紀平梨花はメンタルの強さで重圧と緊張を克服
GOEの大きさでアリーナ・ザギトワを圧倒
GPファイナルも世界選手権も制覇か

フィギュアスケート・グランプリ(GP)ファイナル女子シングルのショートプログラム(SP)。

紀平梨花はドビュッシー「月の光」。
ルール改定後の世界最高得点となる 82.51点を叩き出し、首位で発進しています。
衝撃的なGPファイナルデビューを飾りましたが、あっさりという印象です。

冒頭のトリプルアクセルを完璧に決めました。
続く3回転フリップ―3回転トウループのコンビネーションをきれいに着氷しました。
後半の3回転ルッツもきれいに着氷しました。

3本のジャンプのGOE(出来栄え点)は順に2.51点、1.74点、2.36点です。
あくまでも予想ですが、これからは「ミス・ジー・オー・イー」と呼ばれるはずです。
会心の演技に笑顔とともにガッツポーズが飛び出しました。

大きな意味でのスケーティングの「質」が素晴らしく、ナチュラルでありながら強さと切れがあります。
のびやかでしなやかで、私はとてもエクセレントでビューティフルだと思います。
GPシリーズ第4戦「NHK杯」のフリースケーティング(FS)では感動に震えてしまいました。

演技点5項目の合計は 35.15点。
アリーナ・ザギトワの 35.83点とほぼ互角に渡り合っています。
ちなみに私はアリーナ・ザギトワより低いのが腑に落ちません。
互いにパーフェクトに滑ればという前提ですが、少なくともFSでは紀平梨花のほうが上だと思います。
「ビューティフル・ストーム」は曲調も振付も彼女の持ち味にマッチしています。

⇒2018年11月27日「紀平梨花、音を筋肉で感じ取り再現する才能」はこちら。

紀平梨花はフライングシットスピンがレベル2に留まりました。
FSではスピンもステップもレベル4をそろえるはずです。

私がもっとも感心したのは、紀平梨花に「気負い」がまるで感じられないことでした。
落ち着き払っていました。
紀平梨花は「ポスト浅田真央」として大きな期待がかかっていました。
しかし、そうした重圧と緊張を克服して試合に臨んでいます。
「メンタル」がとても強いです。

⇒2018年12月4日「紀平梨花にのしかかるポスト浅田真央の重圧」はこちら。

紀平梨花は「驚いた。こんなに高い得点になるなんて想像もしていなかった」と語っています。
キス・アンド・クライで切れ長の目が真ん丸になりました。
しかし、その後の会見で恐ろしく冷静に語っています。
「これからジャッジスコアなどで確認し、FSの伸び代を探っていきたい」。
超冷静です。

⇒2018年11月26日「紀平梨花は頭もいい、超新星は超クール、GP連勝は当然」はこちら。

昨年女王のアリーナ・ザギトワが 77.93点で4.58点差の2位につけています。
が、私はFSでさらに点差が開くと思っています。
おそらく 240点を超えます。
いや 240点台半ばに迫るかもしれません。

シニア1年目でGPファイナルを制した日本勢は2005年の浅田真央だけです。
日本勢の優勝も2013年の浅田真央が最後です。
FSで女子シングルに待望のニューヒロインが誕生します。
世界選手権2019も紀平梨花が当然のように制するでしょう。

category:紀平梨花ブログはこちら。

◆書き加え(12月7日)

いつ書いたか記憶が曖昧ですが、こんな記事がありましたのでアップします。
3日ほど前でしょうか?

GPファイナルはロシア勢3選手と日本勢3選手が激突します。
優勝候補の筆頭は実績を踏まえれば平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワです。
が、高難度ジャンプが不安定になり、オリンピックシーズンの盤石の強さが失われました。

彼女を脅かす存在は同じ16歳、GPシリーズ初参戦で連勝を飾った紀平梨花です。
ミスが出ましたが、潜在力と得点力の高さを強烈に印象づけました。
SPとFSでパーフェクトに滑るなら 230点を余裕で超えられます。

ロシアメディアがアリーナ・ザギトワの対抗馬に紀平梨花の名前を挙げています。
(二人は馬でありません。)
しかし、母国でさえも本命に紀平梨花を押す声も少なくありません。
世界最高の基礎点を持つうえ、GOE(出来栄え点)で稼げるからです。
私は秋田犬「マサル」の肉球パワーを借りても紀平梨花を上回れないと考えています。

紀平梨花はアリーナ・ザギトワと同じ2002年生まれですが、彼女より誕生日が2か月ほど遅かったために平昌五輪の出場資格を満たせませんでした。
ちなみに、代表最終選考会を兼ねた全日本選手権で3位に食い込んでいます。

GPファイナルはジュニア1勝1敗で迎えるシニア初対決です。
紀平梨花の優勝はSP冒頭で跳ぶ、代名詞のトリプルアクセルにかかっているといえます。
実は、紀平梨花がクリーンに跳んだのは、第4戦「NHK杯」FSの2本だけでした。
時差ぼけの影響で感覚が狂うことを避けるため、早めに現地入りしてコンディションを整えているようです。

GPファイナルは一騎打ち、 230点台の争いです。
しかし、2選手にミスが出て 220点台半ばの戦いになれば宮原知子に初優勝の目が出てきます。
ただし、演技全体の安定感が崩れないとしてもエッジエラーや回転不足の判定を受けるとその水準に届きません。

◆書き加え(12月8日)

紀平梨花は女王なのだから、「フィニッシュポーズ」をしっかり止めてください。
会心の演技で笑顔とガッツポーズが飛び出してしまう心情は分かりますが、こちらが感動の余韻に浸る「間」を与えてほしい。

◇◆◇

紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2018年12月7日「紀平梨花とザギトワ、GPファイナル2018直接対決」はこちら。

⇒2018年12月6日「紀平梨花はGPファイナルでザギトワに勝てるのか」はこちら。

⇒2018年12月5日「紀平梨花、シニア1年目のブレーク、逆転劇の理由」はこちら。

⇒2018年12月4日「紀平梨花にのしかかる「ポスト浅田真央」の重圧」はこちら。

⇒2018年12月3日「フィギュアGPファイナル2018優勝予想・順位予想」はこちら。

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