フィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズ第1戦「ロシア杯」が行われています。
平昌五輪への試金石となります。
男子シングルで羽生結弦、女子シングルでロシアのエフゲニア・メドベージェワが登場します。
二人は現時点で最強と見なされています。

羽生結弦は世界王者に返り咲き、オリンピックで66年ぶりの連覇を狙っています。
フリースケーティング(FS)で4種類目の4回転ジャンプとなる「4回転ルッツ」を冒頭に跳ぶと語りました。
守りに入らず、攻めに徹する姿勢を貫いています。

4回転ジャンプはこれまでトウループ、サルコウ、ループの3種類5本でしたが、そこに新たにルッツが加わります。
これによって4種類5本、最高難度のプログラムとなりました。
基礎点がかなり上がり、世界選手権で出したFS世界最高得点を更新するかもしれません。

自分が本気を一番出せるプログラムとかで、「目標としていた構成に体がついてくるようになった」と手応えを口にしました。
オータムクラシックで感じた右膝の痛みはなくなったようです。

5種類の4回転ジャンプで基礎点の一番高い4回転ルッツを試合に組み込む有力選手は米国のネイサン・チェン、中国の金博洋の二人です。
この内、ネイサン・チェンが本大会に出場します。

羽生結弦がノーミスで滑ったら、それを上回る選手はおそらくいません。
「神」が降臨してきたかのような演技を見せます。
私は男子シングル史上でこれほどのすごみを持つ選手を知りません。
技術と表現のバランスで突出しています。
ライバルは諦めるしかないでしょう。

しかし、羽生結弦がオリンピックの舞台でそうした演技を行えるとは限りません。
そこに、世界のトップクラスの選手がつけ込むすきがあります。
宇野昌磨は総合的な実力で羽生結弦に迫りました。
高難度ジャンプの安定感、そして表現力に定評があります。
私は平昌五輪で二人のワンツーフィニッシュになると考えています。
(どちらが上に立つかは分かりません。)

その戦いに割って入るのが米国の4回転ジャンパー、ネイサン・チェンです。
(私はジャンプの印象しか残っていません。)
一か八かというと語弊がありますが、ライバルが絶対にクリアできない最高難度のプログラム構成で臨んでくるでしょう。
5種類の4回転ジャンプを組み込むのは当然として、組み合わせ(コンビネーション)にも滅法強いので、その基礎点はきわめて高い。
これをすべてクリーンに跳ぶことができるなら、金メダルをつかむ可能性があります。
オリンピックの大舞台ではチャレンジャーとして思い切り勝負をかけてくるはずです。

羽生結弦はそうしたことも念頭に置き、4回転ルッツに挑むのでしょう。

スペインの前世界王者、ハビエル・フェルナンデスは突出した表現力を持つとはいえ、演技の完成度だけで金メダルをつかむ得点は叩き出せないと思います。
もし勝てるとしたら、オリンピックが4回転ジャンプ合戦になり、なおかつ先の3選手にミスがかなり出たときです。

羽生結弦はGP初戦は出来が冴えず、7シーズン連続で優勝を逃しています。
ある意味で、気楽に大技を試せます。

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羽生結弦に関するブログは以下のとおり。

⇒2017年10月6日「羽生結弦が平昌五輪フィギュア団体戦出場へ」はこちら。

⇒2017年9月25日「羽生結弦、無謀なエンジン全開」はこちら。

⇒2017年9月24日「羽生結弦は五輪連覇を狙いすぎ、選曲がきつい」はこちら。

⇒2017年9月23日「出ましたどや顔、羽生結弦は飛ばしすぎ」はこちら。

⇒2017年9月23日「宇野昌磨と羽生結弦、海外での評価と人気」はこちら。

⇒2017年5月16日「羽生結弦に全日本選手権特別シード」はこちら。

⇒2017年5月4日「羽生結弦の投げキスとファンのめろめろ」はこちら。

⇒2017年4月30日「羽生結弦は平昌五輪での現役引退を否定せず」はこちら。

⇒2017年4月22日「羽生結弦のお詫びと見せ場 国別対抗戦」はこちら。

⇒2017年4月16日「宇野昌磨と羽生結弦、勝ち飯と勝負パンツ」はこちら。

⇒2017年4月13日「羽生結弦は降臨、スーパースターを大切に!」はこちら。

⇒2017年4月9日「宇野昌磨と羽生結弦の得点差と実力差」はこちら。

⇒2017年4月8日「羽生結弦は宇野昌磨を追いかける」はこちら。

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