2009年「オーケストラ!」ラデュ・ミヘイレアニュ監督 ★★★★

面白おかしく脚色はされているものの、実話と思い込むほどのリアリティでした。
クラシックファンでなくてものめり込める作品に仕上がっています。
フランス映画ですが、ロシア人をとことんこき下ろすフランス人の感性に感心します。
ストーリーが荒唐無稽で、悪ふざけに近いユーモアが織り込まれており、かなり笑えます。

30年前にナチスに追放されたロシアのオーケストラの指揮者が楽団員を呼び戻し、フランスのコンサートホールでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏する奇跡が描かれています。
多民族で個性的な楽団員がソリストのもとにまとまり、楽曲と映画のクライマックスを同調させていきます。
調べたら演奏はフランス国立管弦楽団ということで驚きました。
ロシアらしい趣が感じられ、迫力もあります。
見事な演奏と絡めて真相が明かされます。

脚本、演出、キャスティング、そのどれもがよし。
ヒロインのアンヌ=マリー・ジャケを演じるメラニー・ロランがとびきり美しい。
バカ笑いと感動がごちゃごちゃになっており、魂を強く揺さぶられます。
とても素晴らしい作品です。

◇◆◇

以下は、和田創の映画評価に共通する趣旨とあらましです。

私が観てよかったと感じた映画について「★」を付します。
正確に述べれば、作品の評価というより、自分が繰り返して観るかどうかの手がかりです。
(私はすぐに忘れてしまいますので・・・。)
好き嫌いはおのずと反映されますが、といってそれだけでもありません。
作品の価値に対する感想も込めています。

実は、huluが5月17日に全面リニューアルを行った際、私が覚えのつもりで残してきた視聴作品の★がすべて消えました。
(この変更は改悪でした。)

このブログで幾度も述べていますが、仕事人間の私はパソコンの画面の片隅で流すという“ながら視聴”になります。
映画ファンに叱られてしまう接し方です。
しかし、ちゃんと観ようとしたら、おそらく永久に映画を楽しめません。

それゆえ、ストーリーが単純でないと厳しい。
また、語学がさっぱりなので邦画でないと厳しい。
★はいい加減な直観にすぎず、次に観たときには変わるかもしれません。
それでも、皆さまの鑑賞にいくらか参考になれば幸いです。

★は普通、★★★★★は最高、☆は★の半分。
(★はわりとよい。★★はかなりよい。★★★はとてもよい。★★★★はおおいによい。★★★★★は素晴らしい。)

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