SP「モダン・タイムス」でノーミス

フィギュアスケートの欧州選手権がモスクワで行われています。
男子シングルで6連覇を狙うスペインのハビエル・フェルナンデスがショートプログラム(SP)でほぼノーミスの演技を見せました。

SPはチャーリー・チャップリンの映画『モダン・タイムス』です。
冒頭に4回転トウループ−3回転トウループのコンビネーションジャンプを決めて波に乗り、103.82点を出しました。
ロシア選手権覇者のミハイル・コリャダは 83.41点で4位と出遅れています。

平昌五輪に合わせて調子を整えてきた

ハビエル・フェルナンデスはGPシリーズ「中国杯」で6位になり、4シーズン振りにGPファイナル進出を逃しました。
しかし、3週間後に控える平昌五輪に合わせて調子をしっかりと整えてきました。
さすがにベテランです(26歳)。
4位に終わったソチ五輪の無念を平昌五輪で晴らすという望みは捨てていません。
本番では五輪王者の羽生結弦や米国の4回転ジャンパー、ネイサン・チェンに戦いを挑みます。

ハビエル・フェルナンデスはカナダを練習拠点とし、羽生結弦と同じブライアン・オーサーコーチに師事しています。

スペイン、そして欧州で敵なしの状態

スペインではフィギュアスケートの人気が高くありません。
(というより、低いです。)
これまで有力選手はほとんどいなかったようです。
ハビエル・フェルナンデスは欧州全体でも敵がいない状態が長らく続いています。

いかにもラテン系です。
アスリートに珍しく、勝負にこだわっていないように思います。
試合で敗れても、あまり悔しさを表に出しません。
「ライバル心」を持っているのだろうかという人のよさも感じさせます。

乗ると観客を惹き込む演技を見せますが、集中力がそれほど高くなく、しかも長続きしません。
演技の後半であっけなく崩れてしまうことがあります。

ユーモラスな選曲と振付がよくマッチ

全身から醸し出す雰囲気がとても人懐っこい。
(精神的に疲れているときや落ち込んでいるときには胸に飛び込みたくなる女性もいるはずです。)
楽天的な性格を反映したユーモラスな、とくにコミカルな選曲と振付がよくマッチします。
観客を楽しませたいという思いが自分のなかで勝っているのでしょうか。

ハビエル・フェルナンデスは4回転ジャンプが苦手というわけでありません。
技術も体力もそれなりです。
まして表現が劣ると思えません。
が、私の印象は勝負強いという選手でありません。
(必死さが足りないのかなぁ。)

◆書き加え(1月20日)

FS「ラ・マンチャの男」で貫録優勝

ハビエル・フェルナンデスはフリースケーティング(FS)のミュージカル「ラ・マンチャの男」をうまくまとめました。
高難度ジャンプで大きなミスを犯しませんでした。
合計295.55点で危なげなく6連覇を成し遂げています。
世界選手権で2回優勝している貫録を見せつけました。

予行演習と位置づけた欧州選手権で自己シーズンベストを出し、3回目の五輪出場となる平昌五輪で初のメダル獲得へ向けて弾みをつけました。

ミハイル・コリャダが258.90点で3位でした。
ロシア選手権で優勝を飾った新鋭ドミトリー・アリエフが274.06点で2位でした。

メディアはハビエル・フェルナンデスの6連覇を「スペインの怪物が氷の土地(モスクワ)を沸騰させた」といった論調で絶賛しています。

ジャンプ偏重見直しで北京五輪出場へ

ジャンプ偏重の採点法が見直され、相対的に演技構成点の比重が高まると、ハビエル・フェルナンデスは4年後の北京五輪出場を狙えるかもしれません。
振付や音楽の解釈などで満点を取る力がありますから。

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