2013年「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」バーナード・ローズ監督(ドイツ作品) ★★☆

19世紀前半のイタリアの天才ヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニの伝記映画です。
色恋とギャンブルに溺れる破滅型の異端児がヨーロッパの頂点に上り詰めた波瀾万丈の半生を描いています。

ヴァイオリニストでモデルのデイヴィッド・ギャレットがパガニーニを演じています。
その超絶技巧ゆえに「悪魔に魂を売った」と言われた雰囲気がとてもよく出ています。
(ただし、パガニーニはいまでいうイケメンでありませんでした。)

5億円の名器「ストラディバリウス」を用い、迫力のある演奏を披露しています。
私はクラシック音楽が好きなので、演奏自体を楽しむことができました。
難曲を苦もなく弾いてしまう技量に感心させられます。
パガニーニの楽曲は深くて美しい音楽性を備えていることも伝わってきます。
他がまねできないテクニックだけが優れていたわけではありません。

映画の出来はそれなりです。
しかし、気持ちが音楽へ向かい、ストーリーはほとんど覚えていません。
また、それにとくに意味があるとも思えず、パガニーニの人物と生きざまが何となく分かれば十分でしょう。

面白くなるように相当な脚色が施されているようです。
美しい容貌と歌声を持った女性との巡り合いがパガニーニを「愛の人」に変えました。
また、最期の病床でも神への反逆魂を示しました。

パガニーニは高度な技術を要するヴァイオリン曲を作曲しています。
生前はほとんど楽譜を出版(公開)せず、自分で管理していました。
しかも死の直前に楽譜をほとんど焼却処分し、作品があまり残っていません。
人々の記憶のなかに生きようとしたのか、やはり変人です。

◇◆◇

以下は、和田創の映画評価に共通する趣旨とあらましです。

私が観てよかったと感じた映画について「★」を付します。
正確に述べれば、作品の評価というより、自分が繰り返して観るかどうかの手がかりです。
(私はすぐに忘れてしまいますので・・・。)
好き嫌いはおのずと反映されますが、といってそれだけでもありません。
作品の価値に対する感想も込めています。

実は、huluが5月17日に全面リニューアルを行った際、私が覚えのつもりで残してきた視聴作品の★がすべて消えました。
(この変更は改悪でした。)

このブログで幾度も述べていますが、仕事人間の私はパソコンの画面の片隅で流すという“ながら視聴”になります。
映画ファンに叱られてしまう接し方です。
しかし、ちゃんと観ようとしたら、おそらく永久に映画を楽しめません。

それゆえ、ストーリーが単純でないと厳しい。
また、語学がさっぱりなので邦画でないと厳しい。
★はいい加減な直観にすぎず、次に観たときには変わるかもしれません。
それでも、皆さまの鑑賞にいくらか参考になれば幸いです。

★は普通、★★★★★は最高、☆は★の半分。
(★はわりとよい。★★はかなりよい。★★★はとてもよい。★★★★はおおいによい。★★★★★は素晴らしい。)

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