのが大変だった(ちょびっと泣いた)。

⇒2013年2月10日「浅田真央、万感の思い・・・表彰台の表情に感動」はこちら。

しかし、フリーではプログラムに組み込んだ「トリプルアクセル」「3回転フリップ−3回転ループ」がいずれも回転不足の判定を受けた。
高難度ジャンプは成功率が低く、強豪が揃う「世界フィギュア選手権2013」で勝利を収めるのは難しい。

浅田真央にとって最大の収穫は、大技に挑める状態に戻りつつあるとの手応えをつかめたことだろう。
スケーティングの矯正中は「攻めの姿勢」が失敗を広げて自信を失わせる悪循環に陥っていた。

⇒2011年11月25日「浅田真央、跳びたいから跳ぶのは幼い…GPシリーズ2011」はこちら。

ただし、浅田真央は「2010年バンクーバー冬季五輪(オリンピック)」より演技の質が上がっていると語った。
おそらく本人の感じ方がもっとも正しい。
試合後に失敗を振り返り、「まだ伸びしろがたくさんある」と前向きに捉えた。
浅田真央は元気な顔で、リスクを承知のうえで世界選手権でも跳びたいと語った。
勢いが余り、フリーでトリプルアクセルを2つなどと恐ろしいことを言う。
いくらか余裕が出てきた証拠である。

⇒2013年2月10日「浅田真央、3回転−3回転で金妍児に勝つ…世界フィギュア」はこちら。

佐藤信夫コーチの指導を受けながら粘り強く積み重ねてきた練習が今シーズン、成果として表れはじめた。
何せ全勝!
「2014年ソチ冬季五輪(オリンピック)」まで残り1年を切った時点で、完全復活への展望を持てるようになった。
苦難の道は長かった・・・。

以下に、「浅田真央、万感の思い・・・表彰台の表情に感動」と題する2013年2月10日のブログをそのまま収める。

                      ◇◆◇

「四大陸フィギュア選手権2013」。
女子シングルはFSが終わり、日本勢がSPの順位のまま表彰台を独占した。
おめでとう!!!(3人分)

浅田真央は圧倒的な演技で3度目の優勝を飾った。
冒頭にトリプルループを難なく決めた。
続くトリプルアクセルは回転不足、両足着氷になった。
注目の2連続3回転ジャンプ(フリップ−ループ)は何とかこらえたが、ループが回転不足になった。
途中、ジャンプが抜けるなどした。
スピンはよし。
得意のステップでは観客を総立ちにさせた。

浅田真央は、2010年バンクーバー冬季五輪(オリンピック)で記録した自己ベスト205.50点にわずか0.05点及ばなかった。
とはいえ、それ以来、自身初の2百点超えを果たした。
むろん、今季世界最高。

⇒2013年2月7日「浅田真央、トリプルアクセル解禁か…四大陸フィギュア」はこちら。

浅田真央は今シーズン5戦全勝である。
しかし、これまでの4勝は大技を封印した“安全運転”により手にした。
同じ1勝でも価値というか重みがまったく違う。
キム・ヨナが出場する「世界フィギュア選手権2013」が迫り、スイッチが入った。

浅田真央は難度を上げたプログラムを少ないミスで滑り切った。
体力も持った。
無理に痩せようとしないほうがよい。
昨シーズンよりふっくらとして女性らしい。
美しさにさらに磨きがかかった。

ただし、得点を戻したにすぎないということは本人が分かっている。
世界フィギュアへ向け、トリプルアクセルと3回転−3回転ジャンプの確実性を高めていくだろう。

⇒2013年2月10日「浅田真央、3回転−3回転で金妍児に勝つ…世界フィギュア」はこちら。

表彰台の頂点に立つ浅田真央・・・。
日の丸を仰ぎ、「君が代」を歌う。
その表情には万感の思いがこもっており、私は胸が熱くなった。
やはり彼女が勝たないと盛り上がらない。

                       ◇

鈴木明子は2位だった。
冒頭にトリプルフリップからの3連続ジャンプを決めた。
ダブルアクセルがシングルになった。
ほかは大きなミスを犯さなかった。
滑り終え、ちょっと残念そうな表情を浮かべた。
が、190.08点は自己ベスト。
観客は大きな声援で称えた。
復調の手応えをつかんだのでないか。

                       ◇

村上佳菜子は3位だった。
出だしのジャンプはよかったが、エッジエラーの判定を受けた。
トリプルフリップ、トリプルループ、トリプルサルコウからの3連続ジャンプの最後、ダブルループなど、回転不足の判定を受けた(不確か)。
が、目立つミスを抑えた。
181.03点は自己ベスト。
失いかけた自信を取り戻したのでないか。

村上佳菜子はメドレーに乗り、多彩な表情で観客を魅了した。
私は、口紅の塗り方をもうちょっと考えてほしかった。
抑え気味のほうが彼女のよさが映えるように思う。
もっとも、部屋のテレビと大きな会場では見え方が違うのかもしれないが・・・。

日本開催だけに3選手の活躍は痛快だった。
世界フィギュアに大きな弾みをつけた。

                      ◇◆◇

浅田真央に関するブログは以下のとおり。

⇒2013年2月13日「浅田真央は恐ろしいことを言う…世界選手権2013」はこちら。

⇒2013年2月10日「浅田真央、万感の思い・・・表彰台の表情に感動」はこちら。

⇒2013年2月10日「浅田真央、3回転−3回転で金妍児に勝つ…世界フィギュア」はこちら。

⇒2013年2月7日「浅田真央、トリプルアクセル解禁か…四大陸フィギュア」はこちら。

⇒2013年1月2日「浅田真央、金妍児を倒し、悲願の五輪金メダルへ」はこちら。

⇒2012年12月24日「浅田真央、金妍児、ソチ金メダルへのシナリオ」はこちら。

⇒2012年12月16日「浅田真央とキム・ヨナの戦い…全日本フィギュア2012」はこちら。

⇒2012年12月15日「浅田真央、全日本フィギュア⇒世界フィギュア」はこちら。

⇒2012年12月1日「浅田真央、GPファイナル2012制覇へ…ソチ五輪会場」はこちら。

⇒2012年11月25日「浅田真央、天性の清楚さ」はこちら。

⇒2012年11月23日「浅田真央、ソチGPファイナル進出…NHK杯」はこちら。

⇒2012年11月9日「浅田真央は年頃の女性、和田創は還暦の男性」はこちら。

⇒2012年7月4日「キム・ヨナ、ソチ五輪で浅田真央と再び激突!」はこちら。

⇒2012年6月23日「浅田真央と弥勒菩薩、清楚な慈愛…心の平安への祈り」はこちら。

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⇒2011年12月1日「グランプリファイナル2011…鈴木明子と浅田真央が出場」はこちら。

⇒2011年11月28日「浅田真央、トリプルアクセルは代名詞から疫病神へ・・・」はこちら。

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⇒2011年11月26日「浅田真央、心のなかで『たかちゃん、ごめんね』」はこちら。

⇒2011年11月25日「浅田真央、跳びたいから跳ぶのは幼い…GPシリーズ2011」はこちら。

⇒2011年11月23日「浅田真央、GPファイナル2011進出の条件…ロシア大会」はこちら。

⇒2011年11月20日「浅田真央に負けるわけにいかない小塚崇彦…全日本選手権2011」はこちら。

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