私は劇団四季の「キャッツ」を2回楽しんだ。
このミュージカルは素晴らしい。

キャッツの最大の魅力は、人が猫を演じ切るところにある。

私は猫が大好きで、一番多いときにはアメリカンショートヘアを9匹飼っていた。
少なくなったいまでも2匹。
うち1匹、凶暴で甘えん坊の♂「くま」は私の書斎でわがまま放題に暮らす。
ブラックタビーで、しかも月の輪があるので、くまと見分けがつかない。
私と私の不在時に世話をする妻は容赦なく引っかかれたり噛まれたりして、傷だらけ血だらけになっている。
くまは素晴らしい。

キャッツの圧倒的な凄みは、出演する猫が猫より猫らしいことに尽きる。

しかも野良猫なので家猫より難しい。
とろいと簡単に命を落とす。
出演キャストはおそらく日々、命がけである。

キャッツでは、観客へのサービスとして、猫が会場の通路で演じる。
人間サイズだから、間近で見たら気持ちが悪くならないとおかしい。
しっかりと戸惑いや怖さを感じさせるところが素晴らしい。

くまは親しみを感じるので、正しい猫といえない。

私は、キャッツを人間の社会、もしくは自分の人生と重ね合わせて見ることを否定しない。
しかし、それは話が逆でないか。

そうでなく、猫にも社会があり、人生があるのだ。
私が飼っていた家猫でさえ、それぞれにかけがえのない命の営みと輝きがあった。

キャッツは、カネと時間にゆとりのある家庭なら、毎年の恒例行事にするくらいの価値がある。
(観覧回数が百回を超える人もいるらしい。)

初めてということなら、予備知識を仕込まない(与えない)ほうがいい。
都会のごみ捨て場で催される年1回のセレモニーに集まった老若男女の猫が踊りながら歌って自己紹介をしているという認識で十分である。
頭で分かろうとしなくても心が揺さぶられる。

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劇団四季ミュージカル「キャッツ」に関するブログは以下のとおり。

⇒2012年9月20日「劇団四季キャッツ、地元横浜の盛り上がりを欠く」はこちら。

⇒2012年9月18日「キャッツといえばメモリー、グリザベラの熱唱」はこちら。

⇒2012年9月14日「劇団四季ミュージカル『キャッツ』首都圏見納め」はこちら。

⇒2012年9月12日「『ジェリクルキャッツ』を選ぶ舞踏会に集まったネコたち」はこちら。

⇒2012年9月10日「キャッツ横浜公演、2012年11月11日千秋楽」はこちら。

⇒2011年9月19日「エレイン・ペイジが歌うキャッツ・メモリーの感動と感銘」はこちら。

⇒2010年11月4日「キャッツ・メモリーを歌う…佐渡寧子グリザベラ」はこちら。

⇒2010年11月2日「ミュージカル・キャッツ・キャスト・ヒップ」はこちら。

⇒2010年10月31日「たわいない…劇団四季『キャッツ』の感想」はこちら。

⇒2010年10月30日「何か変、キヤノン・キャッツ・シアターの感動」はこちら。

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