グランプリ(GP)シリーズ「スケートアメリカ」
宮原知子は横綱相撲で危なげなく2連覇

フィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズ初戦「スケートアメリカ」が終わりました。

SPは首位発進、ジャンプ見直しの成果

ショートプログラム(SP)。
宮原知子は本人の言葉によれば、緊張をうまく力に変えることができ、 73.86点の首位で発進しました。
米国のジャッキー・ウォン記者がとりわけ冒頭の3回転ルッツ−3回転トウループの連続ジャンプの出来を絶賛しました。
おそらく2022年の北京冬季五輪出場を見据え、ジャンプの見直しに取り組んでいます。
早くもその成果が表れたのでしょう。

宮原知子は9月のUSインターナショナルクラシックのSPでは3回転ジャンプがすべて回転不足の判定を受けています。
今大会のSPでは回転不足を取られず、スピンとステップもレベル4をそろえました。

FSはプレッシャーをはねのけノーミス

フリースケーティング(FS)。
宮原知子は1位の145.85点をマークし、合計は今季世界3位の219.71点です。
GPシリーズ通算3勝を挙げました。
スケートアメリカでの2連覇は、2008年と2009年、韓国のキム・ヨナ(金妍児)以来です。
SP2位の坂本花織がFS2位となり、日本勢はワンツーフィニッシュです。
お疲れさま、そしておめでとう。

宮原知子は実に落ち着いて、しかも堂々と滑りました。
3回転ルッツ―3回転トウループの連続ジャンプなどを決めるとともに、華麗なスピンと切れのあるフットワークで楽しませてくれました。
むろんノーミスでした。
表現力もよし。
滑り終えて笑みを浮かべ、声援に応えました。

直前に滑った坂本花織が会心の演技を見せて、暫定トップに立ちました。
しかし、宮原知子はそのプレッシャーを感じさせず、優雅にタンゴを舞いました。
フィギュアスケート、まして女子シングルに対する形容に的確と思えませんが、危なげのない「横綱相撲」です。
風格と貫禄を感じさせます。
ジャンプを含めた演技の「安定感」が抜群であり、自らを追いかける坂本花織を圧倒しました。
(二人を喧嘩させようという気はありません、念のため。)

シーズン初戦ですが、悪い点を見つけられないほど完成度が高まっています。
「質」を重視した採点ルールへの変更も追い風にしており、それは実力があってこそ可能です。
宮原知子の次戦は11月9〜11日に広島で行われる「NHK杯」です。
12月のGPファイナル進出は間違いないでしょう。

category:宮原知子ブログはこちら。

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宮原知子に関するブログは以下のとおり。

⇒2018年3月23日「宮原知子は「美しい十代」を総括する滑りを!」はこちら。

⇒2018年3月20日「宮原知子、世界選手権3枠確保はエースの責任」はこちら。

⇒2018年2月11日「宮原知子、平昌五輪銅メダル獲得の必要条件」はこちら。

⇒2018年2月11日「宮原知子、足は子鹿ちゃん、頭はおでこちゃん」はこちら。

⇒2018年2月4日「宮原知子と濱田美栄コーチ、自己ベストの平昌五輪」はこちら。

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