2013年「舟を編む」石井裕也監督 ★★★★

私がこれまで何気なく使ってきた辞書、いまはインターネットで気軽に用いる辞書が生まれるまでの気の遠くなるような地道な作業と地味な努力の積み重ねに圧倒されました。
私は編集者の経験もあり、その大変さは分かっているつもりでしたが、この作品で描かれている苦労は想像をはるかに超えていました。

いい辞書を世の中に送り出すには、人生をかけた執念のようなものが欠かせないのですね。
真面目だけが取り柄の変わり者が辞書づくりを引っ張り、不器用ながらも大勢の関係者をまとめ上げていきます。
編集に携わる長い歳月を通じ、同僚との友情や信頼、チームの一体感が高まっていくことも伝わってきます。
そこに、その変人と結婚し、夫を支える健気な妻の愛情が絡んできます。

編集者を松田龍平、その妻を宮崎あおいが演じます。
静かな名作です。

◇◆◇

以下は、和田創の映画評価に共通する趣旨とあらましです。

私が観てよかったと感じた映画について「★」を付します。
正確に述べれば、作品の評価というより、自分が繰り返して観るかどうかの手がかりです。
(私はすぐに忘れてしまいますので・・・。)
好き嫌いはおのずと反映されますが、といってそれだけでもありません。
作品の価値に対する感想も込めています。

実は、huluが5月17日に全面リニューアルを行った際、私が覚えのつもりで残してきた視聴作品の★がすべて消えました。
(この変更は改悪でした。)

このブログで幾度も述べていますが、仕事人間の私はパソコンの画面の片隅で流すという“ながら視聴”になります。
映画ファンに叱られてしまう接し方です。
しかし、ちゃんと観ようとしたら、おそらく永久に映画を楽しめません。

それゆえ、ストーリーが単純でないと厳しい。
また、語学がさっぱりなので邦画でないと厳しい。
★はいい加減な直観にすぎず、次に観たときには変わるかもしれません。
それでも、皆さまの鑑賞にいくらか参考になれば幸いです。

★は普通、★★★★★は最高、☆は★の半分。
(★はわりとよい。★★はかなりよい。★★★はとてもよい。★★★★はおおいによい。★★★★★は素晴らしい。)

⇒「アメイジング・グレイス|映画感想評価★★★」はこちら。

⇒「ローマの休日|映画感想評価★★★★★」はこちら。

⇒「深夜食堂|映画感想評価★★☆」はこちら。

⇒「霧の旗|映画感想評価★★★☆」はこちら。

⇒「新しい人生のはじめかた|映画感想評価★★☆」はこちら。

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⇒「君が踊る、夏|映画感想評価★★☆」はこちら。

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