紀平梨花はたった一日でさらに成長
全日本フィギュア選手権の優勝候補筆頭

土曜日はフィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズ第4戦「NHK杯」女子シングルのフリースケーティング(FS)を応援し(といってもテレビ観戦)、くたくたになりました。
質が高く、見応え十分の勝負でした。

1位の紀平梨花、2位の宮原知子、4位の三原舞依の3選手はそれぞれいまできるベストの演技を見せてくれました。
何よりミスらしいミスが出なかったことが素晴らしい(回転不足、踏み切り不明瞭、3⇒2回転などはありました)。
とりわけジャンプで転倒が出ると、見る側ものめりこめません。



女子フィギュアを席巻してきたロシアのトップクラスと互角に戦える選手がついに現れました。
それは伊藤みどり、浅田真央のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の流れを汲む「紀平梨花」です。
日本女子の「伝家の宝刀」を自らの代名詞にしました。

紀平梨花はフィジカルの強靭性と柔軟性を兼ね備えており、ほれぼれするスケーティングです。
鍛えすぎると演技のやわらかさや動きのしなやかさが損なわれます。
身体能力の高さは生まれ持ったものでしょう。
懸命な努力を重ねる選手を「才能」の一言で片づけてはいけませんが、それでも私はすごい才能だと感じました。

FSでは冒頭のトリプルアクセル―3回転トウループのコンビネーションを決めると、続く単発のトリプルアクセルも決めました。
どちらも流れと切れがあります。
これで一気に波に乗り、ほぼ完ぺきに滑り終えました。
そして、ガッツポーズを炸裂させました。
「見事」としか言い表せません。

紀平梨花は研究熱心だそうです。
濱田美栄コーチの指示にそのまま従うのでなく、どこを直せば点数が伸びるかを考えながら練習に取り組んでいます。
トリプルアクセルで転倒したショートプログラム(SP)後のインタビューでの受け答えにも頭のよさがはっきりと現れています。
16歳と思えない冷静さです。

紀平梨花はトリプルアクセルを安定して成功させることの難しさを語っています。
ハイリスク・ハイリターンを承知しているのです。
FSでは朝練から修正と確認を繰り返し、ドラマチックな大逆転を演出しました。



NHK杯のエキシビションではすでに「女王」のようなオーラを発していました。
勝利からたった一日でさらに成長を遂げています。

16歳という微妙な時期に差しかかっていますが、これを乗り切ればエースに育つはずです。
私は年末の全日本フィギュアスケート選手権の優勝候補の筆頭だと思います。
ジャンプをノーミスで決めると、だれも得点が及びません。
技術点がきわめて高いうえに、演技点も高く、しかも伸びています。
スピンやステップを含むすべてのエレメンツで加点を稼げます。
単なる高難度ジャンパーでなく「総合力」で戦えます。

category:紀平梨花ブログはこちら。

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紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2018年11月9日「16歳紀平梨花はNHK杯で16歳浅田真央に並ぶ」はこちら。

⇒2018年11月7日「紀平梨花、GPシリーズNHK杯で高得点へ」はこちら。

⇒2017年12月21日「紀平梨花、全日本で勝っちゃっていいんですか」はこちら。

⇒2017年12月9日「紀平梨花は3回転半でロシア勢を吹き飛ばす」はこちら。

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