私は先日、社長の熱意にほだされ、自動車メーカーの城下町の中小企業に研修で伺った。
狙いは、上司の態度力の養成である。

私は社長に研修の冒頭で「開講挨拶」を行うようにお願いしている。
が、30分に及ぶのは異例。
それくらい経営者の危機感が強いという証である。

管理者などの幹部を前に、「うちは2020年近くまで数年は何とかやっていけそうだ。しかし、その後は自信を持てない・・・」。
会社を変えたいとの本気が炸裂した。

さらに右手を高く挙げ、「うちがつぶれると思う人」と尋ねた。
あまりにストレートな質問に、たいていのことに驚かない私は驚いた。
だれも面と向かって手を挙げない。
そこで、社長は何人かを指名し、率直な胸の内を聞き出した。

自動車メーカーが海外での生産比率をどんどん高めている。
ならば一緒についていけばいいという単純な話でない。
まして同社はせいぜい孫請けである。
海外へ進出すれば、現地企業との熾烈な競争が待ち受ける。
展望は容易に開けない。

社長は近い将来に直面する厳しい経営環境を予測し、私を招いてくれたのだった。
どのような貢献ができるか、真剣に考えていきたい。
つきあってよかったと後年振り返っていただきたい。

社長は「私は会社をよくしたい。大きくしたい。社員を豊かにしたい。幸せにしたい」と力強く締め括った。

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