アレクサンドラ・トルソワ4回転ジャンプ
マサルの肉球パワーを借りても勝てない?

世界選手権5位惨敗は五輪後遺症か

世界フィギュアスケート選手権2018。
平昌五輪金メダリスト、ロシアのアリーナ・ザギトワは本調子と遠い状態でした。
セレモニー(祝賀行事)やメディア対応(取材)が目白押しで練習の時間をろくに取れなかったのでしょう。
ルックスもスタイルも抜群、ファッションモデルに劣らない雰囲気を漂わせおり、世界中から引っ張り凧だったはずです。

アリーナ・ザギトワは「五輪後遺症」との見方もできます。
金メダルをつかむと、重圧や緊張から解放されてほっとします。
それまでの高い「モチベーション」を保てません。
オリンピックの金メダリストはまま世界選手権を欠場してきました。
1か月後に再び心身ともにベストコンディションを整えるのはまず不可能だからです。

ファンは顔や姿を見られれば十分とは思っておらず、オリンピックの演技の再現を期待します。
シニアデビュー7戦7勝、精密ロボットみたいに高難度ジャンプを軽々と成功させましたが、この大会では転倒を繰り返して5位に終わり号泣しました。
「惨敗」も仕方ありません。



契約書は秋田犬マサルが肉球サイン

GPファイナル2018が迫った11月30日、アリーナ・ザギトワは5月に秋田犬保存会から贈られた愛犬「マサル」を連れ、東京の寝具メーカー「エアウィーヴ」と広告出演契約をロシアで結びました。
同社によれば、マサルは契約書に肉球でサインしたそうで、犬との契約は初めてとのこと。
ロシア暮らしに慣れたマサルは「スパシーバ(ありがとう)」と吠えました。

マサルは今夏に同社から自己利用の特製マットレスをプレゼントされており、「とても気に入っている」と周囲に語っていました。

(2018年12月2日執筆)

◆書き加え(12月12日)

紀平梨花のSP世界最高にプレッシャー

GPファイナルはSPが行われ、6番(最終)滑走のアリーナ・ザギトワはミスを犯したわけでありませんが、 77.93点で2位に留まりました。
紀平梨花との差は4.58点にすぎず、射程圏内ともいえます。
(昨年のGPファイナルは逆転優勝を飾っています。)
しかし、技術点(TES)で5点以上の差がついています。
FSはこの差がもっと広がると私は考えます。

今シーズン4試合目で首位以外でのスタートは初めてです。
演技後に「私はナーバスだった。心が離れてしまっていた」と振り返っています。
3番滑走の紀平梨花に自身の持つ今季世界最高得点をあっさりと更新され、大きなプレッシャーがかかったはずです。
「気持ちを切り替えてFSに臨まなければならない」と決意を口にしました。

女子フィギュア界を席巻するかと思われたアリーナ・ザギトワでしたが、早くも同い年の紀平梨花に取って代わられようとしています。
勝負の世界、とりわけ成長期の女子の勝負の世界は厳しい。
絶頂期が1〜2年で終わります。

ザギトワ、悔しいGPファイナル2位

GPファイナルはFSが行われ、SP2位のアリーナ・ザギトワは148.60点の2位、合計226.53点で2位に終わりました。
技術点で紀平梨花を下回り、演技構成点で紀平梨花にほぼ並ばれました。

2本目の3回転ルッツ−3回転トウループの後半のジャンプが1回転になっています。
それ以外はほぼミスのない演技を見せましたが、五輪女王の強さは影をひそめました。
紀平梨花を逆転するにはすべてのジャンプをクリアすることが条件でしたので、演技後にうつむいています。
結局、紀平梨花の代名詞、トリプルアクセルに屈しました。

「シニア1年目は簡単だった。2年目は大きい期待にナーバスになることもある」と苦しい胸の内を語りました。

私はGPファイナルでの不振が五輪後のモチベーション低下や多忙による疲労蓄積でなく、体形変化や体重増加によるものであるとしたら、本来の滑りを取り戻すのは容易でないと思います。
五輪後に身長が7竸びたという情報を目にしました。
高難度ジャンプを跳べなくなったとしても不思議でありません。
それでも安定感を保っているのはすごいです。

GPファイナルは悔しい2位でしたが、追われる重圧から解き放たれたともいえます。
この先のロシア選手権、世界選手権でどのような演技を見せてくれるでしょうか。
日本にも大勢のファンがいる選手ですので頑張ってほしい。

◆書き加え(12月19日)

ロシア選手権2018でトルソワに敗れる?

