フィギュアスケートグランプリシリーズ(GPシリーズ)第4戦「NHK杯」。
織田信成がこの大会に5年ぶりに出場した。
正直に言うと、あまり期待していなかった私は、素晴らしい出来に驚いた。
残念ながら得点は予想ほど高くなかったが、とてもよかったと思う。

織田信成は、第2戦「スケートカナダ」で4回転ジャンプなどにミスが出て、スピンでもステップでも点数を稼げなかった。
表現力などの構成点も伸ばせなかった。
SP2位から合計3位へ、順位を落とした。

そして、巻き返しを誓って臨んだNHK杯。
ショートプログラム(SP)の曲は、映画「コットンクラブ」より。
冒頭の4回転−3回転の連続ジャンプが決まった。
トリプルアクセル、3回転も決まった。
体が動き、いい笑顔で滑り終えた。
私は織田信成を見直した。
が、ジャンプが完全と判定されなかった。
SPは3位で、得点は82.70点。

フリースケーティング(FS)の曲は、「ウィリアム・テル序曲」。
冒頭の4回転−3回転の連続ジャンプが3回転−1回転に抜けた。
が、次の4回転は見事に決まり、でき映え点が加算された。
スケートカナダでは、2本とも3回転に終わった。
そして、前半のミスを後半に冷静に挽回した。
全体を通じて大きなミスを犯さず、技術点は高橋大輔を上回った。

織田信成は音楽の速度が増すにつれ、会場の手拍子に誘われるように軽やかに動き、笑顔を振りまいた。
私は躍動感あふれる演技に感心した。
フリーは2位で、高橋大輔に 2.30点差の170.46点。
合計は2位で、253.16点。
織田信成は実力の片鱗を示した。
3年ぶりのGPファイナル進出に望みをつないだ。

⇒2011年4月28日「織田信成のリベンジ…世界フィギュア表彰台」はこちら。

フリーの「ウィリアム・テル序曲」は、子どもを守る強さを表そうと選んだ。
織田信成は、妻と二人の子どもを愛するよき夫・父であり、家族の応援を受けて戦っている。
NHK杯の終了後に電話を入れ、妻の褒め言葉が聞けたようだ。

自分のために頑張れる人は、仕事でも人生でもそれなりの成果を上げ、結果を残している。
根が怠け者の私は、自分のために頑張ることができなかった。
言い訳がましいが、自分以外のだれかのために頑張れることは素晴らしいと思う。
私の場合はそれが家族だった。
織田信成は、自分は当然として、家族のために頑張っているのでなかろうか。

⇒2013年10月16日「織田信成はソチ五輪出場枠に入れる?」はこちら。

織田信成はそそっかしいし、一喜一憂しすぎる。
私は危なっかしい選手という印象を持っている。
彼が本番で落ち着いて滑ることができるなら、かなりの高得点を残せる。
今シーズンかぎりの現役引退を表明しており、2014年ソチ冬季五輪(オリンピック)への出場をどうしても果たしたいはずだ。

織田信成はジャンプが美しい。
高さがあり、なおかつ自然に流れる。
体がちょっと沈むようにやわらかく着氷し、そのまま滑走していく。
一連の動きがとても軽やかだ。

織田信成は4回転ジャンプを決めたうえで、スピンとステップをレベルアップできれば、五輪代表争いに割り込んでくるだろう。
関門となる年末の全日本フィギュア選手権2013で頑張ってほしい。

                      ◇◆◇

織田信成に関するブログは以下のとおり。

⇒2013年10月16日「織田信成はソチ五輪出場枠に入れる?」はこちら。

⇒2011年4月28日「織田信成のリベンジ…世界フィギュア表彰台」はこちら。

⇒2010年12月11日「村上佳菜子は僅差3位、織田信成は後退2位」はこちら。

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