有力選手がひしめく関大IA濱田チーム
一人勝ちゆえの贅沢な悩み
宮原知子への早めの後継指名がベストか

勝敗を競うスポーツでは「ライバル関係」が注目されます。
両者の力が拮抗するほど、どちらが勝つかに関心が集まります。
代表的なところでは、浅田真央と韓国の金妍児(キム・ヨナ)です。
マスコミでもしばしば取り上げられますので、おのずと当人も意識せざるをえません。
これはトップクラスのアスリートの「宿命」ともいえます。

フィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズ第4戦「NHK杯」。
日本女子エースとして長らく君臨する宮原知子を紀平梨花が抑え、ファンを驚かせました。
しかも、この二人は濱田美栄コーチに師事する同門の先輩と後輩という間柄です。

濱田美栄コーチは紀平梨花のポテンシャルの大きさを分かっていました。
しかし、シニアデビューでいきなり宮原知子を上回ることは想定していなかったでしょう。
「同じ大会に二人を出すのは難しかった」と語ったようです・・・。

⇒2018年11月13日「濱田美栄コーチは胸中複雑、紀平梨花が宮原知子に勝利」はこちら。

濱田美栄コーチは二人の関係をより発展的なものにしようと腐心しています。
競争相手をエネミー(敵)でなく、よきライバルであると考えられるように導いています。
互いにリスペクトし、力や強みを認め、それを糧にして成長することの重要性を訴えています。

どちらもグランプリ(GP)ファイナルに出場しますので、濱田美栄コーチは神経を使います。
私は本領を発揮すれば紀平梨花は頂点に立てると思っていますが、紀平梨花やアリーナ・ザギトワの出来により宮原知子が頂点に立つこともありうると考えています。
試合の展開次第では二人の対決、真っ向勝負の構図になります。
濱田美栄コーチの予想もおおよそ変わらないでしょう。

が、もっと悩ましいのは宮原知子が4年連続で優勝を飾っている「全日本選手権」のはずです。
これはほんとうに困ります。
宮原知子は浅田真央もなしえなかった5連覇がかかっています。
その夢を打ち砕くとしたら同門の紀平梨花を置いてほかにいません。

選手同士の緊張、そしてコーチの緊張もMAXに達します。
私は二人が濱田チームの好敵手として2022年北京五輪まで日本女子を引っ張っていくのが理想と考えますが、3人それぞれの接し方がきわめて微妙です。
ある意味で贅沢な悩みですが、濱田美栄コーチの心労は計り知れません。
同時に、選手育成を使命とする指導者のプライド(誇り)でもあります。

私自身は濱田美栄コーチが早めに宮原知子を「後継者」に指名するのが丸く収まると考えます。
立派な指導者になりうる数少ない「人財」であり、多くの選手を輩出できるでしょう。
私は日本のフィギュアスケート界の将来にわたる発展のためにも宮原知子にその道を歩んでほしい。
これ以上の適任者はだれも思い浮かべられません。

宮原知子は両親が医師ということもあり、将来の夢が「ドクター」になることという記事をウェブで見たことがあります。
米国で幼少期を過ごしており、TOEICの点数が高くてインタビューでも通訳を必要としません。
おそらく何事においても努力家ですから、練習を優先しながらも勉強を怠らないはずです。
表情やコメントからしても「才女」と分かります。
たやすくありませんが、スポーツ系のドクターの資格を持つコーチが生まれれば画期的といえます。
(そのくらいでないとオリンピックで頂点に立つアスリートを育てられない時代が訪れるかもしれません。)



ところで、フィギュアスケート選手の所属先としてしばしば見かけるのが、「関大KFSC」です。
ウェブで触れた記事によれば、2016年4月にNPO法人として誕生しました。
トリノ五輪で荒川静香が金メダルに輝いた2006年の7月、高槻市に総工費約8億円の「関西大学たかつきアイスアリーナ(関大IA)」が完成しました。
(京都でなく大阪なのですね。)
当時は関西でリンクの閉鎖が相次ぎ、多くのスケーターがここに集まるようになりました。

他のスケートクラブと違ってISU(国際スケート連盟)の試合に出るための組織であり、選手とコーチとの契約は個々で行われます。
※ISU(国際スケート連盟)でなく、JSF(日本スケート連盟)かもしれません。
現在の会員数は20名強であり、トップアスリートを目指しています。

新星・紀平梨花、女王・宮原知子、4年振り現役復帰の高橋大輔ら、錚々たる顔ぶれが関大IAを練習拠点として切磋琢磨しています。
しかし、選手が師事するコーチは同じとは限りません。

関大IAにおける指導体制は大きく3つに分かれます。
「織田チーム」は織田信成の母でもある織田憲子コーチが中心です。
「本田(長光)チーム」は本田武史と長光歌子両コーチが中心です。
「濱田チーム」は濱田美栄コーチが中心です。
そして、各チームは4人のインストラクター、トレーニングコーチ、バレエ・ダンスコーチなどで構成されます。
定員はそれぞれ35人であり、約百人が練習を積んでいます。
最年少は5歳、最年長は高橋大輔の32歳です。

したがって、関大IAでは他チームの所属選手からも刺激を得られます。
宮原知子は曲かけ練習で瞬間に世界をつくってしまう高橋大輔の表現力に感嘆しています。
ここは必然的に選手が集い、育つ好循環が生まれます。

この3チームのなかで濱田美栄コーチのもとに有力選手がひしめき、濱田組の一人勝ちとされています。
宮原知子 20歳
白岩優奈 16歳
紀平梨花 16歳
本田望結 14歳
本田紗来 11歳
17歳の本田真凜は今春、濱田美栄コーチのもとを離れ、ラファエル・アルトゥニアンコーチのもとへ移りました。
詳しい事情は分かりかねますが、ほぼ同世代の有力選手との関係も気になったのかもしれませんね。

クラウドファンディングで競技と練習を続けるための資金調達を行った白岩優奈が伸びると、濱田組はさらに活況を呈します。

コーチの指導だけでも、選手の努力だけでもトップクラスの選手は生まれないはずであり、資質が欠かせません。
そうなら、コーチとして成功を収めるには選手との出会いも大切になります。
いくらか運にも左右されるのでしょうか。

(2018年11月29日執筆)

category:宮原知子ブログはこちら。

◆書き加え(12月12日)

GPファイナルの結果はご承知のとおりです。
紀平梨花が天分を開花させて平昌五輪金メダリスト、ロシアのアリーナ・ザギトワを寄せつけず、世界の頂点に立っています。
スターダムに駆け上っています。

私は濱田美栄コーチのリンクサイドやキス・アンド・クライでの様子を注視していました。
すでに心の準備ができていて、二人への接し方・処し方をつかんでいると感じました。
頭がいいし腹も括っているからでしょう。
このコーチはマネジメントができるのかな・・・。

⇒2018年11月13日「濱田美栄コーチは胸中複雑、紀平梨花が宮原知子に勝利」はこちら。

◇◆◇

宮原知子に関するブログは以下のとおり。

⇒2018年12月13日「宮原知子、全日本選手権4連覇は勝ちすぎ」はこちら。

⇒2018年12月12日「宮原知子から努力を取ったら何も残らない」はこちら。

⇒2018年12月3日「フィギュアGPファイナル2018優勝予想・順位予想」はこちら。

⇒2018年11月11日「宮原知子、濱田美栄コーチ同門の紀平梨花にライバル心」はこちら。

⇒2018年11月10日「宮原知子、芝居がかった表情と表現力は唯一無二」はこちら。

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