フィギュアスケートのソチオリンピック最終予選を兼ねた「ネーベルホルン杯」がオーベルストドルフで行われている。
2011年4月に世界フィギュア選手権で優勝した後に休養していた安藤美姫(あんどう・みき)が3季ぶりに公式戦(SP&FS)に復帰した。
今年4月に女児を出産していた。

⇒2013年7月7日「安藤美姫、出産・子育て・未婚でソチ表彰台へ」はこちら。

安藤美姫は、今季のSP(ショートプログラム)の曲を、自身の心情にしっくりする「マイウェイ」にした。
これは開き直りでなく決意だろう。
安藤美姫は、3回転ルッツ−2回転ループ、3回転ループ、ダブルアクセル(2回転半)の3種類のジャンプをすべて着氷し、 59.79点をマークした。
内訳は、技術点 30.13点、演技構成点 29.66点。
最初の連続ジャンプのうち、2回転ループで回転不足を取られた模様。

⇒2013年7月12日「安藤美姫演技…優しく豊かな情感で包み込む」はこちら。

安藤美姫は、衣装を着てメークをしてリンクに立つと、これまでにない緊張を覚えたらしい。
しかし、大きなミスを犯すこともなく演技を終え、ほっとした表情で観客に手を振った。
本人としては現時点で納得のいく出来だったのだろう。
結局、SPは35人が出場し、安藤美姫は2位につけた。

⇒2013年7月21日「安藤美姫、人はつまずくために人生を歩む」はこちら。

技術点は、国際スケート連盟が定める五輪出場資格のSP最低点20点を上回り、 30.13点だった。
FS(フリースケーティング)で36点を上回れば、第一関門をクリアすることになる。

⇒2013年8月18日「華原朋美と安藤美姫…行方不明の噂」はこちら。

実績十分の安藤美姫は休養前、とくに出産前の体力と調子をどこまで取り戻しているかに注目が集まっていた。
出産は大仕事なので、直後のアスリートにマイナスの影響を及ぼすのは間違いない。
とくに全身の重さ、滑りと動きを支える骨盤の緩みは厄介だ。
また、フィギュアスケートはきわめてデリケートな競技なので、ちょっとした体形の変化を克服するのも容易でない。

安藤美姫は、やはり滑りと動きにスピードがなく、持ち前のキレ味を欠いた。
全般に演技がもっさりとした印象で、時間の短いSPでもスタミナが厳しい。

とはいえ、母となって精神面が安定し、自分と向かい合う気持ちと演技への意欲が強くなったように思う。

⇒2013年7月21日「安藤美姫、人はつまずくために人生を歩む」はこちら。

安藤美姫は冬季五輪3大会連続出場を目指す。
日本は男女ともに最多の3枠を確保している。
時間が長く疲労が大きいFSの最低技術点をクリアし、ソチオリンピックへ前進してほしい。
曲は、2004年シーズンと同じ「火の鳥」。
準備と練習の期間を考えれば賢明だ。
骨盤、頑張れ!

◆書き加え1(9月28日)

安藤美姫は約4分のFSを滑りきった。
冒頭の連続ジャンプが単発になり、中盤の3回転サルコーが2回転になったが、そつなく演技をまとめた。
4位となる103.07点をマークし、合計162.86点で2位を保った。
彼女の自己ベストからは40点ほど低いが(不確か)、出産直後の復帰戦としては立派の一言!
ソチ五輪出場資格のFSの最低技術点もクリアした。

自身は絶対に体力が持たないと考えていた。
ドイツに連れてきた愛娘(まなむすめ)への愛をエネルギーに変え、気力で乗り切ってしまった。
母は強し!

安藤美姫は長年、世界のトップで戦ってきた。
勝つためにはどれくらいの水準に達しなければならないかをわきまえている。
その証拠に、2位にもかかわらず、「恥ずかしい演技」と語った。
本音である。
今後の調整に期待したい。

                      ◇◆◇

安藤美姫に関するブログは以下のとおり。

⇒2013年8月18日「華原朋美と安藤美姫…行方不明の噂」はこちら。

⇒2013年7月21日「安藤美姫、人はつまずくために人生を歩む」はこちら。

⇒2013年7月12日「安藤美姫演技…優しく豊かな情感で包み込む」はこちら。

⇒2013年7月7日「安藤美姫、出産・子育て・未婚でソチ表彰台へ」はこちら。

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