2009年「バッド・ルーテナント」ヴェルナー・ヘルツォーク監督(米国作品) ★★

ギャンブル、愛人の娼婦とドラッグにおぼれる、どうしようもない刑事が描かれています。
これといったストーリーもなく、犯罪につけ込むなど、道を外れた行為が繰り返されます。
1992年の「バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト」のリメイク作品とか。

映画を観ているうちに善と悪の感覚がマヒしてきます。
犯罪者が呆れるほどのはちゃめちゃな仕業(しわざ)が身に染みついており、違和感も衝撃もまるで覚えません。

得るもの、学ぶものが何もないという不思議な魅力が漂う作品です。
いかれたデカをニコラス・ケイジが演じています。
とてもよく似合います。

孤独と狂気、そして恍惚・・・。
醜い現実にもかかわらず、夢想の世界にいるかのようです。
犯罪だらけの都市で務めを果たしていくやりきれなさも伝わってきます。
破滅的にならないとやっていけないのかもしれません。
心のバランスを辛うじて保つ繊細さと危うさも伝わってきます。

面白いわけでありませんが、最後まで飽きさせません。

◇◆◇

以下は、和田創の映画評価に共通する趣旨とあらましです。

私が観てよかったと感じた映画について「★」を付します。
正確に述べれば、作品の評価というより、自分が繰り返して観るかどうかの手がかりです。
(私はすぐに忘れてしまいますので・・・。)
好き嫌いはおのずと反映されますが、といってそれだけでもありません。
作品の価値に対する感想も込めています。

実は、huluが5月17日に全面リニューアルを行った際、私が覚えのつもりで残してきた視聴作品の★がすべて消えました。
(この変更は改悪でした。)

このブログで幾度も述べていますが、仕事人間の私はパソコンの画面の片隅で流すという“ながら視聴”になります。
映画ファンに叱られてしまう接し方です。
しかし、ちゃんと観ようとしたら、おそらく永久に映画を楽しめません。

それゆえ、ストーリーが単純でないと厳しい。
また、語学がさっぱりなので邦画でないと厳しい。
★はいい加減な直観にすぎず、次に観たときには変わるかもしれません。
それでも、皆さまの鑑賞にいくらか参考になれば幸いです。

★は普通、★★★★★は最高、☆は★の半分。
(★はわりとよい。★★はかなりよい。★★★はとてもよい。★★★★はおおいによい。★★★★★は素晴らしい。)

⇒「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト|映画感想評価★★☆」はこちら。

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