「将棋の羽生善治(はぶ・よしはる)の心境が分かった・・・」。
大学入試センター試験で満点を取った子どもが語ったらしい(科目は不明)。
最後の一問で手がぶるぶると震えたそうだ。
そのとき、彼の脳裏に浮かんだのが羽生善治だった。

羽生善治は勝利を決定づける一手を指すときに手が震える。
自分の駒どころか、ときに対戦相手の駒まで飛ばす。
名人戦など、大勝負の最終戦などで著しい。

震えの主因は、これで勝ちという詰めを誤るわけにいかないとの緊張である。
加えて、勝ちへの恍惚だろう。

私は小中学校を別にし、おそらく満点を取ったことがない。
手が震える感覚は分からない。

さて、難関大学のなかには、センター試験の点数で二次試験(個別学力検査)の受験を断るところがある。
いわゆる足切りを行うのはおもに国立大学になる。
ボーダーライン(足切りの境目)の点数が固定していればまだしも変動するところもあり、厄介・・・。

そこで、生徒はセンター試験の終了後に学校へ出向き、先生と話し合う。
得点が振るわないとしたら、おもに第一志望を変更する。
せっかく出願しても、足切りの対象になっては二次試験を受けられないからだ。
浪人覚悟で第一志望にこだわる生徒を除き、1ランク落として受験のチャンスを確保することになる。
皆が勝負をかけている日に自宅でぼんやりしているのはみじめで落ち込む。

しかし、話し合いの焦点は自分がはたして全体(出願予定者)のなかでどの辺りに位置するかだろう。
微妙な点数だと河合塾や駿台予備校など大手予備校のデータ分析力に頼って最終的な判断を下すほかにない。
しかも、信頼度が高いはずの専門家が弾く足切り点や合格可能性がまま異なり、生徒はどれを目安にすべきか迷ってしまう。

いまどきの難関大学受験はほんとうに大事(おおごと)である。

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