2018年平昌冬季五輪の出場枠がかかる世界フィギュアスケート選手権の女子シングル。
ショートプログラム(SP)が行われました。
日本勢は16歳の樋口新葉が9位、20歳の本郷理華が12位、17歳の三原舞依が15位。

上位2選手の順位合計が「13以内」なら最大3枠、「14〜28」なら2枠を獲得します。
ちなみに、世界選手権に出場する日本勢の今シーズンの自己ベストは三原舞依が5位、樋口新葉が9位、本郷理華が14位に当たります。
もともと苦戦が予想されましたが、SPが終わった時点で2006年トリノ冬季五輪から続く最大3枠の確保は絶望的になったように見えます。

エースの宮原知子が棄権を表明し、この時点で暗雲が垂れ込ました。

樋口新葉は重苦しさが漂いましたが、ほぼノーミスの演技を見せて自己ベストに近い得点を出しました。
ほっとした表情が印象的です。
四大陸フィギュアスケート選手権で転んだ3回転ルッツ―3回転トウループのコンビネーションジャンプを練習で繰り返していました。
その成果が表れました。
散々だった四大陸選手権からよくぞ1か月ほどで調子を取り戻しました。

三原舞依は好調を維持して現地に入り、練習でもジャンプを失敗しませんでした。
冒頭の3回転ルッツ―3回転トウループのコンビネーションジャンプはあっさりと決めました。
しかし、最後の3回転フリップが2回転になり、しかも転んでしまいました。
失敗したことのないジャンプで痛恨のミスを犯し、硬い表情で「気持ちの弱さ」と語りました。

プレッシャーは3選手に等しくかかるはずですが、今大会は四大陸選手権をパーフェクトの演技で制した三原舞依に集中しました。
本人は「あまり感じたことのない緊張があった」「6分間練習から思うような動きができなかった」と語っています。
大舞台の雰囲気にすっかり飲み込まれました。
「このままでは終われない」とフリースケーティング(FS)での巻き返しを誓いました。

大会直前に補欠からの繰り上げ出場が決まった本郷理華は2015年6位、2016年8位と健闘してきました。
いくら練習を積んでいたとはいえ、期間が短く、調子を整えるのは大変です。
SPの滑りは世界選手権の出場経験者として、そして先輩として2選手を引っ張っていかなければという気持ちが痛いほど伝わってきました。
私は滑りを見ていて胸が苦しくなりました。
しかし、今シーズンの不調は何ともできませんでした。
ジャンプの難度を落とした模様で、すべてを着氷しても得点は伸びませんでした。
これが現時点で精一杯だったのでしょう。

今大会の日本勢は実力においても経験においても、世界のトップクラスと明確な差が出ました。
振り返れば、浅田真央はフィギュアスケート好きの国民の大きな期待を背負いました。
さらに、熱烈な人気を背負いました。
それは重圧どころか「恐怖」だったということが、3選手は実感として分かったでしょう。

66歳を迎えようとしている私は人生で極限の緊張を一度も味わったことがありません。
頭が真っ白になり、心も体もがちがち、またはふわふわになるのでしょうか。
それとも震えが止まらず、力が入らないのでしょうか。

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浅田真央に関するブログは以下のとおり。

⇒2017年3月12日「浅田真央は大丈夫、3度目の五輪出場へ」はこちら。

⇒2017年3月1日「浅田真央はどうしているのだろう」はこちら。

⇒2017年1月28日「浅田真央といきものがかりは放牧へ」はこちら。

⇒2017年1月14日「浅田真央はコマネチでなくチャスラフスカになれ」はこちら。

⇒2017年1月9日「浅田真央が初詣で引いたおみくじ」はこちら。

⇒2017年1月8日「浅田真央は平昌五輪で勝とうとしている」はこちら。

⇒2017年1月6日「表現者・浅田真央としての新境地」はこちら。

⇒2017年1月3日「平昌代表へ、浅田真央の2017年が幕を開ける」はこちら。

⇒2016年12月27日「浅田真央惨敗・・・挑戦と無謀は違う」はこちら。

⇒2016年12月25日「浅田真央が勝てない理由・・・全日本フィギュア」はこちら。

⇒2016年12月23日「浅田真央が全日本フィギュア視聴率を救う」はこちら。

⇒2016年12月22日「浅田真央と宇野昌磨、二人の全日本フィギュア」はこちら。

⇒2016年12月22日「3回転を跳べない浅田真央は勝てるのか」はこちら。

⇒2016年12月20日「浅田真央は世界選手権代表へ・・・全日本選手権」はこちら。

⇒2016年12月18日「浅田真央を弾き飛ばす若手の勢い」はこちら。

⇒2016年12月15日「愛する浅田真央へ」はこちら。

⇒2016年11月18日「浅田真央ファンは指の隙間から全日本選手権を見る」はこちら。

⇒2016年11月15日「浅田真央に「頑張れ」は禁句・・・選手生命の危機」はこちら。

⇒2016年11月14日「浅田真央、全日本選手権での早まった決断」はこちら。

⇒2016年11月13日「浅田真央は世界選手権への代表切符を逃すのか」はこちら。

⇒2016年11月12日「浅田真央、いまは我慢するしかない」はこちら。

⇒2016年10月30日「浅田真央と佐藤信夫コーチの食い違い」はこちら。

⇒2016年10月28日「浅田真央は楽しむ気配が伝わってこない」はこちら。

⇒2016年10月26日「浅田真央はスタミナ切れ」はこちら。

⇒2016年10月23日「浅田真央はメンタルが弱いのか」はこちら。

⇒2016年10月22日「浅田真央と高梨沙羅の限界…五輪メンタル」はこちら。

⇒2016年10月21日「浅田真央は緊張に負け、重圧につぶれる…東大受験」はこちら。

⇒2016年10月13日「浅田真央は基本が分かっていない」はこちら。

⇒2016年10月12日「浅田真央、引退か現役かで心が揺れる」はこちら。

⇒2016年10月11日「浅田真央はGPシリーズで落ち込む」はこちら。

⇒2016年10月10日「浅田真央は井の中の蛙・・・世代交代」はこちら。

⇒2016年10月9日「浅田真央、振り付けのアイデア」はこちら。

⇒2016年10月8日『浅田真央「リチュアルダンス」世界観の演じ分け』はこちら。

⇒2016年9月22日「浅田真央、ジャパンオープン回避と視聴率」はこちら。

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