ようやくたどり着いた2つの結論とは

フィギュアスケートの男子シングル。
宇野昌磨はオリンピックシーズンにもがき苦しみ、平昌五輪直前にようやく2つのシンプルな結論にたどり着くことができました。
いささか遅すぎた感も否めませんが、このブログで2回に分けて述べたいと思います。

.献礇鵐弭柔の難度を下げること!

宇野昌磨は本番用プログラムを四大陸選手権で滑りました。
フリースケーティング(FS)では4回転ジャンプを4種類、5本からサルコウを抜いた3種類、4本に絞りました。
今シーズンは得点を伸ばそうとするあまり、ジャンプ構成がぐらついていました。

トップクラスのアスリートは「挑戦」という言葉を好んで用います。
これがとても曲者(くせもの)です。

挑戦は進化を遂げるうえで不可欠なのは承知していますが、本人が思っているほど前向きな意味を持つと限りません。
吠える犬のように「弱い自分」を隠そうとしていることもあります。

「挑戦」という言葉は恐怖心の裏返し

マスコミは選手が発する挑戦という言葉に飛びつきますが、記事にしやすく、読者(ファン)が喜ぶという理由です。
その言葉の背景に「勇ましい」とはやし立てるほどの価値があるかどうかを見極めているわけでありません。

挑戦の連呼は案外、メンタルの弱さの裏返しです。

有力なライバルが基礎点の高いジャンプ構成をノーミスで滑ったら勝てないという恐怖心に多分に支配されています。

男子シングルについては、有力選手ほど、米国の4回転ジャンパー、ネイサン・チェンに振り回されました。
その結果、コンディションを崩したり、けがを負ったり・・・。

過去に多くの本命が自ら潰れていった

挑戦という言葉はままオリンピックの表彰台への欲と不安が混ざり合った精神状態で用いられています。
こうなるとむしろ後ろ向きの意味を持つわけで、過去にも多くの本命が自ら潰れていきました。

「大丈夫、勝とうとしても勝てない」

私は宇野昌磨と羽生結弦のどちらかに金メダルを獲得してほしいと思っています。

そのためには、自分がノーミスの演技を行い、それでもライバルが得点を上回ったら仕方がないとする覚悟と諦めが大切でしょう。
滑れるジャンプ構成で本番に臨むということです。
平たく言えば、ジャンプ構成の難度を下げるわけです。

自分が勝ちたくてもライバルに負けることがあります。
自分が勝てなくてもライバルが負けることがあります。
4年に一度の大舞台で何が起こるかは、だれにも分かりません。

思い返せば、ソチ五輪。
羽生結弦が勝ったのでなく、ライバルが負けたのです。
スキー女子ジャンプ、カリーナ・フォークトが勝ったのでなく、ライバルが負けたのです。

私は新規開拓、それも有力企業の上層部(決定権者)に対する開発営業の指導に当たってきました。
これまでに目の玉が飛び出る「巨額案件」の成功事例も生まれています。
一貫して説いてきたのは「大丈夫、営業はうまくいかない」でした。
さらに、「売ろうとして売れるなら、営業活動に何の苦労もない」と言い添えてきました。

金メダルに近い選手ほど心がけるべきは、「大丈夫、勝とうとしても勝てない」でしょう。
そもそもオリンピックは勝ちたいと望む選手の集まりです。

category:宇野昌磨ブログはこちら。

人事を尽くして天命を待つ覚悟と諦め

金メダルは悲観を退け、楽観を選びます。
金メダルは複雑を退け、単純を選びます。

運は、考えと気持ちの整理をつけられない選手からかならず逃げていきます。
金メダルは、弱い選手が大嫌いなのです。

人事を尽くして天命を待つ。

有力候補として名前さえ挙がっていなかった選手がひょいと金メダルをさらうことがあるのは、純粋だからです。
無欲で愚直な選手はとても強い。

正論を述べれば、オリンピックに魔物が棲むはずがありません。



国を挙げてメンタルコーチを強化せよ

私は日本のコーチが技術面の指導で劣っていると思いませんが、メンタル面の指導で弱いと感じてきました。
フィギュアスケートに限りませんが、選手の力量のわりに金メダルが少ない。
国民性から、真面目すぎて、いい加減さを持ち合わせていないからです。
それでは意図して(狙って)頂点に立つことはできません。

日本は2020年の東京五輪で多くの金メダルの獲得を目指しています。
それはいいとしても、ストレッチ目標を実現するためにはメンタルコーチのサポートを強化すべきです。
専門家の講演を聞かせたくらいでメンタルが強くなるはずがありません。
個々のコーチや選手に委ねるのでは限界だと考えます。

当然ですが、メンタルの強化とは選手のメンタルを強くすることでなく楽にすることです。
本人の重圧の半分を引き受けられなければ話になりません。
もがき苦しむ選手を見守り、ときに的確な助言を行えるコーチが日本には少ない。

日本のコーチは選手との一体感が強すぎて、自らが冷静さや客観性を失い、一緒に苦悩してしまいます。

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宇野昌磨に関するブログは以下のとおり。

⇒2018年1月27日「四大陸選手権男子シングル結果 宇野昌磨と金博洋」はこちら。

⇒2018年1月26日「宇野昌磨は四大陸選手権で五輪プログラムを滑る」はこちら。

⇒2018年1月11日「四大陸フィギュア2018へ、宇野昌磨は立て直し」はこちら。

⇒2018年1月5日「宇野昌磨、平昌五輪へ調子が急降下」はこちら。

⇒2017年12月22日「宇野昌磨が全日本選手権でピリッとしないわけ」はこちら。

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