アリーナ・ザギトワはGPファイナルでオリンピックシーズンと別人のような滑りに終始しました。
女子選手は体が重くなったら、得点力の大きいジャンプを安定して跳べないでしょう。
技術の衰えということは考えにくい。
紀平梨花と比べ、スケーティングの軽やかさも感じられません。

ロシア選手権2018が始まりますが、女子シングルに次世代を担うジュニア勢も出場します。
ジュニアGPファイナル1位の15歳、アリョーナ・コストルナヤ、2位の14歳、アレクサンドラ・トルソワなどです。
おそらくアレクサンドラ・トルソワはFSに4回転ジャンプを何本か組み込むはずであり、完璧に決めると紀平梨花でさえ届かない技術点を記録します。

ロシア選手権はきわめてハイレベルな優勝争いになりそうです。
昨シーズンから不調に沈むエフゲニア・メドベージェワは表彰台に上るのも大変です。
ひょっとするとアリーナ・ザギトワは女王の座を滑り落ちます。

おおよそ15〜16歳に成熟期で入りますのでジュニア勢の先行きは不透明ですが、現時点で恐ろしい存在であることは確かです。

◆書き加え(12月19日)

北京五輪へ4回転ジャンプ競争に突入

ロシア選手権はシニア勢とジュニア勢の対決の構図で眺めると一層興味深いです。
はたしてどのような結果、順位になりますか。
それは来年、再来年の日本勢とロシア勢の戦いを占うヒントになります。
なかでもアレクサンドラ・トルソワが4回転ジャンプを決めて頂点に立つと、紀平梨花も心中穏やかでないでしょう。
女子シングルは2022年北京五輪へ向けて一気に「4回転ジャンプ競争」に突入します。

◆書き加え(12月22日)

ザギトワが意地を見せてSP80点超え

SPが行われ、アリーナ・ザギトワが 80.62点で1位、アレクサンドラ・トルソワが 74.96点で2位、アリョーナ・コストルナヤが 74.40点で3位となりました。
意地は見せました。
エフゲニア・メドベージェワは 62.24点で14位に沈んでいます。
ちょっと前まで絶頂期だったので、痛々しい。
勝負の世界は容赦がありません。

◆書き加え(12月23日)

ジュニアが表彰台独占、ザギトワは5位

FSが行われ、アリーナ・ザギトワはミスが相次いで131.41点、合計212.03点で5位に沈みました。
GPファイナルで紀平梨花に圧倒され、自信も喪失しているのでしょう。
メンタルの強さが分かるのは逆風のときです。

ロシア選手権はやはりジュニア勢が表彰台を独占しました。
1位は229.78点、14歳のアンナ・シェルバコワ、2位は229.71点、昨シーズンの世界ジュニア選手権で優勝を収めた14歳のアレクサンドラ・トルソワ、3位は226.54点、先日のジュニアGPファイナルで優勝を収めた15歳のアリョーナでした。

4回転ルッツ成功、技術要素点は90点超え

アンナ・シェルバコワは冒頭の4回転ルッツを決めて勢いに乗り、ノーミスの演技で90点に迫るTES(技術要素点)をマークしています。

アレクサンドラ・トルソワも冒頭の4回転ルッツを決めていますが、続く4回転トウループで転んでいます。
にもかかわらず技術要素点が90点を超えています。

ちなみに、SP14位と出遅れたエフゲニア・メドベージェワは7位と巻き返しました。
久し振りに笑顔が見られたようです。

選手寿命が短く、いきなり天国から地獄へ

アリーナ・ザギトワはこの先、立て直してくる可能性がゼロではありませんが、エフゲニア・メドベージェワと同様、天国から地獄に突き落とされています。
ロシア選手は日本選手より体形変化や体重増加が激しいので選手寿命が恐ろしく短い。
オリンピックで金メダルを獲得した直後に終わります。

22歳のエリザベータ・トゥクタミシェワは例外です(今大会は肺炎で欠場)。
復活できたのはよほどフィギュアスケートが好きだったのでしょう。
それともオリンピック出場を逃したのが幸運だったのか・・・。

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