1964年「月曜日のユカ」中平康監督 ★★★☆

男への奉仕に本気になっても男への愛情がピンとこない18歳の女性が描かれています。
初老のパトロンと同世代の恋人を持ちながら、だれにも体を開きますがキスは許しません。

ヒロインは娼婦でなくホステスです。
ドライという言葉でも表せず、淫らという言葉でも表せません。
計算でそう振る舞っているのでもありません。
男の遊び相手にこれほど好都合な女性がいるのかと思いつつ、世間にここまで純粋な女性がいるのかと思います。

母親の影響と少女時代の経験により「愛情の不感症」になったのでしょうか。
刹那に生きる未熟さが彼女を大人へ成長させることを妨げています。

私は前回の東京五輪開催の時代にこのような映画がつくられたことにいささか驚きました。
セックスで男を喜ばせることに夢中になる妖精のような女性を加賀まりこが演じています。
つぶらな瞳、そそられる唇、キュートなボディ・・・。
モノクロ作品ですが、愛らしさが全編に溢れています。

彼女は何を夢見て、何を生き甲斐にしているのでしょうか。
あっけらかんとした生き方なのに悲しみと切なさ、やりきれなさが漂います。
(罪の意識からでしょうか、教会で懺悔を繰り返しています。)

最後にかすかな救いが置かれている作品です。
(都合により金曜日のアップになりました。)

◇◆◇

以下は、和田創の映画評価に共通する趣旨とあらましです。

私が観てよかったと感じた映画について「★」を付します。
正確に述べれば、作品の評価というより、自分が繰り返して観るかどうかの手がかりです。
(私はすぐに忘れてしまいますので・・・。)
好き嫌いはおのずと反映されますが、といってそれだけでもありません。
作品の価値に対する感想も込めています。

実は、huluが5月17日に全面リニューアルを行った際、私が覚えのつもりで残してきた視聴作品の★がすべて消えました。
(この変更は改悪でした。)

このブログで幾度も述べていますが、仕事人間の私はパソコンの画面の片隅で流すという“ながら視聴”になります。
映画ファンに叱られてしまう接し方です。
しかし、ちゃんと観ようとしたら、おそらく永久に映画を楽しめません。

それゆえ、ストーリーが単純でないと厳しい。
また、語学がさっぱりなので邦画でないと厳しい。
★はいい加減な直観にすぎず、次に観たときには変わるかもしれません。
それでも、皆さまの鑑賞にいくらか参考になれば幸いです。

★は普通、★★★★★は最高、☆は★の半分。
(★はわりとよい。★★はかなりよい。★★★はとてもよい。★★★★はおおいによい。★★★★★は素晴らしい。)

⇒「ブレードランナー|映画感想評価★★★★☆」はこちら。

⇒「はやぶさ 遙かなる帰還|映画感想評価★★★★☆」はこちら。

⇒「黄金のアデーレ 名画の帰還|映画感想評価★★★☆」はこちら。

⇒「バッド・ルーテナント|映画感想評価★★☆」はこちら。

⇒「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト|映画感想評価★★☆」はこちら。

⇒「ガールズ・ステップ|映画感想評価☆」はこちら。

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