宮原知子は練習の虫

宮原知子といえば「練習の虫」です。
私は子ども向けの昆虫図鑑で調べましたが、見つかりませんでした。
(発行年が古くて新種が載っていないのかもしれません。)
人間が虫になるのはよくよくのことです。

宮原知子は辛抱の天才

彼女を指導する濱田美栄コーチは「辛抱の天才」と評しました。
66年生きてきた私は世の中にいろいろなタイプの天才がいることを知っていますが、これも新種といえます。
辛抱といえばNHK朝ドラ「おしん」を思い浮かべますが、天才と呼ぶのは違和感があります。
宮原知子はついに「おしん超え」を果たしました。

不器用な努力家

宮原知子が注目されるようになった頃、私は不器用な努力家だと思いました。
正確に滑り、正確に跳びますので、得点は悪くありません。
しかし、懸命な練習の積み重ねにより「技術」を伸ばしたとしても、一流のフィギュアスケーターになれない・・・。

ところが、その後の成長と活躍は知られるところです。
全日本選手権で3連覇を飾り、世界選手権で銀メダルをつかんでいます。

私は、フィギュアスケートの「表現」は生まれつきの資質がかなり影響すると考えていました。
なのに、その表現さえ練習の積み重ねにより着実に高めました。
復帰後は表情も含めて心のこもった演技を行えるようになり、「演技構成点」が劣ることはありません(むしろハイスコアです)。

けがを好機に変える

練習漬けの宮原知子はけがをし、適度に休養を取ることの大切さに気づきました。
治療中はとくにフィギュアスケート以外の領域や事柄に積極的に触れ、親しみました。
東京のリハビリ・トレーニング施設でけがの苦しみと戦い、早期の復帰を目指すさまざまな競技の選手とも交わりました。
こうした経験が内に向きがちだった視線を外へ向かわせ、人間の幅を広げました。
アスリートとして最大のピンチ(苦境)をチャンス(好機)に変えています。
この子はおそらく頭もいい。

ミス・パーフェクト

宮原知子は復帰後、短期間で3戦をこなしました。
GPファイナルの後にオフを2回取って体を休め、温泉でリフレッシュしたそうです。
私はもともとメンタルが強い宮原知子がリラックスして五輪代表最終選考会を兼ねる全日本フィギュアスケート選手権で滑ったらミスをするはずがないと思っていました。
あまり知られていませんが、ミスをしないから「ミス・パーフェクト」と呼ばれているのです。
本人はこれまでで一番緊張したと語っていますが、はた目にはとても冷静でした。

SPは宮原さゆりへ

宮原知子はピンク色の衣装を着てショートプログラム(SP)を舞いました。
感情移入を含めた表現が素晴らしく、いつのまにか「宮原さゆり」になりきっていました。
回転不足を取られて得点は僅差の2位に留まりましたが、私は「勝ったな」と思いました。

私はこの選手が大崩れした演技を思い出せません。
五輪代表切符がかかる大一番というのに呆れるほどの落ち着きです。
動きや仕草にも細やかな神経が行き届いています。
フリースケーティング(FS)はさらに安心して見ていられました。
合計 220点台は見事でした。

宮原知子のジャンプ

正直に述べれば、2〜3年前より改善された気がしますが、ジャンプにもうちょっと高さと幅があれば見るほうは一層楽しめます。
(跳躍力のある若手が多くなりました。)
美しさの備わったジャンプのはずですが、先に「正確さ」を感じてしまいます。
が、私はもう宮原知子に求めないことにしました。
選手にはそれぞれ自分が跳ぶタイミングやリズムがあるのでしょう。

宮原知子のコメント

宮原知子は平昌五輪へ向けて体力が増し、調子が上がり、滑りがさらに力強くなっていくことでしょう。
「ようやくこれで世界のトップと戦うためのスタート地点にたどり着きました」とあくまで謙虚に語っています。
このコメントも好感が持てます。

宮原知子も焼肉怪獣へ

その宮原知子が全日本選手権4連覇を叶え、焼肉で祝ったそうです。
あの坂本花織に続いて宮原知子も「焼肉怪獣」と化し、平昌五輪で戦います。
フィギュア女子シングルの選手の間にカルビ肉によるエネルギーチャージが流行りはじめています。

⇒2017年12月27日「焼肉怪獣坂本花織は韓国平昌で勝てるのか?」はこちら。

私はピョンチャンオリンピックでの二人の活躍がとても楽しみです。
待ち遠しい・・・。

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宮原知子に関するブログは以下のとおり。

⇒2017年12月25日「エース宮原知子と伸び盛り坂本花織が平昌五輪代表」はこちら。

⇒2017年12月22日「伏兵・坂本花織と本命・宮原知子の対決へ」はこちら。

⇒2017年12月18日「宮原知子は引っ込み思案なのに閉店しない」はこちら。

⇒2017年12月13日「宮原知子が五輪代表選考レースから抜け出す」はこちら。

⇒2017年12月10日「ハマちゃんとサーさんコンビ、GPファイナルの感動」はこちら。

⇒2017年12月8日「宮原知子、GPファイナルは全日本へのステップ」はこちら。

⇒2017年12月2日「宮原知子、GPファイナル出場のマイナス」はこちら。

⇒2017年11月29日「宮原知子は2位に僅差の4位なら平昌五輪代表へ」はこちら。

⇒2017年11月28日「宮原知子へ全日本選手権2位狙いのすすめ」はこちら。

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