ソチオリンピック、フィギュアスケート個人戦の女子シングルが行われようとしている。
大会前に、そして団体戦で、金メダル候補に急浮上したのがロシアの新星、ユリア・リプニツカヤである。
得点源の高難度ジャンプが安定している。

リプニツカヤは今シーズン、GPファイナルで銀メダルを獲った。
ヨーロッパ選手権で史上最年少の金メダルに輝いた。
合計点は 200点を超えた。
先日のフィギュアスケート団体戦では、女子ショートプログラム(SP)でほぼノーミスの演技を見せた。
地元の熱烈な応援はプレッシャーになることもあるが、それを見事にはねのけた。
精彩を欠いた浅田真央はもとより、イタリアのカロリーナ・コストナーを抑えての1位は立派である。
世界トップクラスの二人を上回り、大きな自信をつけた。
個人戦へ、さらに勢いを増しそうだ。

リプニツカヤは、体の柔軟性が高い。
ウィキペディアによれば、2歳頃から行っていたストレッチによる。
柔軟性を生かした高速のビールマンスピンは美しい。
本人は「キャンドルスピン」と名づけている。

リプニツカヤは、1998年6月5日生まれの15歳である。
4歳からスケートを始め、スケートのために10歳でモスクワに引っ越した。
顔もプロポーションもすらりとして美しい。
ちなみに、身長は 158cmである。
妖精のような雰囲気をまとっており、人気が出るのがうなずける。

リプニツカヤは、1〜2年後に女性に特有の体の変化が表れるのかもしれない。
もしそうなら、最高のタイミングでオリンピックに出場する。
五輪で金メダルを獲れるかどうかは、その時点での実力にかかる。
そして、それは選手の競技人生の波と関わる。
とくに女子シングルに関しては、運・不運は大きな要素の一つだろう。

私は、リプニツカヤの演技を見て、わずか87日足りずに2006年トリノオリンピックの出場資格を得られなかった浅田真央を思い浮かべた。
ISUが定めた「五輪前年の6月30日までに15歳」という年齢制限をクリアしていなかった。
浅田真央には酷だった。
このときに出ていればという気持ちが、私は再びわいてきた。

リプニツカヤは勝ち運に乗りはじめたともいえ、非常に手ごわい。

浅田真央は代名詞のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を試合で決められず、苦しんでいる。
自信を失ったかのような表情を見せたり、言葉を漏らしたりしている。

キム・ヨナ(金妍児)は今シーズンも高得点を出し、世界では絶対的な本命と目されている。
が、長期休養で大舞台から遠ざかっており、緊張がピークに達するオリンピックでどこまで滑れるかは未知数な部分もある。

こうした事情や背景から、リプニツカヤが個人戦女子シングル金メダルの最有力候補になったとの声も聞こえる。
韓国メディアもキム・ヨナの最大のライバルと考えはじめた。
現地では、二人の対決に関心が集まる。

浅田真央は、マスコミに執拗に追いかけられることがなくなるわけで、自身の調整と演技に集中できそうだ。
ソチ金メダルへの追い風である。

◆書き加え1(2月10日)

ロシアの団体戦金メダルに貢献したリプニツカヤが個人戦でキム・ヨナと会うのが楽しみと語った。
初対決を待ち望んでおり、彼女に勝てるという自信の表れだろう。

リプニツカヤはモスクワに戻り、本番に備える。

各国ソチメダル獲得数ランキング(国別・地域別)

                ◇◆◇

浅田真央に関するブログは以下のとおり。

⇒2014年2月11日「浅田真央、気持ちを立て直せ…ソチ個人戦」こちら。

⇒2014年2月10日「浅田真央、個人戦への戦略と調子…ソチ」こちら。

⇒2014年2月9日「浅田真央、もっともっとよくなる…現役続行」こちら。

⇒2014年2月7日「浅田真央はキム・ヨナの敵でない」こちら。

⇒2014年2月5日「浅田真央か羽生結弦か…ソチ金メダル予想」こちら。

⇒2014年2月1日「浅田真央への厳しい予想…ソチ女子フィギュア」はこちら。

⇒2014年1月21日「浅田真央の得点…ソチフィギュア女子シングル」はこちら。

⇒2014年1月14日「浅田真央に絶対に負けない…和田創」はこちら。

⇒2014年1月6日「浅田真央とキム・ヨナの一騎打ち…ソチ五輪」はこちら。

⇒2013年12月26日「浅田真央、エキシビションの美しさ…全日本選手権」はこちら。

⇒2013年12月21日「浅田真央はゆうゆう1位、関心は合計得点!」はこちら。

⇒2013年12月16日「浅田真央や高橋大輔の頑張り…ソチ代表入り」はこちら。

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