1982年「ブレードランナー」リドリー・スコット監督(米国作品) ★★★★☆

人間を殺害して逃亡するアンドロイド「レプリカント」とそれを追跡して処刑する賞金稼ぎ「ブレードランナー」の戦いが妙にリアルに描かれています。
原作は、フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』。

1982年にこうしたSF映画の名作がつくられたことに驚きます。
ストーリーはエンタテイメント性が乏しく、メッセージ性が強いといえます。
ただし、哲学のような意味を持つわけでないので、意味を汲もうとすると難解に感じます。
この映画が触発してくれるクリエーションとイマジネーションを楽しめばいいのでしょう。

映像も音楽も緊迫感がみなぎり、とくに緻密で刺激的な映像に圧倒されます。
完成度がきわめて高い。
鑑賞するというより視覚的に体験するという作品です。

レプリカントは強靭な肉体と高い知能を持ち、外見は人間と見分けがつきません。
そのレプリカント狩りに挑むブレードランナーをハリソン・フォードが演じています。

人間と寿命の短いレプリカントとのはかない「恋愛」が味付けされています。
アンドロイドに感情そして愛情が芽生えるという設定は素晴らしい。
近未来のロボット社会への洞察はなかなかのものです。

2019年、酸性雨が降りしきるロサンゼルスは廃墟です。
輝かしい希望と対極のような暗く荒廃した近未来都市が舞台になっています。
説得力のあるレトロな光景が広がっており、色あせることがありません。

この作品は1993年にアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録されました。
選考は10年以上を経てから行われるとか。

◇◆◇

以下は、和田創の映画評価に共通する趣旨とあらましです。

私が観てよかったと感じた映画について「★」を付します。
正確に述べれば、作品の評価というより、自分が繰り返して観るかどうかの手がかりです。
(私はすぐに忘れてしまいますので・・・。)
好き嫌いはおのずと反映されますが、といってそれだけでもありません。
作品の価値に対する感想も込めています。

実は、huluが5月17日に全面リニューアルを行った際、私が覚えのつもりで残してきた視聴作品の★がすべて消えました。
(この変更は改悪でした。)

このブログで幾度も述べていますが、仕事人間の私はパソコンの画面の片隅で流すという“ながら視聴”になります。
映画ファンに叱られてしまう接し方です。
しかし、ちゃんと観ようとしたら、おそらく永久に映画を楽しめません。

それゆえ、ストーリーが単純でないと厳しい。
また、語学がさっぱりなので邦画でないと厳しい。
★はいい加減な直観にすぎず、次に観たときには変わるかもしれません。
それでも、皆さまの鑑賞にいくらか参考になれば幸いです。

★は普通、★★★★★は最高、☆は★の半分。
(★はわりとよい。★★はかなりよい。★★★はとてもよい。★★★★はおおいによい。★★★★★は素晴らしい。)

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