浅田真央が日本を出発する前、私には驚きの決断を下していた。
ソチオリンピックでトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)で各1回に留める。

フリーで2回跳ぼうとすると精神的にも体力的にも負担が重くなり、他のジャンプはもとより演技全体に乱れが生じやすいのかもしれない。
また、フリーで2回とも失敗したときのダメージをカバーできない。

浅田真央が自らの集大成と位置づける大舞台で目指すのは、「最高の演技」ということは分からないわけでない。
長く支えてくれたファンに納得してもらうのが一番だろう。
トリプルアクセルは、プログラムを構成する、そして得点を構成する重大要素の一つにすぎない。
私もそう考えている。

しかし、トリプルアクセルは浅田真央の代名詞であり、フィギュアスケーターとしての競技人生でこだわりつづけてきた大技である。
彼女のモチベーションそのものだった。
連覇狙いの韓国のキム・ヨナ(金妍児)、地元の新星のユリア・リプニツカヤに勝利するための戦略という見方も、私には腑に落ちない。
彼女の性格からして、跳べる状態ならかならず跳ぶと思う。

浅田真央がトリプルアクセルに合計3回成功したのは、2010年のバンクーバーオリンピックが最後である。
本人が当時より調子がいいと語っているにもかかわらず、今シーズンは一度も決めていない。
そうした状況を踏まえ、大舞台で2回に留める。
これを大人の判断と呼んでいいのだろうか。
浅田真央は、ソチオリンピックまでに調子を上げられず、弱気になっているのかもしれない。

実際には、全種類の3回転ジャンプと2連続3回転ジャンプを入れるほうが基礎点は高くなるらしい。
浅田真央は、ジャンプ以外の要素で技術点を稼げる。
また、ブラッシュアップした表現力などの演技構成点を稼げる。
ソチオリンピックでは、これらの得点を着実に積み上げるという、バランス重視のプログラムで金メダルを狙う。

とはいえ、私は浅田真央が個人戦へ向けてコンディションをどこまで整えられるかに気をもんでいる。

                ◇◆◇

浅田真央に関するブログは以下のとおり。

⇒2014年2月9日「浅田真央、もっともっとよくなる…現役続行」こちら。

⇒2014年2月7日「浅田真央はキム・ヨナの敵でない」こちら。

⇒2014年2月5日「浅田真央か羽生結弦か…ソチ金メダル予想」こちら。

⇒2014年2月1日「浅田真央への厳しい予想…ソチ女子フィギュア」はこちら。

⇒2014年1月21日「浅田真央の得点…ソチフィギュア女子シングル」はこちら。

⇒2014年1月14日「浅田真央に絶対に負けない…和田創」はこちら。

⇒2014年1月6日「浅田真央とキム・ヨナの一騎打ち…ソチ五輪」はこちら。

⇒2013年12月26日「浅田真央、エキシビションの美しさ…全日本選手権」はこちら。

⇒2013年12月21日「浅田真央はゆうゆう1位、関心は合計得点!」はこちら。

⇒2013年12月16日「浅田真央や高橋大輔の頑張り…ソチ代表入り」はこちら。

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