私自身が体の負担の軽い短時間の講演を志向し、なおかつ経営コンテンツを拡充してきたせいかもしれません。
景気の回復、それとも業績の低迷を受け、メーカーが特約店や代理店を対象に開催するセレモニーに組み込まれた講演の仕事が増えています。
これはロイヤリティ(忠誠心)の強化を通じた自社製品の取り扱いの促進・拡大がおもな狙いになります。
したがって、メーカーからの歓待や接待のニュアンスを持ちます。

滑稽(?)なことに、私に講師を依頼しておきながら躊躇する企業が珍しくありません。
「過激な内容は困ります・・・」。
和田創研のホームページでそうした印象を受けたのか、私・和田創のセミナーや講演の噂を聞いたのでしょうか。
電話の向こうの声がかなり心配そうです。

私は吹き出しそうになるのを堪えながら答えています。
「講師の経験は長いので、特約店や代理店はメーカーにとり大切なお客さまだということくらいは承知しています。まして社長の集まりですから、どうかご安心ください」。

ところが、それでも心配そうです。
「でも、厳しいことも言っていただきませんと・・・」。
いったい、どっちだ。
代理店や特約店の営業が顔出しレベルや御用聞きレベルに留まっていては自社製品が売れるはずがないと考えているのでしょう。

私は吹き出しそうになるのをこらえながら答えています。
「自分で言うのもなんですが講演は滅茶苦茶うまいです。きょうは役立つ、とてもいい話を聞けたなと思って、社長に帰っていただきます」。

電話の向こうからようやく安堵感が伝わってきます。
こうしたセレモニーは商品や販売方針の発表などを兼ねて新年や新年度に行われることが多く、そうなると講演を企画して講師を手配する側も相当な気苦労がおありなのでしょう。

私は社長向け講演では内容の有益性に加えて娯楽性が欠かせないと考えています。
平たく言えば、面白くてためになること。
エンターテイメントになっていなくては・・・。

過日の講演では、参加者から「劇場型講演」などという賛辞が含まれたメールを頂戴しました。
このときは鬼と仏のさじ加減(バランス)に留意しました。

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