リオデジャネイロ五輪、テニス男子シングルスの3位決定戦で錦織圭(にしこり・けい)がスペインのラファエル・ナダルを下し、銅メダルをつかみました。
熊谷一弥(くまがい・いちや)が1920年アントワープ五輪で銀メダル2個を獲っています。
それ以来、実に96年ぶりの快挙となりました。

錦織圭は好調で、第1セットは6−2で制しました。
第2セットは5−2でサービスゲームを迎えましたが、そこで決められず、流れが変わりました。
ナダルが踏み止まり、調子を取り戻しました。
そして、6−7で落としました。

私はこの時点で錦織圭の勝利をほぼ諦めました。
世界ランキングは錦織圭が7位、ナダルは5位です。
しかも、過去の対戦成績は1勝9敗であり、苦手としていました。
ナダルはリオ五輪の男子ダブルス、2008年北京五輪の男子シングルスで金メダルを獲っています。
大舞台での実績が十分の難敵です。

しかし、錦織圭は第3セット(ファイナルセット)は第4ゲームをブレイクし、その勢いを手放さずに6−3で制しました。
短い休憩でよくぞ立て直したと思います。

錦織圭は粘り強い戦いぶりが光りました。
とくに準々決勝では3本のマッチポイントを握られる崖っぷちから逆転し、自身初のベスト4(準決勝)進出を決めていました。

東京五輪で金メダルを期待したくなります。

◆書き加え(8月16日)

錦織圭のトイレットブレイク(トイレ休憩)が長かったことが物議を醸しています。
おもにナダルを応援するファンなどからです。
先に戻ったナダルがしびれを切らして審判にクレームをつけました。
調子が出てきた本人は明らかにいらついていました。
観客もかなり遅れて戻ってきた錦織圭にブーイングを浴びせました。

通常5分の休憩が今回12分に延びた理由はどうやら2つです。
第1に、係員に誘導されたトイレが遠かったこと。
第2に、着替えなどを行っていたこと。

トイレ休憩を境に、錦織圭は相手に傾いた流れをもう一度、自分に引き戻して勝利を収めたのは確かです。
しかし、それは悪意でもなければ、まして作戦でもなかったようです。

スペインなど海外でなされている「錦織圭はフェアでない」という批判はおそらく当たっていません。

ナダルは終了時の握手では憮然としているように見えましたが、試合後のインタビューでは錦織圭の出来をたたえています。
冷静になったのか、大人の対応でした。

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