2015年「起終点駅 ターミナル」篠原哲雄監督 ★★

かつて愛した女性を死に追いやった自らに罰を課すようにひっそりと暮らす中年の国選弁護人が、弁護を通じて出会った若い女性と関わるうちに「生きる意欲」を取り戻していく過程が描かれています。

女性に手を差しのべることになる国選弁護人を佐藤浩市が演じています。
静かで抑えた演技が切なさとともに温もりを感じさせます。

家族に見放され、だれに頼ることもできずに暮らす女性もこの出会いにより「生きる希望」を見出していきます。
深い傷と孤独を抱える男女の再生物語といえます。
人生の終着駅だった釧路は人生の起点駅となり、二人はそれぞれの道を歩み出します。

意図的な盛り上がりは置かれていません。
映画を楽しんだという高揚感は味わえませんが、じわりとした余韻を残してくれます。
なかなかの作品だと思いました。
何回か観ると、よさがもっと分かるのかもしれません。

◇◆◇

以下は、和田創の映画評価に共通する趣旨とあらましです。

私が観てよかったと感じた映画について「★」を付します。
正確に述べれば、作品の評価というより、自分が繰り返して観るかどうかの手がかりです。
(私はすぐに忘れてしまいますので・・・。)
好き嫌いはおのずと反映されますが、といってそれだけでもありません。
作品の価値に対する感想も込めています。

実は、huluが5月17日に全面リニューアルを行った際、私が覚えのつもりで残してきた視聴作品の★がすべて消えました。
(この変更は改悪でした。)

このブログで幾度も述べていますが、仕事人間の私はパソコンの画面の片隅で流すという“ながら視聴”になります。
映画ファンに叱られてしまう接し方です。
しかし、ちゃんと観ようとしたら、おそらく永久に映画を楽しめません。

それゆえ、ストーリーが単純でないと厳しい。
また、語学がさっぱりなので邦画でないと厳しい。
★はいい加減な直観にすぎず、次に観たときには変わるかもしれません。
それでも、皆さまの鑑賞にいくらか参考になれば幸いです。

★は普通、★★★★★は最高、☆は★の半分。
(★はわりとよい。★★はかなりよい。★★★はとてもよい。★★★★はおおいによい。★★★★★は素晴らしい。)

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