ノルディックスキーの女子ジャンプ。
ワールドカップ(W杯)第18戦が韓国・平昌で第17戦に引き続いて行われました。
高梨沙羅(たかなし・さら)が優勝を飾って今シーズン9勝目、通算53勝目を挙げました。
絶対女王も大きなプレッシャーに苦しみ、通算49勝目を挙げてから予想しない時間がかかりました。
これにより男子ジャンプのオーストリアのグレゴア・シュリーレンツァウアーの持つ歴代最多勝利記録に並びました。
素晴らしい! おめでとう!

今大会は、2018年平昌冬季五輪のテスト大会を兼ねていました。
高梨沙羅は1回目の2位から外国選手を逆転しました。
第17戦では伊藤有希が1回目に1位の高梨沙羅を逆転しました。
その代わりといっては何ですが、高梨沙羅は2シーズン連続4度目の個人総合優勝を決めています。

本人によれば、調子は悪かったそうです。
インタビューで語った最大の課題は「勝ちたい試合にピークもっていく」ことでした。
狙って勝てるようにならないと、五輪の表彰台で頂点に立つのは難しい。
自ら精神的な成長が必要と総括しました。

二人とも平昌五輪の本番会場でいい感覚をつかむことができました。
日本女子は2枚看板で臨めるのが心強い。
どちらかが金メダルを獲ってくれるでしょう。
とくに高梨沙羅は絶対的な本命とされた2014年ソチ冬季五輪で喫した惨敗の悔しさを晴らすつもりです。

間もなくフィンランドで世界選手権が開かれます。
これまで伊藤有希も高梨沙羅も銀メダルに留まり、日本女子は勝利を収めていません。
どうか頑張ってほしい。

◆書き加え(2月25日)

この記事はかなり前の書き溜めです。

私は高梨沙羅が世界選手権で念願の初優勝を果たすだろうと思っていました。
W杯通算53勝という偉業を成し遂げ、精神的に強くなっているという前提でした。
関係者やファンも優勝候補の筆頭と見ていました。
ところが、4度目となる世界選手権でも金メダルをつかめませんでした。

しかも、1回目で逆転が可能な2位につけながら2回目で3位に落ちました。
今シーズンで一番の目標としていた今大会で銅メダルに終わり、オリンピックの大舞台に不安を残しました。

オリンピックを前に伊藤有希が急成長を遂げています。
高梨沙羅はこのところ大事な試合で勝てないどころか、彼女の順位を上回れないようになりました。
試合後に「情けない」とこぼし、悔し涙を止められません。

高梨沙羅は「勝ちたい試合にピークを持っていくのが課題」と語っています。
それを克服しようと努めてきたはずですが、とりわけ緊張と重圧の高まる「一発勝負」で結果を残せません。

私は端的に「メンタルが課題」ととらえるほうが結果はよくなると思います。
平昌五輪までに1年弱が残されており、かならず強化を図れるはずです。
他の選手を圧倒する技術を備えていてもメンタルが揺らいでは生かせません。

大勢から愛される高梨沙羅が実力をいかんなく発揮できますよう・・・。

◆書き加え(2月25日)

高梨沙羅が試合後に「自分を見失った」と明かしています。
平常心で臨めれば勝てる選手ですから、当然といえる反省の弁です。

逆転優勝のかかった2本目で力みが出てバランスを崩したそうです。
「悔しいというより落胆。同じことを繰り返している自分が情けない」。

救いなのは、高梨沙羅が「内面の弱さ」を自覚し、しかも口にしていることです。
理想像と遠く、自らをコントロールしきれていません。
「根本的なところから変えないといけない」と誓いました。

意志が強く、頭のいい子なのでやってのけるでしょう。

◇◆◇

高梨沙羅に関するブログは以下のとおり。

⇒2017年1月21日「高梨沙羅、楽しく飛べない五輪本番」はこちら。

⇒2016年12月8日「高梨沙羅W杯勝利、通算最多53勝へ」はこちら。

⇒2016年10月22日「浅田真央と高梨沙羅の限界…五輪メンタル」はこちら。

⇒2016年9月28日「高梨沙羅、土性沙羅にあやかり五輪金メダル」はこちら。

⇒2014年2月12日「高梨沙羅、ソチ金メダルならず…ジャンプ女子」はこちら。

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